近畿大 日本一の志願者数に加え16年度には新学部誕生予定

2014年7月19日 土曜日

近畿大が高校・予備校対象に開催された説明会に行ってきました。

今回、近鉄富雄駅からバスで10分程度の所にある、農学部のキャンパスを訪れました。同じ近畿大とは言いながらも、東大阪Cとはまた違った雰囲気のキャンパス・学生の様子でした。

説明会ではまず、新学部構想について発表がありました。

2016年4月東大阪Cでの開設を目指し、外国語・国際系の学部新設を進めておられます。定員は500名を想定し、語学学習施設や全学的な留学制度の拡充を検討。英語コミュニケーション学科と文学部外国語文学専攻中国語・韓国語文化コースを新学部へ発展的改組する予定だそうです。ベルリッツと連携協力し、英語でビジネスの世界に飛び込んでいける人材を育成することを目標とされます。

1年次後期から長期留学をするなど1・2年次は主に英語に関する専門科目を、3・4年次には異文化理解を踏まえた教養科目を学ぶ予定にしているそうです。通常であれば「教養科目⇒専門科目(この場合英語?)」となるのですが、あえて反対のアプローチをされている、のが「後発」ならではのアイデアです。

出願の完全ネット化についても触れなければいけません。

2012年10月以降、ネット出願である「エコ出願」広報を開始。2013年度は公募推薦入試において61.3%でスタートしたネット出願率が、一般前期64.9%・一般後期70.0%と宣伝が行き届くにつれて率が上昇し、2014年度入試では「完全ネット化」とし、以下のような状況となりました。

・99.9%がネット出願(コールセンター利用は3名のみ)
・80.4%は受験生本人が入力(保護者8.7%、高校予備校講師3.6%)
・68.9%は自宅PCから、13.0%は高校予備校PCから、9.7%がスマホから出願

「分かり易い出願手続き」となったこともあり、以下のデータの通り、手続不備が激減したそうです。

2012年度5.6%⇒2013年度3.9%⇒2014年度3.3%

一方で「センター試験の成績請求票」「調査書」の郵送忘れが多いなど、ネットだけで全て完結すると勘違いされたことでの郵送忘れが多かった様子で、今後はその辺りの注意喚起が課題である、とおっしゃられていました。

全受験者がネットを通して出願していることを利用し、試験当日の交通機関の乱れに際し当該受験者へ時間繰り下げ等の連絡をメールで実施出来たことも大きな収穫だったようです。ネット出願化を推し進め、その過程でこういった「副産物」をもたらしたのは、今やイケイケの近畿大が「持ってる」証拠なのではないでしょうか。

就職状況ですが、今春就職率は94.0%。2013年度92.0%・2012年度90.2%・2011年度87.9%から見て順調に上昇。

2014年度入試結果です。

2011年度の志願者数は11万名を突破し、それまで5年連続で上昇していましたが、2012年度は久々に志願者減となり11万名を割りました。しかし、2013年度は大きく志願者数が増加。前年の108,719名に対し131,198名を集め、実に前年から31,956名増、前年比120.7%になっています。

その勢いは衰えることなく、2014年度は140,469名・前年比107.1%で、とうとう志願者数日本一となったことは皆さんもご承知のことでしょう。

その裏では、女子の志願者数・率も順調に増えています。今春は女子志願者数は増えたものの、占有率は前年からダウンはしていますが、長期的に見ると女子の数・率は順調に上昇しています。

2014年度 40,887名(29.1%)
2013年度 40,035名(30.5%)
2012年度 31,094名(28.6%)
2011年度 31,045名(27.6%)
2010年度 29,000名(27.1%)

入試方式別に見ると一般後期の倍率が2013年度11.5倍から大きく下がって5.7倍(2012年度は6.6倍)となっていますが、これは推薦入試~一般前期での歩留まり率が前年より低かった影響であるとのことです。恐らく関西大が一般前期で前年比約1割増の合格者数を出したことが手痛い影響を与えたものと思います。

