佛教大 看護学科での入試裏事情

2012年7月17日 火曜日

佛教大の高校・予備校対象説明会に行ってきました。

まずは、大学の取り組みで特徴的なものをいくつかご紹介します。

入学直後である1年次の2つのセメスターに特に力を入れておられ、20名前後での「入門ゼミ」ではPCの使い方、文献の調べ方、e-ラーニングの活用法、レポートの書き方といったことを学び、4年間の学びの基礎を作り上げることを目的としています。

年間約1,500名が卒業する同大ですが、そのうちのべで1,300名が何らかの資格を取って卒業しているそうです。中でも教育学部があることから、教員免許を取って卒業される方が多いのではないでしょうか。

その教員免許に関することですが、通信制課程を持っていることでも佛教大は有名です。小学校教諭の免許が取れない学部の生徒であってもこの通信制を併用して免許を取ることが可能となっているそうで、そういった通信制を活用して小学校教諭免許をとる生徒は年間80~90名ほどいるそうです。ただし、通常の学科卒業に向けた学習・研究もやりながら、その上で通信制で小学校教諭免許を取る、ということは並大抵の努力では難しいものです。この道を選ぶ方は覚悟をしておきましょう。

成績不振者への対応についてですが、学期末に単位が一定以上取れていないなど成績不振の学生をリストアップし、面談を実施されているそうです。そのおかげか、退学率は2~3%に留まっているとのことでした。

では、2012年度入試結果です。

こちらのエントリー「佛教大 公募推薦入試を終えて」で詳しくご紹介していますので是非お読みいただきたいですが、今年度公募推薦における1人当たりの併願数は2.9だったようです。

また、今年は龍谷大で心理系学科が新設されたこともありますので、佛教大では臨床心理学科の人気ダウンを予想されたようです。「龍谷大に逃げられても充分な入学予定者数を確保できるように」とのお考えがあってか、公募推薦では合格者数を多めに出しておいたようですが、予想に反して多くの受験生に手続きしてもらえたようです。その結果、一般入試で合格者を絞り込む必要が出てしまい、特に一般入試Aでは昨年から大きく倍率上昇となる12.5倍となってしまっています。

ただ、恐らくは来年度はこのような12倍というような高倍率にはならないでしょうから、安心して受験してほしいと思います。

佛教大は今春から看護学科が新設されています。注目された看護学科のトータルの倍率は5.9倍でしたが、特に大規模な募集定員・受験者数が集まる入試として一番最初に行われた公募推薦入試ではなんと13.5倍、受験生にとっては悪夢のような入試となった一方で、一般Aではその反動もあって3.7倍という拍子抜けするぐらい普通の倍率となる入試になりました。

定着率が読めない手探りの中での入試で大学の方々が大変ご苦労された様子がこれで伺えますが、実は高校や予備校で進路指導をしている先生方にとってもこの佛教大の看護学科のレベルは中々読みづらいものがあったようです。複数の高校の先生から「保健医療系のレベルが高い佛教大なので看護も高いレベルになると予想し、大阪府立大の看護学類に代表されるような国公立大の滑り止めとして受験を薦めていた」という声を聞かせていただいたこともありますが、どうやら国公立大との併願者が多かったようです。

事実、看護学科では国公立大の合格発表以降入学辞退者が続出し、その後追加合格を多く出されたそうです。一般B受験者からの追加は「合格最低点が70%を下回ることは避けたい」とのことで2~3名に留め、一般Aの受験者から多くの追加を出したということを今回の説明会でお教え頂きました。

今年の結果も踏まえて来年度に向けて進路指導されることになりますから、来年度はもう少し妥当な併願パターンとなり、こういった追加合格がたくさん出ることもさほど期待できないと思います。

