過去最高が続出! 2014年度大阪府公立高後期 最終倍率①

2014年3月8日 土曜日

去る3月7日(金)の新聞各紙に、大阪府公立高後期選抜の最終倍率が掲載されました。今回と次回のエントリーでは、大阪府公立高後期の最終倍率について考察して参ります。今回のエントリーでは、取り急ぎ主要各校の最終倍率を、進路希望調査結果のデータとも合わせて6年分ご紹介します。

まずは旧第1学区です。

北野高・・・募集定員が40名増やされていることもあり、希望調査時点の1.45倍が昨年最終倍率(1.68倍)と比べて手ごろ感が出た。その結果、希望調査時点から0.11ポイント上げて1.56倍に。
茨木高・・・希望調査時点では大阪府下全校で最も高い倍率であった2.17倍という超高倍率を見て避けた受験生が続出し、希望調査時点から0.43ポイントのダウンとなったものの、表に示している過去6年分の最終倍率の中で最も高いものとなる1.74倍。
豊中高・・・こちらも表に示した過去6年分の最終倍率の中で最も高い1.80倍。例年以上のハイレベルな争いになるだろう。
春日丘高・・・昨年最終倍率(1.93倍)から大きく下げた1.45倍と、ここ数年の中では低い水準となった。
池田高・箕面高・・・共に昨年最終倍率から若干下げており、2012年度の最終倍率が例年になく高いところから2年かけて徐々に下がってきている。特に池田高は表内6年間で最低の倍率。
三島高・桜塚高・刀根山高・山田高・・・これら4校は表でご紹介している過去6年の中で最も高い倍率。ハイレベルな争いが予想されるので、要注意。

旧第2学区についてです。

大手前高・・・昨年の最終倍率1.66倍は近年で最も、そしてダントツに高い倍率となったが、そこまでの倍率ではないものの1.54倍と高水準。希望調査時点の倍率(1.43倍)から0.11ポイントも上げていることもあって、「自信がある」受験生たちが集まっていることと思われる。
四條畷高・・・さすがに希望調査時点の2.07倍から0.22ポイント下げたものの、1.85倍と昨年最終倍率の1.58倍から大幅上昇は逃れることは出来なかった。しかも、今年の普通科全校で最も高い倍率、かつ、表でご紹介している過去6年の中で最も高い倍率である、というオマケつき。2012年度入試程度のレベルになりそう。
寝屋川高・・・希望調査時点の倍率(1.28倍)とほぼ変わらない1.29倍。昨年最終倍率から大きくさげており、昨年よりは幾分緩いラインになりそうな予感。
牧野高・旭高・港高・・・これら3校は表でご紹介している過去6年の中で最も高い倍率。ハイレベルな争いが予想されるので、要注意。
東高・大阪市立高・・・これら3校は表でご紹介している過去6年の中で最も低い倍率。例年よりも入りやすいことになりますが、油断は禁物!

旧第3学区です。

天王寺高・・・表でご紹介している過去6年間で最も、そしてダントツに高い倍率である1.68倍となった。希望調査時点の倍率(1.69倍)とほとんど変わりがないことから、「腕に覚えがある」受験生たちが集まっていることと思われる。
生野高・・・表でご紹介している過去6年間で最も高い1.69倍で、旧第3学区トップの倍率。希望調査時点(1.86倍)から0.17ポイント下げたのがせめてもの救い。
高津高・・・進学指導特色校の指定を受けて以降の4年間で最も、しかもダントツで低い倍率(1.44倍)。希望調査時点(1.52倍)ですでに例年になく低い倍率であることが分かっていたにもかかわらず、そこから更に0.08ポイント下げている。原因はやはり昨年の最終倍率(1.82倍)の高さ?
八尾高・清水谷高・夕陽丘高・河南高・阪南高・・・これら5校は表でご紹介している過去6年間で最も高い倍率となった。特に清水谷高(1.53倍)と夕陽丘高(1.52倍)は非常にハイレベルな戦いとなるはずなので、要注意。
東住吉高・・・ここ数年で最高の倍率となった昨年最終倍率1.32倍とほぼ同水準の1.31倍。前期での普通科募集開始で集めた注目が引き続き残っているという印象。

最後、旧第4学区です。

三国丘高・・・最終倍率1.23倍は進学指導特色校の指定を受けて以降4年間で最も、そしてダントツで低い。希望調査時点で1.39倍とすでに例年にない「手ごろ感」があったにも関わらず、そこから更に0.16ポイントのダウン。
岸和田高・・・希望調査時点の1.51倍から0.1ポイントダウンの1.41倍で、昨年最終倍率(1.27倍)からかなりのアップ。昨年よりは高いレベルの争いになる。
泉陽高・・・表内6年間で最も、そしてダントツで高い倍率(1.52倍)。かつてない高いレベルの争いになることは確実なので、要注意。
登美丘高・・・希望調査時点(1.53倍)の高倍率に驚き、急いで出願先を変える受験生が多数出たのか、少しはマシな倍率になったものの、それでもこちらも表内6年間で最も高い倍率。
久米田高・・・希望調査時点(1.45倍)の高倍率に驚き、急いで出願先を変える受験生が多数出たようで、昨年最終倍率の1.24倍とほぼ変わらない1.26倍に落ち着いた。
高石高・東百舌鳥高・・・表でご紹介している過去6年間で最も高い倍率。特に高石高(1.32倍)はかつてない高倍率なので、気を引き締めて臨んでほしい。

お気づきになられましたでしょうか?タイトルにもありますが、今年は「過去6年で最も高い倍率」となっている学校が続出しています。今回ご紹介した旧学区それぞれで12校、合計48校のうち「過去6年で最も高い倍率」となった数・割合は以下の通りです。

旧第1学区 12校中6校 50%  旧第2学区 12校中4校 33%
旧第3学区 12校中7校 58%  旧第4学区 12校中4校 33%

合計 48校中21校 44%

その反面で、池田高・東高・大阪市立高のように「過去6年間で最も低い倍率」となっている学校もそこそこの数存在しています。どうやら、受験生が「行きたい」と思う学校と、そう思ってもらえていない学校、というのが分かれつつあるようです。

特に今年度より「学区撤廃」となっている大阪府公立高入試です。初年度の今年はあまり受験生の動きは活発ではない様子ですが、次年度以降学区間の行き来が盛んになってくると、この人気面での「二極化」が更に色濃く出てくるのではないでしょうか。特に地理的に「通いにくい」所に位置する学校は、非常に不利になることでしょう。

ここまでは各学区の主要校の最終倍率を、過去の最終倍率や進路希望調査結果などと絡めて見てきました。次回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項について検証します。こちらもお見逃しなく。