一方で、全入試方式で合格者数が増やされました。一般前期では公募推薦よりも若干絞り気味だった合格者数も、一般後期で大放出されています。やはり、関西大の合格者数増の影響が一般後期で大きく利いている様子です。

学部別に見ると、志願者が減ったのは経済学部で前年比93.5%、総合社会学部で同86.5%の2つのみ。文系学部は前年比100.5%であるのに対し、理系学部は同113.2%と大幅増。理高文低が顕著です。

2015年度入試変更点です。主な変更点は以下の通りとなっています。

①公募推薦において「文系学部学部内併願制度」を新設し、文系学部において同一学部内の他の学科・専攻・コースが併願可能に。また、文系学部学部内併願方式により出願した学科にも高得点科目重視方式を追加可能。
②全日程で、併願先の学部にも高得点科目重視方式、PC方式が利用可能に。
③文芸学部の一部学科・専攻・コースの配点が変更。「高得点科目重視方式」「文系学部他学部併願方式」の対象範囲が拡大。

日本一の志願者数に加え、16年度には新学部誕生予定となっているなど、まだまだ勢いは止まりそうにありません。

四條畷学園中 驚異の高校合格実績!

2014年7月18日 金曜日

四條畷学園中高の塾対象説明会に行って参りました。

中高共にご説明を頂いたのですが、今回は特に中学校の方に焦点を当ててご紹介をします。

教育内容です。

今年で設置5年目を迎えた6年一貫コース(2クラス)、外部高校を受験することが可能な3年コースの位置づけとなる英数発展コース(1クラス)と英数コース(3クラス)の3つのコースで構成されています。

6年一貫では中1・2では週38時間で年間1330時間、中3年は週40時間・年間1400時間もの学習時間を確保。公立中は年間980時間なので、年間にして300~400時間ほどの違いが出てきます。「社会人講座」「勉強合宿(年2~3回実施)」に注力しており、この取り組み分で3年コースとは授業料にして年間6万円の違いが出てくるという点もお忘れなく。

3年コース(英数と英数発展)からの今春を含む過去2年の主な高校合格実績は以下の通りとなっています。

公立高校
北野 14年度2(文理1) 13年度0
大手前 14年度4(文理3) 13年度9(文理7)
四條畷 14年度11(文理4) 13年度12(文理4)
寝屋川 14年度1 13年度3
東 14年度7(理2英1) 13年度6(理1英2)

私立高校
灘 14年度1 13年度1
大阪星光 14年度1 13年度3
東大寺 14年度1 13年度3
洛南 14年度2 13年度3
西大和 14年度4 13年度5

地元のトップ校四條畷高は2年連続で2ケタ、大手前は合格者総計の大半が文理学科であるなど、公立難関校にめっぽう強い実績となっています。

また、英数発展の子ばかりが優秀であるわけではなく、今春は英数から大手前(文理)・四條畷(普通)、西大和・明星・大阪女学院・同志社香里といった所に合格が出ているそうです。

英数発展では、五ツ木模試において6年連続3人に1人が偏差値70超えを実現している、というご報告も頂きました。

2014年度入試結果ですが、今春は入学者数は199名で、昨年の193名から増加しています。

2015年度入試に向けてです。

入試日程は、1次1/17土・2次A 1/19月PM・2次B 1/23金PM、で決定しています。2012年度入試からそれ以前に比べて日程が前倒しとなっており、それが2013~2015と踏襲された形になっています。一点マイナーチェンジとなっているのが、来春より2次Bが午後入試化されている点です。

関西学院大 関学独自方式が特に倍率が低い

2014年7月17日 木曜日

関西学院大の受験生・保護者対象説明会の様子をお伝えします。

来春、理工学部に新学科3つが誕生することになっています。各学科とも80名定員となっています。

先進エネルギーナノ工学科(工学)
環境・応用化学科(工学)
生命医化学科(生命医化学)

