確定! 2014年度大阪府公立高 前期 最終出願状況

2014年2月19日 水曜日

2月14~17日(15と16日は除く)の出願期間が終わり、先日18日に新聞各紙で大阪府公立高前期選抜の最終出願状況が報じられました。前期選抜を控え、改めて主要な高校の最終倍率を、昨年以前の過去5年間倍率と、毎年出願前に実施・発表されている「第2回 進路希望調査結果」と合わせてご紹介します。

まずは、主な学科について、学科全体の倍率をご紹介します。

普通科は3.44倍となり、昨年最終倍率3.69倍及び今年の第2回進路希望調査時点のいずれからも倍率を下げています。昨年の最終倍率や今年の第2回進路希望調査時点での倍率の高さにびっくりし、後述する専門学科へ受験先を変更した例が多いのではないかと思います。

入試開始から4年目を迎える文理学科は2.98倍で、昨年の2.89倍から若干のアップではありますが昨年の最終倍率とはほとんど変わっておらず、高い人気は引き続き継続しています。

その他の学科での特筆点としては、国際文化と国際教養という「国際系」で大きな倍率アップとなっている点が挙げられます。当ブログでは過去にこちらのエントリー「大阪府公立高 2017年度からの英語資格の入試活用」でご紹介をした、大阪府における「公立高校のグローバル化」であったり、大学入試の世界では近年「国際系」の学部新設が相次いでいることなどもあり、世間一般ではなんとなく「グローバル」「国際」というキーワードが広まっている感があります。それが、中3生の皆さんにも伝播し、このような志望動向になっているのではないか、と考えます。

また、総合学科も大きく倍率を上げています。これは、昨年の前期では普通科に受験生が集中してしまい、一部の総合学科で「手ごろ」「穴場」の倍率になった所があり、その傾向を見て今年の受験生たちが総合学科へ帰ってきた、という構図であると思われます。

続いては文理学科各校の倍率状況です。

昨年最終倍率から大きく上げた所として、豊中高(3.48倍、0.4ポイント増)と四條畷高(3.34倍、0.51ポイント増)の2校があります。過去3年間の最終倍率をご覧頂ければお分かりの通り、両校とも昨年最終倍率は過去3年間で最も、しかもダントツで低いものでした。そこに狙いをつけた受験生たちが集まってきた結果が、この倍率の高騰です。反対に、例年は高倍率だった高津高が昨年最終倍率から0.75ポイントも下げた2.58倍となり、なんと文理学科10校で最も低い倍率となる「大番狂わせ」が起きています。昨年の3.33倍という倍率は10校中最も、そしてダントツで高いものであり、それを見て嫌気がさした受験生が他校へ流れた結果、となっています。受験生が流れた先、と思われるのが、天王寺高(3.27倍、0.23ポイント増)と生野高(3.02倍、0.09ポイント増)の2校でしょう。

次は、倍率が急上昇した国際文化と国際教養の2学科を含んだ、2枚の画像を一度にご紹介します。

国際系学科の各校では、大変な倍率上昇が見られます。国際文化では千里高(2.21倍、0.3ポイント増)、国際教養では枚方高を除く全校で、0.3ポイント以上の倍率上昇となっています。

専門学科の最後に、総合学科各校の倍率をご紹介します。

一部で倍率の低下が見られる学校もあるものの、ご紹介している13校中9校で昨年最終倍率から上昇しています。しかも、0.3~0.5ポイント増となっている学校がそのうち5校にも上ります。昨年は手ごろな倍率で収まっていたのが、今年は一転して「狙われている」ということになっています。

ここから先は、普通科の状況となります。旧第1~第4の4つに分けて、順番にご紹介致します。なお、表の見方は以下の通りです。

左側の赤い棒グラフ:今年の最終倍率
真ん中の棒グラフ:今年の第2回進路希望調査時点の倍率
右端の茶色いグラフ:昨年の最終倍率
赤字の学校名:今年の最終倍率における大阪府前期普通科全体倍率「3.44倍」を上回っている学校

