国公立大 2次出願に向けて ~2012年度 系統別人気動向~

2012年1月24日 火曜日

1月14・15日に行われた大学入試センター試験の自己採点結果も返却され、受験生の皆さんは国公立大2次の出願についていろいろと考えを巡らせていることと思います。なお、今回のセンター試験の平均点(中間集計)や各予備校が予想する平均点についてはこちらのエントリー「2012年度センター試験 予想平均点と難易度変化」でご紹介しています。

いよいよ1月23日(月)から国公立大の出願が始まっています。自分が志望している系統、大学・学部の人気傾向については非常に気になることと思います。

今回のエントリーでは、今回のセンター試験結果を受けての国公立大の各系統別人気動向をご紹介します。なお、今回ご紹介するのは河合塾及び駿台の集計結果に基づく資料となります。

まずは、大きなくくりでの人気傾向をご紹介します(クリックすると拡大します)。

国公立大 センターリサーチ動向(河合塾)

文系学部が軒並み人気を下げているのに対し、理系学部はすべてで昨年よりも志望者を増やしています。いわゆる「文低理高」という形です。

志望者数の減少が顕著なのは「法・政治」「経済・経営・商」の2系統です。各予備校等が実施している模試においては、秋の時点から不人気の傾向が強かった系統ですが、ここへきてもそのままの状態です。

教育系統では教員養成課程は前年並みの人気を集めている一方で、総合科学課程(いわゆるゼロ免課程)は1割近く減少しています。総合科学課程は、教員養成課程よりも手ごろなレベルで入学できることもあって、特にセンター試験の平均点が下がった年で狙われる傾向にあります。しかしながら、今年はセンター試験の平均点が上昇しましたので、あまり志望者がいない状態です。意外と穴場となっています。

理系の各系統はどうなっているか見てみましょう。

理は昨年以上の人気を集めている上に、工と農は前年並みの人気を維持しているなど、理系人気は昨年から継続している形となっています。

また、医療系も各分野で志望者数が増えています。特に医学科は「定員増」という話題性もあって、人気指数が112ということで大きな増加となっています。

看護系は前年比100ということで昨年と同じ人気となっているものの、近年で志願者数が増え続けてきた分野ですから、高い人気を維持している形です。

ここまでご紹介したとおり、理系は「昨年以上の人気」の系統がある上に、「これまで通りの人気を維持」している系統ばかりなので、各大学・学部とも合格には昨年あるいはそれ以上の力が必要となる所が増えるのではないでしょうか。要注意です。

ここまでは、河合塾の資料を基にして大きなくくりでの人気動向をご紹介しましたが、駿台からはもう少し細かく分類された形で人気動向が紹介されています。次の2つの表がそれになります(画像をクリックすると拡大します)。

センターリサーチ動向(駿台)①

センターリサーチ動向(駿台)②

指数が昨年から5ポイント以上上がっている所、つまり「昨年よりも人気が集まっている」所は赤くしている一方で、昨年から5ポイント下がっているという「人気を下げている」所については青くしています。

先ほど「経済・経営・商は人気がない」とご紹介しましたが、上の表で詳しく見てみますと、減少しているのは経済学と経営情報学であり、経営学・商学の分野では前年よりも多い志願者数が集まっていることがわかります。

理系では、軒並み赤いしるしがついている系統ばかりとなっており、理系の人気傾向が色でも一目瞭然となっています。

センター試験終了後に各予備校で実施されたリサーチでは、このような状況になっています。今後、受験生の皆さんはこういったデータを見て出願先を決めますから、ご紹介したとおりの人気傾向になるとは限りません。意外なところが穴場となっていたり、反対に穴場だと思っていた系統や学部が人気を集めてしまったなど、出願を締め切った後で動向が変わることもあります。

そんな可能性もあることを認識しつつ、今回ご紹介したデータを参考にしてもらえたら、と思います。

今後のエントリーで、同じセンターリサーチの結果を基にして関関同立の学部別人気動向(センター利用型)をご紹介する予定です。