さて、今春より開始となった「グローバル入試」についてご紹介します。

今春入試より新導入されたばかりのグローバル入試ですが、早速次年度に向けて変更点が生じている。

①ⅠとⅢ、ⅡとⅢの併願不可。併願はⅣとⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅴのいずれかの2併願が可能。
②「Ⅰ国際貢献型」における、英語資格による出願要件の変更(IELTSと英検は変更なし)。SGHの課題研究に取り組んだものが出願可能となる。
③「Ⅱ英語能力型」において、出願要件のGTECの基準が50点上がった。出願要件が「全日本高校模擬国連大会出場」より「高等学校模擬国連の取り組み」に変更。一定の基準以上の英語資格のスコアがあれば筆記審査の英語論述審査が免除。
④「ⅢIB型」において、一定の基準以上のインターナショナル・バカロレアDPのスコアを有していれば、筆記審査の英語論述審査または日本語小論文が免除に。
⑤「Ⅴサイエンティスト型」において、理工学部に新設される3学科も募集対象とする。出願要件として英語資格を取り入れる(基準は「Ⅱ英語能力型」と同等)。「国際科学技術コンテストの国内予選大会の本選出場」より「国際科学技術コンテストの国内予選大会の出場」に変更。

なお、一定以上の英語資格やスコア、実績がある受験生は、一部試験が免除されることになります。詳細は大学HP等でご確認下さい。

型としてはⅡの英語資格を活かすものが最も対象となる生徒が多いと思われます。

また、「Ⅳキャリア型」は出願数が多いものの、実際に試験を受けたものは志願者の半分程度だったようです。この方式はⅠ・Ⅱ・Ⅲとの併願が可能なため、これら3タイプで合格を取った者が多く抜けた(出願したものの受験は辞退)から、というのが志願者数と受験者数の差異の理由です。倍率が高く見えるが、実際はそうでもない、ということを知っていれば、チャレンジしようと思う受験生も増えるのではないでしょうか。

ということで、グローバル入試での受験を考えている方は、「Ⅳキャリア型」と他3タイプとの併願が可能な点を活かしてほしいと思います。

AO入試でも若干の変更点が出ています。

経済学部で出願資格の変更があるのと、新設の先進エネルギーナノ工学科もAO入試を実施開始となります。また、グローバル入試新設により、AO入試の定員が減らされています。以下、過去3年のAO入試定員の推移です。

2015年度246名
2014年度248名
2013年度377名

今後もグローバル入試の定員を増やし、AO等の年内入試の定員は削減していく方向性の様子です。高2以下の学年の方は、ちょっと気になる所ですね。

入試に向けた情報です。

文系学部において、全学日程と学部個別日程では入試の「時間割」が異なる点に注意が必要です。全学日程では国語と選択1科合計で135分ありますが、学部個別では2科通しで120分しかありません。単純に考えると学部個別で国語の解答時間が15分少なくなることになりますが、出題傾向や問題量は「全学日程と同じ」です。

全学日程 英語90分+国語75分+選択1科目(地歴・数学)60分
学部個別 英語90分+選択2科目(国語・地歴・数学)120分

なお、理系は両日程とも同一の時間割となっています(英語90分+選択1科(理科)75分+数学90分)。

関西学院大には、「全学日程」「学部個別日程」「関学独自方式日程」の3タイプの入試があります。その中でも、関学独自方式が特に倍率が低くなっています。これは「募集定員が少ない」こともある上に、「入試科目・問題等が他と比べて特徴がある」という点で敬遠されているとの予想が出来ます。関学第一志望の受験生の皆さん、関学独自方式が穴場になっていますよ。

甲南大 学生の「質」を追い求める学生募集方針

2014年7月16日 水曜日

甲南大の高校・予備校対象説明会に行ってまいりました。

甲南大の学生募集方針について、始めにご説明がありました。

志願者「数」を追い求めておらず、甲南大の教育や研究をしっかりと発信して志願度や理解度の高い入学生の獲得を目指されて入試の運営をされているそうです。また、「選抜」を大前提とはせず、高大接続と育成を意識した学生募集や入学制度を常に検討されていることもアピールされておられました。