近畿大 さすがに今年度入試は志願者減少

2012年7月13日 金曜日

近畿大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

入試結果を中心にご紹介します。

今春入試に向けて行われた変更点としては、文芸学部内の2学科が名称変更を変えたことが筆頭として挙げられますが、改めておさらいをしておきます。

①文化学科が「文化・歴史学科」となり、これまで入試段階で「日本歴史・文化」「世界歴史・文化」「現代文化」の3つのコースから選んで出願する必要があったが、今後は回生が進むにつれて選択していく形となる。
②英語多文化コミュニケーション学科が「英語コミュニケーション学科」に。

さて、昨年度入試における総志願者数は11万名を突破し、5年連続で上昇していましたが、今年は久々に志願者減となり11万名を割りこみました。一方で合格者数は昨年よりも約1,500名増えており、結果として倍率が4.0倍(昨年4.4倍)となっています。今年度の受験生はラッキーだったようですね。

女子志願者数は昨年・今年と31,000名台をキープ。志願者における女子比率が28.6%と、昨年27.6%からまたまた上昇しています。また、実際に入学した数・構成比率で言うと、東大阪キャンパスだけで1,689名・31.0%(昨年1,641名・31.5%)となっており、女子が3割存在していることになります。

近畿地区を中心に各地で説明会をご実施下さっている近畿大ですが、私が参加したのは京都で実施された回ということで、京都からの志願動向をお聞かせいただけています。以前は3,000名台だった志願者数が今年5,000名以上となっているものの、その数は奈良県からの志願者数よりも少なく、まして大阪からの志願者は4万人規模であることから、「京都からもっと来てほしい」とのアピールがありました。

確かに、京都に住んでいる人が近畿大へ行こうと思うと、奈良県の西大寺駅経由あるいは大阪のなんばや鶴橋を経由する、ということになりますから、「ぐるっと回って移動する必要がある」ということになります。近畿大は間違いなくオススメ大学の筆頭に挙げられる大学なのですが、こと京都に住む受験生から見ると交通アクセスの面で敬遠してしまいがちなのは理解できます。

話を入試結果に戻しまして、今回は入試制度別の歩留まり率をお教えいただきました。以下の通りとなっています。

公募推薦 56.4%  一般前期(A) 28.6%  一般前期(B) 45.8%
一般後期 69.0%  センター利用 13.3%

方式別の志願・合格者動向は以下の通りとなっています。

近畿大

どの入試形態においても志願者数が減少していますが、反対に合格者数が増やされているため、どの入試形態でも倍率が低下したことになります。特に公募推薦入試は昨年度から約7%の志願者減に対して約13%もの合格者数増となっていますので、かなり入りやすかったと思われます。

では、来年2013年度入試に向けてです。変更点がいくつかあります。

・工学部の学科名を変更する。
・C方式(中期)の合格発表日を前倒しし、同前期と同じ日に発表とする。
・文芸学部に併願制度を導入。法・経済・経営・総社に加え新たに文芸が追加。
・C方式の全日程で薬学部 創薬科学科を導入。

変更点の詳細に関しては近畿大の入試ガイドやHPで必ず確認下さいますようお願いします。

高槻中 伸びる大学合格実績と中学入試受験者数

2012年7月12日 木曜日

高槻中の塾対象説明会にお邪魔してまいりました。

高槻中

学校での新しい歩みと従来からの教育内容についてまとめます。

高槻中高では昨年から改革に着手されており、東京などの様々な学校を訪問・研究されてきたそうです。その結果、「卓越した語学力と国際的な視野を持って世界を舞台に活躍できる次世代のリーダーを養成する」ことを学校の使命とされ、今改革に取り組まれているようです。

進学等の目標については以下の通りであると発表されました。

①難関国立10大学(旧帝大+神戸大・一橋大・東工大) 130名入学
②国公立医学部+大阪医科大 40名入学
③中学3年学年末 英検2級 130名合格

教育面においては、特に英語に関して大きなテコ入れが行われています。通常6時間の授業に加え、ネイティブによる20人規模の会話中心の授業を週3時間実施(H25入学生から中学3年間、今年度入学制は週2時間で試行中)されています。

