どうなる? 2014年度近畿地区中学入試⑤

2013年11月1日 金曜日

開成教育グループにお通いの皆さんには去る2013年9月16日(月祝)に開催を致しました「中高進学フェア」内、「中学入試分析会」にて詳しくご説明申し上げた2014年度近畿地区中学入試の最新情報を当ブログにおいてもご紹介するシリーズです。全5回のシリーズであれこれと情報をお届けしています。

どうなる? 2014年度近畿地区中学入試①」⇒大阪府内各校の入試日程
どうなる? 2014年度近畿地区中学入試②」⇒大阪府以外の近畿地区各校の入試日程
どうなる? 2014年度近畿地区中学入試③」⇒入試日程前倒し状況
どうなる? 2014年度近畿地区中学入試④」⇒午後入試の更なる増加

について、それぞれご説明をしております。まだお読みでない方は、上記のリンクから当該記事へお飛び頂き、お読み頂ければ幸いです。

最終回の今回は、特に難関校や上位校で起こっている「あるもの」の激しい獲得合戦についてご紹介をします。

難関・上位校で次年度入試に向けて激しい争奪戦が繰り広げられている「あるもの」とは、「女子の上位生」です。

上の図は、女子最上位性を奪い合う各校の状況を表したものです。

現在、近畿地区において女子が受験出来る学校群のうち、最も難易度が高いのが洛南高等学校附属中となっています。狭い定員枠に対し非常に優秀な女子生徒が多数受験しており、女子の受験状況として今春は・・・

受験者数235名 合格者数65名 倍率3.6倍

という結果となりました。

一方、大阪を代表する女子校である四天王寺中は、洛南高等学校附属中を受験する女子生徒の「押さえ」といった位置づけとされており、せっかく上位生として入学を期待した生徒たちであっても、洛南に合格した際はそっくりそのまま「取られてしまう」ということがずっと起こっていました。この度の「医志コース」の新設によって「国公立大医学部医学科の合格者数では大阪府トップの四天王寺が満を持して作ったコース」というのをアピールすることで、従来であれば洛南に流れてしまうであろう優秀な層に留まってもらおう、と試みられていると思われます。

その図の中にも示しておりますとおり、国公立大医学部医学科の合格者数において大阪府2位、こと現役合格者数に絞りますと四天王寺中と同数で大阪府トップとなっているのが、清風南海中です。清風南海中は共学校ですので、大阪星光学院中を受験するような男子優秀層の獲得も視野に入れられていると思いますが、女子に関してはやはり四天王寺中受験層がターゲットでしょう。清風南海中の午後入試化によって、大阪星光学院中や四天王寺中からの受験生流入が期待でき、その受験生を上手く獲得し、まずは四天王寺中と拮抗している「国公立大医学部医学科現役合格者数」において大阪トップの座につこう、ということではないでしょうか。

「女子の獲得」という点では、西大和学園中の共学化が一番分かり易い事例となっています。西大和学園中のレベルの高さは説明不要ですが、女子についてもそれと同等か、女子の募集定員の少なさもありますので、場合によってはそれ以上のラインとなる可能性があります。それだけ優秀な層がどこからやってくるのか、といいますと、やはり例年であれば洛南を受験している層、になるでしょう。

近年では、女性のお医者さんも増えているようですし、欧米に比べてまだまだではありますものの、女性パイロットも少しずつですが増えているようです。女性が仕事を持つことが当たり前となっただけでなく、これからは男性ばかりで占められていたこういった職業に女性が進出することになるでしょう。

今回ご紹介した各校はそういった社会情勢を敏感に察知し、女子の優秀層を獲得に動いたのではないでしょうか。

全5回に渡って2014年度中学入試に向けた展望をご紹介致しました。