今春の私立大入試では、「ネット出願(割引含む)」や「併願割引」といった「制度の部分」がクローズアップされた入試となりました。今回のこのお話をお聞きする限りでは、それとは反対のアプローチをする、という表明と捉えていいと思います。

さて、2014年度入試結果についてです。

志願者は20,656名で、昨年20,501名から+155名・前年比100.8%となりました。2013年度入試においても前年比100.8%の志願者数となっていたので、2年続けて100.8%となっています。

今春はセンター利用型(中期)を廃止し、その分の志願者数が減ったにもかかわらず昨年並みの志願者数を集めたということで、事実上は「人気増」となったと理解できます。

学部別の志願動向は次の通りです(カッコ内は2012⇒2013年度の比率)。2年続けての増加となったのが理工のみで、反対に2年連続減となったのがフロンティアサイエンス。他は前年の増減とは反対の動きとなる、いわゆる「隔年現象」の典型的なパターンですが、悪い方で揺れがきついのが経済とマネジメント創造の2学部で、前年の増え以上に志願者数を落としています。

文96.3%(105.7%) 経済88.9%(103.1%)
法111.3%(99.6%) 経営111.7%(93.5%)
マネジメント創造68.0%(117.2%) 理工102.5%(107.4%)
知能情報145.6%(74.6%) フロンティアサイエンス94.9%(96.4%)

合格者数についてです。昨年は対前年比で志願者数100.8%に対し合格者数が6%減と横ばいとなった志願者数と反対の動きをしましたが、今年度は志願者数100.8%に対し合格者数は107.1%と前年より多く出されています。

競争倍率は3.6倍で、2013年度3.8倍・2012年度3.6倍・2011年度3.8倍と毎年安定しています。受験生からすると「受験しやすい」倍率推移であると言えます。

2015年度入試に向けてですが、変更点は特にありません。

京都学園中高 中学はコース名を一部変更

2014年7月15日 火曜日

京都学園中高の塾対象説明会に行ってきました。

大学合格実績についてですが、今年はちょっと残念な結果になっています。

大学に合格した総数が520名で、昨年539名・一昨年543名・3年前532名とほとんど変わっていませんが、四年制大学への進学率が、昨年77.4%で過去最高となりましたが、今春は若干下げて2012年度水準に戻ってしまいました。

今春は国公立大27名となり、昨年41名・一昨年35名・3年前26名なので3年前水準にまで後退してしまっています。また、関関同立は70名で、昨年75名・一昨年120名・3年前88名なので3年前水準以下です。

入学時に5科評定でオール3程度であれば産近甲龍に、オール4程度であれば関関同立や国公立大に高確率で通っているようです。

続いて、中高一貫生の大学合格実績にスポットを当ててみます。今春卒業生のうち、中高一貫生のみの大学合格実績は次の通りとなりました。国公立大が大幅減、産近甲龍も減り佛教大で大幅増、となっています。

2014年度 国公立大4名(神戸大1含)・関関同立11名・産近甲龍17名・佛教大11名
2013年度 国公立大12名・関関同立11名・産近甲龍24名・佛教大3名

2014年度入試結果についてです。

中学入試における志願者数及び入学者数は次のように推移しています。

2014年度 志願者数80名(前年比76.2%) 入学者数59名(前年比80.8%)
2013年度 志願者数105名(前年比132.9%) 入学者数73名(前年比146%)
2012年度 志願者数79名 入学者数50名
2011年度 志願者数99名 入学者数69名