また、全教室に電子黒板(85インチ)をこの夏に新設置、希望の教員全員にiPadを配布。スピード感のある授業展開と新しい教育を目指されています。

英語ではすでに導入している習熟度別授業ですが、数学でも中3・高1で導入するそうです。

最近、高槻中高が注目を浴びるようになってきたのは、ひとえに「大学合格実績の向上」があるからだと分析しています。気になる今春の大学合格実績については以下のようなものとなっています。

①国公立大の現役合格者数は109名、昨年103名から微増。過去10年間では2位の数。
②現役進学率は55%、4年ぶりに50%を超えた昨年の56%とほぼ同率。
③大阪大の現役合格者数は20名、浪人の16名も含めた36名は歴代1位の数。
④国公立大医学部医学科は現役で9名、過去10年間で2位の実績。浪人生の合格者数15名を加えると24名が合格。

そんな大学合格実績の向上を受けて、高槻中は今春受験者数が大きく増えています。その辺りのことを細かくご紹介したいと思います。

(さらに…)

近畿大学附属中 国語で出題内容が変更に

2012年7月11日 水曜日

近畿大学附属中の塾対象説明会に行ってまいりました。

まずは教育内容のご紹介です。

近畿大への進学を目指すプログレスコースは「大学附属校」として、アドバンストと医薬の2つのコースは「進学校」としての、2つの顔を持つ学校となっています。

大学附属校としての色が強いプログレスコースですが、同コースから近畿大への進学率は今春で66.2%となりました。他国公立大は2.0%、難関私立大に15.9%進学していることから、近畿大一本に絞られるというわけではない点が特徴です。

なお、近畿大へ進学するには最短のルートとなる「附属特別推薦制度」は6年生10月までにエントリーが必要で、学科試験免除の専願制となっています。プログレスから近畿大へ進学する9割の生徒がこの推薦制度を利用して進学しているそうです。

進学校と遜色のない取り組み内容と大学合格実績を出しているアドバンストコースですが、こちらは国公立大への進学を目指すコースとなっています。今春は国公立大へは54.4%、難関私立大へは28.1%が進学し、現役進学率は84%となりました。

このコースでは中期課程(3年次)より到達度別学級編成が導入されているのも特徴です。

これら2つのコースの進学状況について改めてまとめてみますと

プログレス  国公立大2.0%  難関私立大15.9%  近畿大66.2%
アドバンスト 国公立大54.4% 難関私立大28.1%  近畿大8.8%

となります。

残る医薬コースは、文字通り医療系大学・学部への進学を目指すコースです。近畿大との連携による他に類を見ない体験学習、近畿大 医学部・薬学部への特別推薦制度といった点が非常に魅力的です。

このコースからは医学科に22.8%、歯学科に5.1%、薬学科に29.1%が進学しています(すべて3ヶ年平均)。

近畿大医学部への特別推薦制度も存在しますが、この推薦基準の到達率は過去5年で約30%となっており、高い率で基準を上回っています。

上記3つのコースは入学後にコース変更が可能です。実施時期は2~5年進級時の4回ですが、医薬のみ4年進級時まででクローズとなる点注意が必要です。

査定となる成績は定期試験・実力テスト・アチーブメントテストの3つ合計4000点満点で、希望と成績によってコースが決められることになります。現2年生のコース変更状況が公開されています。標準からいきなり医薬に2ランクアップした生徒が2名いるようです。

標準 ⇒ 特進 29名
標準 ⇒ 医薬 2名
特進 ⇒ 医薬 6名

来春2013年度入試に向けての情報です。

前期は1月19日(土)、後期は1月21日(月)の実施となっており、今春から変更はありません。

ただし、入試問題について変更が予定されています。国語の「文学的文章(大問1)」の文章量を20%程度短くして五ツ木駸々堂程度の分量にすること、基本的な読み取り力を問う問題を増やすという方向になるそうです。

