関西学院大 英語・国語の出題傾向と対策ポイント

2011年12月14日 水曜日

「難しい」と言われる入試問題も、出題傾向と対策ポイントを押さえて効果的に学習を進めれば意外なほど得点を重ねることが出来そうです。

関西学院大の入試説明会にお邪魔してきました。

まずは、関西学院大の入試制度について簡単におさらいをしておきたいと思います。

筆記試験が必要となる入試制度は「全学日程」「学部個別日程」「関学独自方式日程」の3タイプです。各日程の特徴とポイントは次の通りとなっています。

①全学日程
・文系型は全学部共通の配点(英語200・国語200・選択150)
・英語・国語・地歴は全問マーク式の出題(数学・理科は全問記述式)

②学部個別日程
・文系学部は学部によって、理工学部は学科によって配点が異なる
・昨年度平均で英語と国語は約75%がマーク式、残り25%が記述式(地歴は全問マーク、数学・理科は全問記述)

③関学独自方式日程
・2科目で受験可能なもの、センター試験を併用するものと、様々
・昨年度平均で英語は約75%がマーク式、残り25%が記述式(数学は全問記述式)

なお、③の関学独自方式は「国公立大との併願者」向けにした試験科目構成とされているそうです。

全学日程と学部個別日程の定員割合についてですが、ほとんどすべての学部で同等となっています。

さて、上記以外の入試方式となるセンター試験利用型(1月)における、およその合格ラインについてもある程度具体的に発表していただきました。以下の通りとなっています。

文系5科 76~78%
文系3科 80~82%
理系7科 72~74%
理系5・4科 75%前後

上記のラインと比較すると、文系学部の中でも特に国際学部は上記文系5科・3科とも少々高めのラインになっているそうですから、要注意です。

出題の形式と特徴・対策ポイントですが、以下に英語と国語について列挙します。

英 語

①大問数は全学日程、学部個別日程、関学独自方式日程いずれも6題、解答時間は90分(国際学部英語1科目型専用問題は2題、解答時間は75分)。

②全学日程問題はすべてマーク形式で、学部個別日程と独自方式日程の問題はマークと記述の併用形式。記述の割合は概ね25%程度(2011年度入試)。ただし、国際学部英語1科目型専用問題は記述形式(英作文は出題しない)。

③基本配点はすべて200点満点。日程や学部によって配点が異なる場合は採点後に得点換算を行う。

④出題内容は概ね「読解総合問題」「空所補充」「内容一致・不一致」「整序英作文」「会話文」などで構成されており、バラエティーに富んでいる。幅広く知識を問う内容である。

⑤語彙・文法に偏りはなく、まんべんなく出題している。また、長文もテーマは様々。

⑥問題は7日分を同時に作成している。マーク・記述以外形式上の違いはなく、出題レベルも難易度に差が出ないように配慮している。

⑦正答率が高い(標準あるいは易しい)問題が全体の80%以上あり、その割合から考えると関西学院大の英語の問題レベルは「標準」といってよい。しかし、合格最低点は各学部ともにそれほど高くないことから、「問題は難しくないが点が取れていない」ことが分かる。出題レベルは平易であるが全体分量が多いことが最大のポイントとなっており、解答時間90分では足りなくなりミスが増えているのではないか。

⑧何よりも基本知識のマスターが重要で、語彙・文法・構文知識は確実に身につけておきたい。

⑨「重箱の隅を突く」ような設問はほとんど出題されない。「難しい問題≠特殊な問題」であることを意識して、基本に忠実な学習を心がけるべき。

国 語

①全日程とも現代文1題・古文1題の合計2題。試験時間は全学日程75分、学部個別日程は2科目で120分(国語+数学、国語+地歴)。

②基本配点は全学日程200点満点、学部個別日程は150点満点。現代文と古文の配点割合は1:1。学部個別日程で配点が異なる場合は150点満点で採点ののち、得点換算を行う。

③全学日程は全問マーク式、学部個別日程はマーク70~80%・記述20~30%で構成。

④現代文は評論中心の出題で、ジャンルは社会・文化・思想・芸術と幅広い。古文は時代区分にかたよりが見られない。

⑤現代文では「漢字(選択問題)」「語句や熟語の説明」「空所補充」「論旨理由説明」「要旨・内容説明」など、古文では「語句の意味」「文法知識」「現代語訳」「内容説明」などを出題。設問の偏りなし。

⑥設問数は現代文が11~14、古文が12~13。

⑦解答時間が全学日程で75分、学部個別日程は2科目で120分ある。問題分量に差異はなく、日程によって解答時間が異なるので、時間配分には注意が必要。

⑧現代文・古文の配点割合は②の通りだが、これは古文の配点が高いことを意味している。よって、古文で高得点を狙いたい。

⑨現代文・古文ともに出題分野・ジャンルは様々で偏りが無い。関西学院大の過去問だけでなく、様々なジャンルの問題を解き、慣れておくことが大切だろう。