まずは、旧第1学区です(画像をクリックすると拡大します)。

学区トータルの倍率は3.51倍(昨年3.81倍)、大阪府普通科全体の3.44倍(昨年3.69倍)よりも高くなっており、この傾向は2年連続となっています。

昨年は春日丘高の6.34倍がトップの倍率でしたが、今年はトップの座を山田高(5.64倍)に譲りました。この山田高も含め、特に中~上位校で軒並み進路希望調査段階から倍率を下げています。同レベルの専門学科に受験先を変えた受験生が多く出た、と思われます。春日丘高は4.44倍と、昨年の高倍率から考えますと「入り易そう」な数字にまで下がっていますが、それでも依然として高人気であることには変わりありません。

続いて旧第2学区です(同じく画像をクリックすると拡大します)。

旧第2学区トータルは3.18倍(昨年3.49倍)で、大阪府下全普通科の平均倍率よりも下回っています。その一因として、赤字で示した学校の数が他の学区よりも少ないことが関係あると思います。

学区トップですが、昨年は寝屋川高の6.31倍でしたが、今年はその寝屋川高は4.58倍と大きく倍率を下げました。昨年の高倍率があからさまに嫌われた形ですが、それでもなお高い倍率となっています。

上位から中位の学校へ行くにしたがって倍率が低くなる傾向にありますが、昨年は中堅どころの学校のいくつかで4倍やそれに近い倍率になっている学校があった一方で、今年は2倍台の学校が目立つようになっています。全体的に昨年よりも楽な戦いになることでしょう。

旧第3学区はいかがでしょうか(同じく画像をクリックすると拡大します)。

学区全体では3.53倍(昨年3.78倍)となり、大阪府全体の倍率を少し上回っています。

ここでは、今年から夕陽丘高と東住吉高でそれぞれ40名ずつ募集が開始となっていることがトピックスとして挙げられます。その募集定員の少なさに対し、両校とも交通アクセスが良い所にあるという好立地条件であること、「八尾高や清水谷高はレベル的にちょっとしんどい」という受験生が鞍替えしやすい入試難易度であること、といった複数の要因が重なり、爆発的な人気となっています。この2校の受験生は当日はケアレスミスは許されません。心して受験に臨みましょう。

その他の個々の学校を見てみますと、調査段階から大きく倍率を上げたのが清水谷高(5.04倍)で、その他は大体調査段階から倍率を下げた、あるいはほぼ同じ倍率となっています。

河南高(5.13倍)や阿倍野高(5.54倍)という、いわゆる中堅レベルの2校で5倍を超えています。他の3つの学区を見てみましても、同等のレベルと思われる学校で5倍を超えている学校はありませんので、この学区だけ他の学区と違う動きになっていることがわかります。

最後に旧第4学区の様子です(同じく画像をクリックすると拡大します)。

学区全体の倍率は3.50倍(昨年3.65倍)で、昨年は大阪府全体の平均3.69倍を下回っていましたが、今年は若干上回っています。

最も高い倍率なのが泉陽高の5.15倍で、昨年の5.54倍から若干下げたものの、昨年に引き続きこの旧第4学区ではトップの倍率となっています。

続く久米田高が4.59倍、高石高と堺西高が共に4.46倍となり、その他は全て3倍以下となっています。

昨年は4.08倍だった登美丘高の動向ですが、第2回進路希望調査段階で4.51倍と昨年の最終倍率から大きく上げたのが災いしたのか、最終倍率は3.15倍と、大きく下落をしました。南海高野線沿線の公立高が少ないことから昨年並みの倍率をキープすると予想していましたが、肩透かしとなった形です。

大阪府公立高前期入試は2月20日(木)に実施、合格発表は27日(木)に行われます。

受験生の皆さんのご健闘をお祈りします。