なお、10月20日(土)実施のプレテストからこの傾向となるので、プレテストは必ず受験するべきです。プレテストで新傾向をしっかりとつかんでおきましょう。

同志社大 学部新設に加えて2学部で定員増

2012年7月10日 火曜日

同志社大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

同志社大で今最も旬な話題といいますと、来春に新設される「グローバル地域文化学部」の件ではないでしょうか。開成教育グループ入試対策課では、皆さんにいち早く新学部の情報とお届けしようと思い、春休みに開催された受験生対象のオープンキャンパスに参加し、その模様をこちらのエントリー「同志社大 グローバル地域文化学部の詳細」でご紹介しています。こちらでおおよそのことは紹介していますが、今回はその中で強調しておくべき点などを再度確認しておきたいと思います。

新しい学部は2013年4月に今出川C北の烏丸キャンパスに開設予定となっており、この学部では英語が必修言語となりますが、第二外国語として多彩な言語から選択が可能としているようです。

学部内は3つのコースに分かれており、研究対象となる地域・文化が大きく異なることから、それぞれのコースが推奨する言語が設けられるようです。しかし、あくまでも「推奨」であり、選択幅が強制的に狭められるようなことはなさそうです。この辺りのことは、どういった言語が開講されるのかも含めて、直接大学の方にお尋ねになると良いと思います。

2011年に開設された「グローバル・コミュニケーション学部」では1年間の留学が必須となっているのですが、グローバル地域文化学部では期間の長短を問わず卒業までの間に「海外フィールドワーク」「海外大学での研修」「世界の企業や機関で体験する海外インターンシップ」といったものに最低1回参加する必要がある、という点が前にできた学部とは大きく違う点です。
 
どちらかというと前者は実践的な外国語運用能力の練成に特化した学部、後者も語学は重視されるもののあくまで「地域を理解するための道具」として語学は位置づけされている印象があります。

先ほどご紹介した「3つのコース」に関してですが、1つのコースを選んで入試を受けることになるのですが、入学後は原則として他コースへ移ることはできない点注意が必要となります。ただし、他コースの科目も履修することは可能にしてくれるようです。

さて、ここからは就職に関しての諸データをご紹介します。

今春卒業生の就職決定率は全体で95.2%。文系学部94.9%、理系学部98.1%となりました。

また、スポーツ健康科学部と生命医科学部で今春1期生が卒業しています。それぞれの就職決定率は以下の通りとなりました。

スポーツ健康科学部 全体97.6% 男子97.7% 女子97.5%
生命医科学部 全体98.1% 男子96.8% 女子100%

入試関連の情報です。今春2012年度の入試結果をまずはご紹介します。

定員5,780名に対し、入学者数(留学生を含む)は6,000名を超えており、定員は充足しているとのご報告をいただきました。

気になるのが入試方式ごとの定員の多い・少ないですが、同志社大では一般入試の定員比率は54.7%となっており、次いで法人内諸学校推薦入試(いわゆる内部進学)が19.3%、指定校推薦が15.9%と続いています。

志願動向です。一般入試における志願者数は昨年対比で103.4%、対して合格者数は96.0%と減らされています。よって、倍率・難易度は上昇しているはずです。また、センター利用型では志願者数対前年比112.6%に対し、合格者数は103.1%。こちらも倍率が上昇しています。

追加合格は神・生命医科・GCで出したそうで、合計150~160名ほどになったようです。

学部ごとの動向を見てみますと、一般・センター合算で大きく志願が増えた学部は意外にも法学部で、約700名増えています。他には理工・生命医科といった理系学部が元気です。

