国公立大 2次出願に向けて ~2014年度 系統別人気動向~

2014年1月27日 月曜日

いよいよ本日1月27日(月)から国公立大の出願が始まっています。自己採点結果も返却され、受験生の皆さんは国公立大2次の出願についていろいろと考えを巡らせていることと思います。自分が志望している系統、大学・学部の人気傾向については非常に気になることと思います。

こちらのエントリー「2014年度センター試験 予想平均点と難易度変化」では、去る1月18日(土)・19日(日)に実施された大学入試センター試験の科目別予想平均点についてご紹介しました。

今回のエントリーでは、今回のセンター試験結果を受けての国公立大の各系統別人気動向をご紹介します。なお、今回ご紹介するのは河合塾及び駿台の集計結果に基づく資料となります。

まずは、大きなくくりでの人気傾向をご紹介します(クリックすると拡大します)。

前年の人気動向はグリーン、今年の人気動向は赤、それぞれの色で示しています。2年分並べておくと、人気のある・ないの流れがよくわかると思います。

今回のこの数値は、前期日程のみを集計の対象としています。前期日程全体では「97」という指数になっています。よって、人気指数が97より上の系統が「高人気」で、指数が97以下だと「人気薄」の系統であることになります。それが一目でわかるよう、上の図内には97のところに赤線を引いています。これよりも下に棒グラフが出ている系統が「狙い目」と考えていいと思います。

河合塾の調査によりますと、文系では「社会・国際」学系を除き出願予定者は5~6%減少しています。「社会・国際」学系が前年並みとなっているのは、公立大の福祉系が堅調な人気を示しているからのようです。

近年志願者の減少が続き人気が低下している「法・政治」「経済・経営・商」は、人気回復には至っていません。

昨春で志願者が少し減少した教員養成系も、出願予定者の減少率が高くなっています。近年私立大で教育系学部の新設が相次いでいることが競争緩和の一因となっているようですが、それよりも「先生はしんどい仕事」という社会的イメージが学生の間にも定着しつつある、ということが大きな要因と思われます。

理系では、「工」「農」学系が昨年と変わらない人気傾向です。特に「工」学系は、一年を通して各社の模試でも手堅い人気がありました。河合塾の調査によると、工学系の中でも特に「機械・航空」「建築」といった分野を中心に女子志望者が増加している、ということです。

医療系では「医」学系の出願予定者が前年比102%と増加していますが、「入学定員増」「資格・理系志向」を背景に人気となっているようですが、同じ医療の系統で昨年人気を集めた「歯」「薬」は人気を下げています。

人気を保持している系統としては「看護」があり、前年比98%と踏ん張っています。

2年続けて志願者増となりそうなのが「生活科学」系で、その中でも「住居・生活環境」分野で増加が見られているようです。

では、もう少しくくりを細かくして検証してまいりましょう。次の表は駿台が発表された、学部・学科・系統別の人気動向に関する詳細なデータです(それぞれの画像をクリックすると拡大します)。



※前期・中期・後期・独自各日程の第一志望を集計

赤く塗っている所は「昨年よりも人気が上がっている」所、青く塗っている所は「昨年よりも人気が下がっている」所であることを示しています。

先にご紹介した河合塾のデータは「前期日程のみの集計」である一方、この駿台のデータは「前期・中期・後期・独自各日程の第一志望を集計」とありますので、指数に若干の差が生じています。

人気が上がっている所を示す赤色の部分に注目して見てみますと、表②にある理系の系統に集中していることがわかります。やはり理系の人気が高いことが、ここでも証明された形です。

理系では、大きく人気を上げている所が目立ち、いわゆる「狙い目」と出来そうな系統は中々見つけにくい所です。そんな中、大きく人気を下げているのが「原子力・エネルギー」の系統です。やはり、原発事故が引き起こした「脱原発」の声を聞くと、原子力関連の仕事の将来に明るい希望を持てなくなるのは致し方ないことなのかもしれません。それが志望動向に表れている、そんな気がします。

人気が下がっていることを示す青色部分ですが、文系の系統で多く見られます。特に人文科学・語学は人気薄が顕著です。

また、上でも触れましたが、教員養成系の一般的な中高の課程・教科で不人気が目立ちます。ただし、教員養成系のその他の系統では人気が高まっている所が結構あります。注意が必要です。

ここから先の注意事項です。センターリサーチ結果をしっかりと分析して出願先の大学・学部を決める必要性が非常に高いです。各予備校がリサーチ結果の「度数分布」を公表していますから、そちらをじっくりと見て「2次で合格できる範囲」なのかどうかを見極めて欲しいと思います。

今回ご紹介したデータを出願の際の参考にしてもらえたら、と思います。

今後のエントリーで、同じセンターリサーチの結果を基にして関関同立の学部別人気動向(センター利用型)をご紹介する予定です。