過去約10年で最も志願者数が多かったのが08年度の162名なので、厳しい状況が続いているのは否めない所です。

ただし、合格者の入学率は73.8%(昨年69.5%)となっており、高い入学率となっています。第一志望が多いことの表れではないでしょうか。

3学年の全在籍者における男女比は大体65:35だそうです。

高校入試はどうだったでしょうか?志願者数及び入学者数の推移は以下の通りとなりました。志願者数及び入学者数とも前年並みとなっています。

2014年度 志願者数1,575名(前年比102.7%) 入学者数463名(前年比98.5%)
2013年度 志願者数1,534名 入学者数470名
2012年度 志願者数1,548名 入学者数437名
2011年度 志願者数1,754名 入学者数375名

入学率は2010年19.1%だったところから2013年度に30.6%にまで上昇、今春も29.4%と維持されています。特に国際の入学率は54.2%とダントツで高い入学率となりました。

全校規模の男女比率は55.5:44.5で、女子生徒数は過去最高数を更新(1,338名中596名が女子)し、女子の在籍数は2005年から約1.9倍になっているようです。

コース別の入学状況を見ると、特進A・Bが減り、国際と進学で増加しています。その入学率の高さから国際は特色ある中身が支持されていることははっきりしているようですが、特進A・Bに関しては制度変更で追い風が吹いた公立高へ流れてしまったように見受けられます。他校同様、成績的に手ごろなレベルで入学できるコース(この学校では進学)については入学者数が昨年よりも増えている、というのも特徴です。

2015年度入試に向けてです。

中学入試ではいろいろと変更点が出ています。

まず、コース名を変更されます。高校のコース設定と整合性をとった形ですが、カリキュラムは現行の特進に準ずるとのことです。

国際 ⇒ そのまま
特進 ⇒ 特進ADVANCED
進学 ⇒ 特進BASIC

プレテストは従来通りの位置取りとなる11/22土の実施の他に、10/19日に「学園チャレンジ模試S2」と題した、公立中高一貫校の入試問題に似せた2科型のものを新設されます。「S2」の受験者は京都学園中を滑り止めとして西京・洛北にチャレンジする、そんな受験生の囲い込みを想定して作られる新しいプレテストのようです。

高校入試については特段の変更点はお聞きしていません。

摂南大 志願者増加率日本一!!

2014年7月14日 月曜日

摂南大の高校・予備校対象説明会に行ってまいりました。

教学面での変更点です。

2014年より、経済学部がこれまでの「地域経済領域」「観光経済領域」の2領域制からコース制へ移行。先述の2つが「~コース」となるのに加えて「国際経済コース」が新設されています。

同じく2014年度より、大日駅から寝屋川Cへの通学専用直通バスがスタートしており、アクセス面での改善が図られました。

2015年度からは、法学部でコース改編が予定されています。2年進級次に選択するコースが3つから4つになります。新旧のコース設定は以下の通り。スポーツ法政策はスポーツ推薦入試などで入学し、大学で体育系クラブに所属する、アスリート学生を中心としたコースとなるそうです。


司法・行政コース、ビジネス法務コース、地域政策コース


法律学特修コース、企業法務コース、地域政策コース、スポーツ法政策コース

また、2015年度より外国語学部でもコース制を改編する予定で、1年次に選択するコースが以下となります。


英語コース、中国語コース、スペイン語コース、インドネシア・マレー語コース、国際文化コース


英語プロフェッショナルコース、国際キャリアコース(英語専攻・中国語専攻・スペイン語専攻・インドネシア・マレー語専攻)

2014年度入試結果についてです。

総志願者数は30,498名・前年比161.1%で一般入試において志願者数増加率全国第1位となりました。過去17年間で最高の志願者数となった昨年をあっさりと更新し、7年連続の志願者数増となっています。

志願者数等の推移は以下の通りです。

2014年度 総志願者数30,498名 実志願者数7,500名 入学定員1,690名
2013年度 総志願者数18,933名 実志願者数6,611名 入学定員1,690名
2012年度 総志願者数18,450名 実志願者数6,651名 入学定員1,650名
2011年度 総志願者数18,024名 実志願者数6,463名 入学定員1,550名
2010年度 総志願者数15,377名 実志願者数5,988名 入学定員1,550名
2009年度 総志願者数13,083名 実志願者数5,293名 入学定員1,270名
2008年度 総志願者数12,691名 実志願者数5,554名 入学定員1,270名
2007年度 総志願者数8,881名 実志願者数5,106名 入学定員1,270名