来年2013年度入試に向けて、変更点がたくさんあります。以下の通りです。

①AO入試において、スポーツ健康科学部が募集人数を1名増やし3名へ。
②公募推薦入試では、文化情報学部で試験科目と出願資格を変更、心理学部が「スポーツ」を廃止、グローバル地域文化学部が新たに実施を開始、の3点が変更・追加。
③センター利用型入試においては、文学部美学芸術学科が個別学力検査を廃止、また一部の学部・学科で科目・配点が変更されている。
④一般入試では、グローバル地域文化学部が新たに入試を開始、全学部日程で新潟会場の新設と高崎会場の廃止、理工学部インテリジェント情報工学科と情報システムデザイン学科が試験科目を変更に。
⑤社会学部教育文化学科が60名から75名に、およびスポーツ健康科学部で150名から210名と、それぞれの定員が増える。

新しく学部が1つ増える上に、社会学部とスポーツ健康科学部で定員が増えています。来年度同志社大を狙う受験生はこのチャンスを活かせるように、充分対策を進めていきましょう。

関西大 外国語学部でカリキュラムの大幅変更

2012年7月9日 月曜日

関西大の高校・予備校対象説明会にお邪魔致しました。

早速ですが、教育内容における変更点で大変大きな情報がありますので、お知らせいたします。

2009年に開設された外国語学部は今春入学生を迎えて1~4回生すべてがそろった形です。この「一区切り」を受け、2013年度よりカリキュラム改革を行われます。具体的には以下の点です。

①専門分野をより明確にしたプログラムの設定
これまでの3つの専修を改編して5つの履修プログラムとし、専門分野を深く掘り下げる。履修プログラムは以下の通り。
(1)言語コミュニケーション教育プログラム
(2)言語分析プログラム
(3)地域言語文化プログラム
(4)異文化コミュニケーションプログラム
(5)通訳翻訳プログラム
②習得言語の複線化による多言語習得
 「プラスワン言語の充実」と「副専攻言語の導入」
③上記①②による外国語プロフェッショナルの養成
卓越した(複数の)外国語の運用能力、多文化共生・異文化理解の直接体験

これまでは英語教育専修/中国言語文化専修/外国語コミュニケーション専修の3つに分けていましたので、「主専攻言語として英語か中国語を選ぶ」という印象が強かったのですが、この度の大きな変更により、「○○語を学ぶ」というところから「言葉を使って○○を学ぶ」という形に変えられています。

また、同学部のセールスポイントの1つである「Study Abroad(1年間の留学)」に関しても、新たに「クロス留学」という、英語圏以外の地域に留学して当該地域で使用される言語と主専攻言語である英語の両方を学ぶプログラムを導入されることになっています。

社会学部においても変更があります。4つの専攻のうち「マス・コミュニケーション学専攻」が「メディア専攻」へと名称を変えのですが、中身に大きな変更はない様子です。

このメディア専攻内には「マスコミ・ジャーナリズム系」「インターネット・コミュニケーション系」「メディア文化系」「広告・広報系」の4つの系が設けられますが、あくまでも各自が目指す将来像に向けた「目安」として分けられている程度のものであり、系のくくり内でしか授業が履修出来ないということではないとのことです。

話題が変わりまして、就職状況・サポートに関してです。

就職率は95.3%、昨年から1.0ポイントアップしています。ここ数年95%程度で推移しているそうですから、「高値安定」といったところでしょうか。

巨大・大企業への就職割合は59.8%で前年から0.6%ダウンとなっているものの、いわゆる「人気企業ランキング」で上位にランクインするような企業には毎年必ず1名以上の内定者を出しているそうで、今回は「2013年春卒業予定者 人気企業ランキング(日経新聞調べ)」の1~20位のすべてに今春内定者を送り込んだことをご紹介いただきました。

就職支援を行うキャリアセンターの取り組みの中で特に面白いのが、関関同立共催による「全国有力企業研究会」と呼ばれるもので、特に地方の有力企業を招いて関関同立の学生だけに開催されるものです。Uターン・Iターン就職を希望するような地方から関西大へ学びに出てきた学生たちのサポートとして大きな助けとなっているようです。

