2月時点就職内定率 やや好転も・・・

2012年4月11日 水曜日

文部科学省および厚生労働省はこの程、大学・短大等の就職内定状況を発表しました。今回のエントリーは、2月時点の大学卒業者の就職内定率データと状況をご紹介いたします。

下のグラフをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

就職内定率(2月時点)

今回発表されたのは2012年3月卒業予定で就職を希望している大学生の就職内定率です。

2012年2月1日現在で80.5%、「就職氷河期」と言われた2000年の81.6%を上回ることは出来てはいないものの、前年同期比3.1 ポイント増ということで、3年続けてのダウン及び2010年・2011年と過去最低を更新し続けていた傾向に歯止めをかけ、若干好転している状況であることが判明しています。依然として厳しい状況が続いていることには変わりありませんが、それでも昨年・一昨年よりかはまだマシな数値です。

しかし、実はここに大きな落とし穴があります。

厚労省の推計値によると、大学の2012年3月新卒予定者数は55万人。この内、今回のこの調査時点での大学就職希望者数は40万6千人となっています。この時点で実に約14万人の差があります。

しかもこの大学就職希望者数というのが、調査を重ねる度に減ってきているのです。以下、今年度数度に渡って調査された際の大学就職希望者数です。

10月1日調査時点 42万5千人
12月1日調査時点 41万6千人
2月1日調査時点 40万6千人

10月から2月の間に実に約2万人も減っています。これは、新卒予定者が就職を諦めたり、大学院や専門学校などへ進学するなどの進路変更をした、ということが推測されます。

こういった学生が「大学就職希望者数」から抜け落ちていくことで、就職内定率算出の際の「分母」が減りますから、おのずと数値も良く出る方向にはなります。

また、今回の調査時点で大学就職内定者数は32万7千人となっており、計算すると2月時点で就職先が決まっていない就職希望新卒予定者が約8万人にものぼることも明らかになっています。

棒グラフで示している、国公立大と私立大それぞれの就職内定率にもご注目下さい。国公立大の就職内定率は前年度から+3.6ポイントの回復である一方、私立大では+2.8ポイントに留まっています。やはり、国公立大出身者の強さがここで露わになっています。

就職内定率は過去最低の水準から回復基調にあるものの、特に私立大卒業者を中心として依然として厳しい状況が続いています。