2013年3月卒就職率 分析① ~文系<理系 男子<女子~

2013年9月17日 火曜日

当ブログでは、過去に「大卒生の就職率」について何度か記事を書いてきています。

特に、直近の動きとなる今年4月卒業生の途中経過についてはこちらのエントリー「2月時点就職内定率 文系<理系 男子<女子」で、昨年春に卒業された方々の就職率についてはこちら2つのエントリー「大卒生就職内定率 昨年より上昇も・・・①」「大卒生就職内定率 昨年より上昇も・・・②」でご紹介をしています。

この度、2013年4月卒業生の最終就職率が明らかになりましたので、ご紹介を致します。以下、文部科学省および厚生労働省発表の資料を基に作成・分析を進めます。早速下のグラフをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

折れ線グラフが示しているのが、毎年4月時点の就職率となります。今年度は93.9%ということで、昨年度の93.6%から0.3%という微々たるものではありますが、2年連続で就職率が上昇しています。しかしながら、過去からの就職率の推移をご覧いただければお分かりの通り、「厳しい就職状況」と言わざるを得ない状況が続いています。

また、棒グラフが示しておりますが、国公立大の就職率95.3%(昨年度より―0.1 ポイント)、私立大就職率93.4%(同+0.5 ポイント)となっており、国公立大と私立大の就職率の差が2012年度の2.5 ポイントから1.9 ポイントに縮まっています。「リーマンショック」による景気の悪化で就職率が大きく落ち込んだ2010年度や2011年度は国公立大の就職率が私立大のそれを大きく上回り、「不況でも国公立大卒は強い」ことを見せつけましたが、景気が徐々に回復していくにつれて私立大の就職率も持ち直してきている、という状況です。

就職率自体は改善の傾向にありますが、企業の採用方針に関しては必ずしも「人数を多く採る」というわけでもなさそうです。

近年ちょくちょく聞く話の1つに、大手企業の中には「要求する水準を満たす人材が募集人数より少ない場合、人数を確保することに執着しない」という、言わば「質を保つ」方針の所が多くある、という話があります。ですから、学生の質次第では、特に大手企業での採用者数がもう少し増えるでしょう。

続いて、文系・理系に分けて就職率をご紹介します(こちらも画像をクリックすると拡大します)。

左側に文系、右側に理系、それぞれ国公立大・私立大別に過去4年分の就職率をご紹介しています。

一目でお分かりいただけるのが、理系の就職率の高さです。国公立大・私立大とも、理系の就職率が文系を凌駕しています。

また、2012年度⇒2013年度の動きを見てみますと、文系は国公立大で前年比+0.4ポイント、私立大は横ばいとなっている一方で、理系では(国公立大ではなぜかダウンしていますが)私立大で+4.1ポイント、理系トータルで+1.6ポイントと、大きく数値が上がっている点も目を引きます。

文系と理系で比べると、やはり理系に分があるようです。

続いては、男女別の就職状況です(画像をクリックすると拡大します)。

冒頭にお知らせしました通り、若干ではあるものの就職率が好転しているにもかかわらず、男子は全体・国公立大・私立大の3つすべてで値を下げています。その反面、女子は全体・国公立大・私立大すべてで値を伸ばし、全体で94.7%となりとうとう男子の94.5%を超えました。日本経済新聞が過日に報じていたところによりますと、女子の就職率が男子を「5年ぶりに上回った」とのことです。

男女で就職率が逆転した理由として、同紙では「女子の採用が多い医療や介護分野の求人が伸び、男子の就職が多い製造業の求人減が影響した」と文部科学省及び厚生労働省はみている、と報じています。

また、あちこちの中高あるいは大学で「男子よりも女子の方が元気」というお話をお聞きします。「元気」にはいろいろな意味が含まれていると思いますが、就職率を見ている限りでは「女子の元気さ」が浮き彫りとなっています。

男子諸君、頑張れ!

次回のエントリーでは、学部・系統別の就職率をご紹介し、近年ではどういった学部・系統の就職率が高いのか?低いのか?について検証してみます。