入試結果です。

志願者数は約6,000名の減少となりました。関西大は今年の入試で大きく募集定員を増やされていますから、合格者数を昨年よりも多く出さないといけません。その兼ね合いもあって、08年度5.5倍⇒09年度5.6倍⇒10年度5.1倍⇒11年度5.0倍とこれまで5倍台を維持していた倍率が、今年は4.3倍となって一気にダウンした形です。

特にセンター中期で大きく倍率がダウンしていたり、センター利用型のラインが全般的に大きくダウンしているのですが、センター試験の平均点が高くなったことから私立の上位大や国公立大へ流れたものと思われます。

2013年度入試に向けてです。

変更点は特にないようですが、1つ注意点があります。今年の倍率ダウンを受けて来年は受験者が殺到すると思われます。今年の結果を受けて各予備校が偏差値を出してくると思いますが、今年のラインを真に受けて受験をすると痛い目にあうでしょう。注意が必要です。

畿央大 就職率が2年連続関西1位

2012年7月6日 金曜日

畿央大の高校・予備校対象説明会に行ってきました。

畿央大

なお、畿央大についてはこちらのエントリー「畿央大 看護医療学科1期生が卒業」で春のオープンキャンパスの様子をご紹介しており、その中で各種資格の合格率等をご紹介しています。合わせてご一読下さい。

今回は、その春のオープンキャンパスのレポートでご紹介していない内容を中心にしてお届けしたいと思います。

2012年4月時点の大学全体の女子比率は67%となっており、年々上昇しているようです。ちなみに今春入学者の女子比率は73%にものぼり、全学科で女子比率が男子のそれを上回ったとのことでした。

畿央大は学生サポートに命を懸けておられる印象がある、と言っても言い過ぎではないと思われるほど徹底した支援をされておられます。その中でも特に以下2つが印象的でした。

①スタディサポートセンター
英語・数学・理科・日本語表現等について質問対応するほか、国家試験や公務員試験対策講座といった国試対策の企画や個別対応も行う

②教職支援センター
教員採用現場におられた方などで構成される専任スタッフや教育学部教員を中心にして採用試験対策を支援。試験に不合格となった卒業生もフォローする。不合格者に関しては出来るだけ常勤などで採用してもらうようにサポートしている

就職率についてのお話も春のオープンキャンパス時には詳しいことは言われていませんでしたが、今回明らかになっています。

2012年3月卒業生の就職決定率は96.6%。就職決定者数300名以上の大学では2年連続関西1位となったそうです。この就職率は見逃せませんね。

受験生の皆さんとその保護者の皆さんにとっての悩みの種となるのが、私立大の合格後に入学権利を確保するために必要となる「入学金」の存在です。畿央大では今年入学金を7万円減らし、出来るだけ入学時の負担が減るように配慮されています。

滑り止めの私立大をどこかで確保しておいて本命の大学を挑戦する場合、畿央大ならば入学金が安いので「押さえの大学」として選択されやすいでしょうから、受験者が増える要素になり得ます。これはかなり上手な作戦だと思います。

今回の説明会の様子は以上ですが、春のオープンキャンパスの様子とも併せてお読みいただくと畿央大の魅力に気づいてもらえると思います。

追手門学院大手前中高 中学で新コースを開設

2012年7月5日 木曜日

追手門学院大手前中高の塾対象説明会に行ってきました。

追手門学院大手前中高

今春、中学入試においては受験者数253名(昨年188名)と、65名の大幅増となっています。A・B日程のW受験者が増加している様子です。しかしながら、入学者数は124名(男子81名・女子43名)となり、昨年の133名(男子85名・女子48名)からはダウンした形です。

今春入試より特待生制度(特待S:入学金免除+授業料(3年間)全額免除 特待A:入学金免除+授業料(3年間)半額免除)を新設されています。この制度が受験者の増加につながったものと分析されていましたが、まさにその通りだと思われます。

