関西大 外国語学部でカリキュラムの大幅変更

2012年7月9日 月曜日

関西大の高校・予備校対象説明会にお邪魔致しました。

早速ですが、教育内容における変更点で大変大きな情報がありますので、お知らせいたします。

2009年に開設された外国語学部は今春入学生を迎えて1~4回生すべてがそろった形です。この「一区切り」を受け、2013年度よりカリキュラム改革を行われます。具体的には以下の点です。

①専門分野をより明確にしたプログラムの設定
これまでの3つの専修を改編して5つの履修プログラムとし、専門分野を深く掘り下げる。履修プログラムは以下の通り。
(1)言語コミュニケーション教育プログラム
(2)言語分析プログラム
(3)地域言語文化プログラム
(4)異文化コミュニケーションプログラム
(5)通訳翻訳プログラム
②習得言語の複線化による多言語習得
 「プラスワン言語の充実」と「副専攻言語の導入」
③上記①②による外国語プロフェッショナルの養成
卓越した(複数の)外国語の運用能力、多文化共生・異文化理解の直接体験

これまでは英語教育専修/中国言語文化専修/外国語コミュニケーション専修の3つに分けていましたので、「主専攻言語として英語か中国語を選ぶ」という印象が強かったのですが、この度の大きな変更により、「○○語を学ぶ」というところから「言葉を使って○○を学ぶ」という形に変えられています。

また、同学部のセールスポイントの1つである「Study Abroad(1年間の留学)」に関しても、新たに「クロス留学」という、英語圏以外の地域に留学して当該地域で使用される言語と主専攻言語である英語の両方を学ぶプログラムを導入されることになっています。

社会学部においても変更があります。4つの専攻のうち「マス・コミュニケーション学専攻」が「メディア専攻」へと名称を変えのですが、中身に大きな変更はない様子です。

このメディア専攻内には「マスコミ・ジャーナリズム系」「インターネット・コミュニケーション系」「メディア文化系」「広告・広報系」の4つの系が設けられますが、あくまでも各自が目指す将来像に向けた「目安」として分けられている程度のものであり、系のくくり内でしか授業が履修出来ないということではないとのことです。

話題が変わりまして、就職状況・サポートに関してです。

就職率は95.3%、昨年から1.0ポイントアップしています。ここ数年95%程度で推移しているそうですから、「高値安定」といったところでしょうか。

巨大・大企業への就職割合は59.8%で前年から0.6%ダウンとなっているものの、いわゆる「人気企業ランキング」で上位にランクインするような企業には毎年必ず1名以上の内定者を出しているそうで、今回は「2013年春卒業予定者 人気企業ランキング(日経新聞調べ)」の1~20位のすべてに今春内定者を送り込んだことをご紹介いただきました。

就職支援を行うキャリアセンターの取り組みの中で特に面白いのが、関関同立共催による「全国有力企業研究会」と呼ばれるもので、特に地方の有力企業を招いて関関同立の学生だけに開催されるものです。Uターン・Iターン就職を希望するような地方から関西大へ学びに出てきた学生たちのサポートとして大きな助けとなっているようです。

入試結果です。

志願者数は約6,000名の減少となりました。関西大は今年の入試で大きく募集定員を増やされていますから、合格者数を昨年よりも多く出さないといけません。その兼ね合いもあって、08年度5.5倍⇒09年度5.6倍⇒10年度5.1倍⇒11年度5.0倍とこれまで5倍台を維持していた倍率が、今年は4.3倍となって一気にダウンした形です。

特にセンター中期で大きく倍率がダウンしていたり、センター利用型のラインが全般的に大きくダウンしているのですが、センター試験の平均点が高くなったことから私立の上位大や国公立大へ流れたものと思われます。

2013年度入試に向けてです。

変更点は特にないようですが、1つ注意点があります。今年の倍率ダウンを受けて来年は受験者が殺到すると思われます。今年の結果を受けて各予備校が偏差値を出してくると思いますが、今年のラインを真に受けて受験をすると痛い目にあうでしょう。注意が必要です。