上記をご覧の通り、実志願者数も少し減少した昨年から大幅に(前年比113.4%)増やしているのが特筆点となっています。

志願者増の理由は以下の通りと分析されます。

①7年ぶりの入試制度改革(詳細は昨年度の説明会報告書を参照)
②インターネット出願割引制度(スマート出願・スマートパック)が経済不況感の中で支持を得た
③近畿大の人気過熱によって「滑り止め」需要があった
④前年度入試結果の反動(特に一般入試A日程では昨年は前年比88.4%の志願者数だった)

入試制度別では、以下のような志願動向となりました。

公募推薦A 前年比164%
公募推薦B 前年比212%
一般 前年比161%
セ利用 前年比154%

指定校推薦・内部推薦・協定校推薦では定員の17.9%が入学したとのことです。

学部別の志願動向ですが、全学部で志願者数を増やしているものの、特に理工・薬が大きく増やしているのが特徴です。理系が人気傾向です。

志願者数における女子比率は31.0%(昨年31.6%・一昨年28.7%)と順調に推移しているように見えるのですが、大学としてはもう少し女子志願者を増やしたいご意向がある様子でした。

2015年度入試で多数ある変更点のうち、重要なものは以下の通りとなっています。

①公募推薦Bにおいて、薬学部・看護学部では「面接」を導入
②一般Aでは、薬学部の入試科目で理科から「生物Ⅰ・Ⅱ」を削除
③一般後期で、重視科目の配点を150点⇒200点に引き上げ
④インターネット出願に完全移行

早稲田大・慶應義塾大 合同説明会 2014年も開催!

2014年7月11日 金曜日

早稲田大と慶應義塾大の合同説明会が、今年も近畿地区で開催されます。詳細をご紹介します(画像をクリックするとPDF文書が開きます)。


早稲田大・慶應義塾大 合同説明会

日時・場所:
2014年7月20日(日) メルパルク京都
2014年7月21日(月祝) 三宮研修センター
時間:13~18時(両会場とも)
内容:
大学概要説明、両大学の学生によるプレゼンテーション、個別相談コーナー、受験アドバイスコーナー、資料配布コーナー、資料閲覧コーナー

※作成には万全を期していますが、詳細は学校HP等で必ずご確認下さい


早稲田大vs慶應義塾大。永遠のライバルがタイアップしてお届けするイベント。このイベント限定の特別企画も開催予定ですので、奮ってご参加ください(HPより)。

関西大 2015年度入試は変更点が多数あり

2014年7月10日 木曜日

関西大の高校・予備校対象説明会にお邪魔させて頂きました。

就職状況・サポート体制についてです。

就職「決定」率の推移は以下の通りに推移しています。ここ数年95%程度で推移していたのが、96%に乗ってきています。

14年96.3% 13年95.8% 12年95.3% 11年94.3%

全就職者のうち、巨大・大企業への就職割合は次の通りとなっており、例年60%前後を記録しています。

14年59.7% 13年60.5% 12年59.8% 11年60.4%

総合大学としては恐らく全国でも最も早いH9年より開始しているインターンシップですが、2013年は301企業にのべ535名を送り込まれています。インターンシップは関大キャリア関連の取り組みでは「最重要事項」とのことで、気合の入り方も違います。そんな中、国内に留まらず、国際インターンシップにも着手しており、2013年は28名を派遣されています。また、グローバル企業体感プログラムとして上海に学生を11名派遣し、今後は同プログラムをホーチミン市でも実施予定とされています。