その特待生による入学者は15名で、そのうち併設小からの内部進学者が7名を占めていることから、併設小からの信頼・期待の高さがうかがえます。特待SとAの内訳ですが、特待Sでの入学者は11名、特待Aの入学者は4名でした。

この特待生制度によって、今年は受験者数の増加だけでなく入学者の学力層にも変化があったようです。以下、入学後に実施される学内テストの教科別平均点の違いをお示しします。

特進
国語 2011年度 53.3点 ⇒ 2012年度 60.6点
算数 2011年度 62.5点 ⇒ 2012年度 72.6点

進学
国語 2011年度 37.8点 ⇒ 2012年度 39.1点
算数 2011年度 39.2点 ⇒ 2012年度 46.0点

高校入試結果についても大変良いものだったようです。1次・1.5次合計の受験者数が244名、昨年の212名から32名の増となりました。その結果、入学者数は213名となり、当初予定の5クラスから1クラス増やして6クラス編成とされておられます。

さて、タイトルにもございます中学の新コースについてご紹介します。

2013年度入試から従来の特進・進学に加え、新たに「SS(スーパー選抜)コース(仮称)」を新設予定とされています(1クラス)。

3コースそれぞれの特徴は以下の通りです。3つのコースは毎年クラス替えが実施されることになっています。

①SSコース 約25名(特待生含む)
難関国公立、医歯薬系大学への進学を目指す
②特進コース 約35名
国公立、難関私立大(関関同立など)への進学を目指す
③進学コース 約35名×2
有名私立大、追手門学院大への進学を目指す

なお、高校入試での大きな変更点はございません。

最後に、今回ご紹介した追手門学院大手前中高を擁する学校法人追手門学院ですが、2013年4月1日に認定こども園「おうてもんがくいんこども園」を開設されることを発表しています。幼稚園から大学・大学院までを設置する学校法人が認定こども園を開園するのは全国でも極めて珍しいそうで、これによって同学院は0歳児から成人にいたるまでの全年齢層の教育活動に取り組むことになります。

これに加え、ここでは詳しく記載できませんが、この学校法人追手門学院が何やら「大きな一手」を打たれるような話もあります。その点にも今後は注目したいところです。

帝塚山大 手厚い学生支援・就職支援

2012年7月4日 水曜日

帝塚山大の高校・予備校対象の説明会に行ってきました。

帝塚山大

開学から約50年、東生駒Cに4学部、学園前Cに2学部の合計6学部9学科を有する中規模大です。今年2012年は男女共学化及び経済学部開設から25年目という節目の年でもあります。

現在学生総数は4,530名、男女比率は56:44となっています。近畿地区出身者は3,785名(83.6%、昨年81.6%)に対し、近畿以外の出身者は745名(16.4%、昨年18.4%)という比率です。

学生支援で特徴的なものは以下のようなものがあります。

①初年次教育の充実
早期合格者向けの「入学準備セミナー」、「新入生オリエンテーションキャンプ」での人間関係形成、必修の「基礎演習」

②アドバイザー制度
専任教員がアドバイザーとして「基礎演習(1年次)」「演習(2年以降)」を担当、各演習は約20人まで。また、アドバイザーが各種指導・相談を実施する「オフィスアワー制度」も導入

帝塚山大は就職のサポートにおいても定評があります。就職関連では次のような特徴があることをお教え頂きました。

①1100名を超えるインターンシップ参加者がいる
②毎年約1,000名の就職希望者に対して約9,000件の求人が来る
③3年次には全員と面談をし、カルテを作成してサポートする

特に②に関してですが、近畿地区の主要大学では年間4~5,000件/1大学 の求人状況と言われているようですから、それと比較しますとかなりの数の求人が来ていることになります。

