2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率④

2012年9月10日 月曜日

2012年度滋賀県公立高入試問題各教科の小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していますこのシリーズ、今回で4回目となります。

これまでは、国語・数学・社会についてご紹介をしています。以下のエントリーをまだお読みでない方はこちらも合わせてお読みください。

2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②
2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③

4回目となる今回ですが、理科についてのご紹介となります。小問別正答率は以下の表の通りになっています。

滋賀県公立高入試 正答率 理科

2012年度 理科の平均点は100点満点で41.4点(昨年46.0点)でした。

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析の一部を以下にご紹介します。

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大問1では、光合成が葉緑体で行われていることや、光合成に光が必要であることを実験結果を比較して見いだすことなど、光合成に関する基本的な事項を問う問題については比較的正答率が高い。一方、光合成と呼吸における気体の出入りを実験の結果と関連付けて考察する問題では正答率が低く、今後さらに基礎的・基本的な知識を活用して考察する力の育成が望まれる。

大問2では、化学電池におけるエネルギーの変換や原子がイオンになるしくみについて問う問題では正答率が高く、化学電池の電極で起こる化学変化についての基礎的な事項はおおむね理解できているといえる。一方、中和反応における酸やアルカリの性質とイオンとの関係を実験の結果と関連付けて考察する問題では比較的正答率が低く、今後は複数の実験結果を関連付けて科学的に考察する力の育成が求められる。

大問3では、実験操作の意味や温度上昇から熱量を求める問題、太陽エネルギーの量と南中高度の関係について考察する問題において正答率が低い。今後は、実験操作の意味をしっかりと捉えさせたうえで実験を行うことや、観測結果から得られたグラフや調べたデータを活用して考察する力の育成が求められる。

大問4では、電流が磁界の変化によって生じることや、電流と電圧、抵抗の関係を問う問題については比較的正答率が高い。このことから、電流と電圧についての基礎的な事項を理解することは、おおむね達成できていると考えられる。一方、実験結果から豆電球の明るさと電力の関係を考察することや、電力と運動エネルギーの関係を実験結果と関連付けて考察し説明することなどの問題については正答率が低く、今後は実験結果を分析し、的確に表現する力の育成が求められる。

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毎年の傾向ではありますが、他教科同様、基礎的・基本的な事を出題する問題がある一方で、自然現象などについて科学的な見方や考え方が出来るかどうかや、身のまわりの物や現象を調べたり実験を通して理解したり、といったことが出来ているかどうかについてもしっかりと見られています。

「全体として、個々の基礎的・基本的な事柄や概念についてはおおむね理解できているといえる。しかし、事物・現象を科学的に考察し認識する力、および考察や認識を的確に表現する力はやや弱いと考えられる。今後も自然や日常生活に見られる事物・現象に進んで関わり、基礎的・基本的な知識をもとに目的意識をもって科学的に探究し、考察したことを的確に表現する活動を通して、科学的な思考力や判断力、表現力を育成することが求められる。」という滋賀県教育委員会の指摘の通り、基礎・基本的な事を問われるような、いわゆる「知識問題」の正答率が高い一方で、そういった知識を使いながら科学的な考えや判断をすることが問われている問題の正答率が低い、という傾向です。

普段の生活で見られる物や現象を意識して観察したり知識を得たりする、という学習が今後の対策においてポイントとなるのではないでしょうか。また、こういった身近な物や現象を題材として扱った練習問題を数多くこなすことも良い対策となるでしょう。

次回はこのシリーズの最後となる英語についてです。