2014年度入試結果について詳しくご紹介します。

志願者数は約2,500名減少し84,248名となりましたが、合格者数は1,413名増やされ、倍率が緩和されています。以下ここ数年の推移です。

2014年度 志願者数84,248名 合格者数19,006名 倍率4.3倍
2013年度 志願者数86,753名 合格者数17,593名 倍率4.8倍
2012年度 志願者数79,980名 合格者数18,053名 倍率4.3倍
2011年度 志願者数86,463名 合格者数17,003名 倍率5.0倍
2010年度 志願者数88,399名 合格者数17,127名 倍率5.1倍
2009年度 志願者数90,066名 合格者数15,822名 倍率5.6倍

今春入試の動向としては、翌年(2015年度入試)からの新課程入試を敬遠し、確実に合格を取りに行く「安全志向」が全体的に強かった学年であり、関大は「(国公立大併願組を中心に)だいぶレベルを下げて受けてきている生徒が多いだろう」と判断、多めに合格を出す作戦に出た、という風に動かれたものと分析できます。

入試種別ではセンター前期で前年比89%と志願者を大きく減らしています。同方式はセンター試験実施前の出願締切とされており、前年度の「難化」を受けて受験生が出願に慎重になったため、と分析しています。

学部別に志願状況を見た際、特に大きく人気を下げたのが政策創造学部で、2012年度水準にまで志願者数が減っています。

反対に、理工系3学部は昨年並み~昨年以上の志願者数を集めています。2/2に新設された「理科設問選択方式(2科目型)」は、同日実施の「理科1科目選択方式」とは併願が出来ない形として実施されましたが、倍率は1科目型よりも2科目型の方が低く出ています。なお、合格者数については1科目型よりも2科目型に比重を置いた、とのことでした。

2012~2014年度の3教科型における合格ライン平均得点率(得点調整前)と全受験生の平均得点率は次のようになっています。

合格ライン平均得点率(得点調整前) 文系 約71%・理系 約59%
全受験生の平均得点率 文系 約64%・理系 約53%

センター利用型の大体の目安ラインですが、理系の平均点上昇に伴って理系のボーダーが上昇しています。

センター前期
文系型 約77%(昨 約77%) 理系型 約79%(昨 約76%)

センター中期
文系型 約73%(昨 約75%) 理系型 約71%(昨 約71%)

センター後期
文系型 約81%(昨 約81%) 理系型 約82%(昨 約82%)

最後に、2015年度入試の主な変更点やトピックスです。

①文学部の全学部日程(2/7・8)で新方式「同一配点方式(3教科が均等の各150点)」を導入
②社会安全学部の全学部日程で「英国方式」「英数方式(数学は文系学部と同一問題)」を新導入
③理工系3学部の「2学部併願方式」が拡大し、従来の2/5に加えて新たに2/2の「理科設問選択方式(2科目型)」においても1回の受験で2つの学部の合否判定が受けられる
④AO入試において法学部の選考型が変わり、これまでの「英語資格重視」の姿勢が緩和されている

大谷中 新コース「凛花」で凛と咲く一輪の花を

2014年7月9日 水曜日

大谷中が保護者を対象に実施された説明会に行ってまいりました。

特進Ⅱコースを廃止し、新しく「凛花コース」として生まれ変わることが発表されました。同時に、特進Ⅰは「特進」と改称し、「医進・特進・凛花」の3コース制となります。

凛花コースでは、今の時代に求められる「グローバル」を主軸に置き、「コミュニケーション」「プレゼンテーション」教育に注力されることになります。

具体的には、これまでも同校で実施されてきた「日本の伝統文化」等の取り組みに関して、同コースではさらに掘り下げて活動を行うようです。同時に、1年間の長期留学(高1の3学期~高2の2学期)に関しては上記3コース中、凛花コースのみが参加可能となります(希望者対象)。

端的に申し上げると、医進・特進が大学進学に特化した授業に取り組んでいる間、凛花では「多文化理解」「コンテスト」「RINKAプロジェクト」といった特色あるものに取り組む、ということになります。