2012年度入試の結果の中で特に目立った点としては、「東日本大震災以降心理系統の人気が強くなった傾向がある」ことをお伝えいただきました。

来年2013年度入試に向けての情報です。主な変更点は次の通りです。

①AO入試において「8月面談A・B」を新導入
2学期以降も特別活動やクラブ活動を継続し、高校生活の充実を希望する受験生のニーズに応え、夏休み中にAO事前面談を実施するもの

②AO入試において「特別選抜」を新導入
国公立大のAO・推薦入試に出願した受験生を対象としたAO入試で、12月22日に入試を実施、年内に合否が決定するもの

公募推薦入試の小論文型に関してですが、小論文のお題目は事前に募集要項・HPで確認が可能となっています。充分準備してから試験に臨むことが出来ますね。

複数学科の志望についてですが、公募推薦前期・後期、一般入試A前期・後期、B・C日程、センター前期・後期では第1~3志望まで学科を選択可能となっています。しかし、第1志望で合格となった場合であっても、第2・3志望の合否判定まで実施されるので、場合によっては3つの合格通知を得ることが出来ることになります。

最近よく質問される奨学金のことですが、帝塚山大の特別奨学金制度は次のようなものが用意されています。

Ⅰ種 入試成績が上位5%以内(合格者)の入学者で、学費の全額を支給
(A前期・後期、B日程、センター利用前期・後期)

Ⅱ種 入試成績が上位10%以内(合格者)の入学者で、学費の半額を支給
(公募制・前期(2科目型)、A前期・後期、B日程、センター利用前期・後期)

このように学生支援・就職支援がしっかりしている帝塚山大、「奈良県にある大学だし遠そう」と敬遠せずにぜひ一度キャンパスに遊びに行ってみてください。

大阪府立大 学域・学類へ改組後初の入試を終えて

2012年7月3日 火曜日

大阪府立大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

大阪府立大

高度研究型大学として①多様 ②融合 ③国際 の3つをキーワードとして世界に翔く地域の信頼拠点を目指す、というのが大阪府立大が目指すところです。

共通教育科目として「初年次ゼミナール」などを1年次から全学域共通で履修させ、大学での主体的な学びへの転換を図るとともに、情報や語学などの技能を磨いて幅広い教養を身に付け、問題解決力を育成して専門科目につなげている点が全学規模での大きな取り組みとなっています。

かつては28学科も擁していたこの大学ですが、今春より4学域13学類へ再編され、文系・理系の区別を強くせず学問的な意味あいで「垣根のない大学」として生まれ変わっています。この点が受験生・高校や予備校の先生方から「大変わかりにくい」という評価だったのですが、実際の入試においてはどのような人気動向になったのでしょうか?後ほど詳しくご紹介します。

なお、入試においては現代システム科学域の後期日程を除いて原則として学類単位の入試を実施されており、入学後に学類で共通する基礎を学んだあとで興味を持ち学びたいと思った分野を自ら選択できる「経過選択型」を導入されています。ただし、専門性が高い獣医学類・看護学類・総合リハビリテーション学類(理学療法学専攻・作業療法学専攻・栄養療法学専攻)はその対象からは外れていますのでご注意を。

学域・学類の名前を見ている限りでは「理系のみの大学」と思われがちな大阪府立大ですが、現代システム科学域内のマネジメント学類に関しては「文系・理系共に受験できる入試科目を設定」「学びの内容も経済・経営と似ている」など、文系受験生にもおすすめできるジャンルがあります。

地域保健学域は看護学類・総合リハビリテーション学類(理学療法学専攻・作業療法学専攻・栄養療法学専攻)・教育福祉学類から構成されていますが、学びの中身もあって資格志向が強い学生が集まる傾向にあります。そんな中、教育福祉学類は中百舌鳥Cでの学びであるにも拘らず他2つの学類が羽曳野Cであることから「教育も羽曳野」と思われがちなようで、結果として合格ボーダーも低めになっている様子で、実は狙い目となっています。

大阪府立大②

さて、気になる今春2012年度入試の結果をご紹介してまいります。

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