新コース体制の下、凛花から特進へは中2進級時のみコース変更が可能とされ、他2コースから凛花への合流も入学以降は無くなります。凛花から医進へのコース替えも無い様子です。次にお示しする新旧の表を比較すると分かりますが、以前に比べて、成長過程で気づいた新たな適性に合わせてコース替えが出来る、という形にはなっていないようです。3つのコースのうち、特に医進と凛花は個性が強い取り組みを早い段階から実施するものとなっており、それが他コースとの入れ替えを難しくしている、そんな感じです。

同コースが目標とする進路は「指定校推薦(文系)」及び「大阪大谷大(教育・文・人間社会)」といった、私立大文系とされています。

既存の医進・特進の取り組みについても簡単に確認しておきたいと思いますが、基本的にはこれまでと変わらない取り組みと進路目標となっています。

医進は理系のみ、特進は高2から「特文」が組織されて難関国公立大文系を目指し、その他の特進コース生は国公立及び難関私立大(共に文系理系とも)を目指します。医進理系と特進理系では、物理演習や数Ⅲなどでの授業時間数が違うとのことです。ちなみに、特文から今春は東大合格者が出たとのことです(入学時は特進⇒高1まで医進在籍⇒高2から特文)。

大学合格実績についてです。今春を含む、卒業生数及び医学部医学科合格者数の推移は以下の通り。

2014年度 卒業生数252名 医学部医学科11名(国公立4・私立7)
2013年度 卒業生数329名 医学部医学科16名(国公立6・私立10)
2012年度 卒業生数284名 医学部医学科12名(国公立4・私立8)

医進36名卒業中15名が国公立大合格、特進151名中国公立大29名合格といったコース別実績となりました。英語コースからの大学進学は56%が指定校推薦、11%が学内推薦での進学となっています。

最後に、2015年度入試についてですが、現在決定しているのは以下3点のみです。

①1/17土の午前に1次A、同日午後に1次Bを実施
②1次Aは凛花コースのみ対象の「特別専願」を設ける
③募集定員に修正が入り、特進を厚くする
医進70⇒60・特進80⇒110・凛花80⇒60

2014年3月卒就職率 3年連続上昇と際立つ国公立大の強さ

2014年7月8日 火曜日

この度、2014年4月卒業生の最終就職率が明らかになりましたので、ご紹介を致します。以下、文部科学省および厚生労働省発表の資料を基に作成・分析を進めます。早速下のグラフをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

大学全体の就職率(赤い折れ線グラフ)は94.4%となり、昨年から0.5ポイント上昇。3年連続の上昇となっています。一時の悲惨な状況から脱し、企業の採用状況が年々良くなってきていることがわかります。

国公立大・私立大別の就職率を見てみますと、オレンジの棒グラフである国公立大が96.7%(昨年から1.4ポイント上昇)・私立大は93.7%(昨年から0.3ポイント上昇)となりました。国公立大と私立大の「差」が、昨年は1.9ポイントだった所今年は一気に開いて3.0ポイント差となっています。全体の就職率の上がり幅と比べて、国公立大就職率の上がり幅が大きくなっています。

次に、男女別の就職状況を検証してみます(同じく画像をクリックすると拡大します)。

2012年度では、全体・国公立大・私立大の全てにおいて「男子>女子」の就職率でした。しかし、昨年(2013年)春卒業者のデータでは女子の値が急上昇し、反対に、就職率が好転しているにもかかわらず、男子は全体・国公立大・私立大の3つすべてで値を下げました。今春のデータでも「男子<女子」の就職率は昨年から覆ることがなく、全体・国公立大・私立大の全てにおいて女子の率が男子を上回っています。

男子・女子、国公立・私立の組み合わせで就職率が高い方から順にご紹介しますと・・・

1位 国公立大女子 97.4%
2位 国公立大男子 95.9%
3位 私立大女子 94.4%
4位 私立大男子 93.1%

という具合になります。国公立大女子と私立大男子では実に4.3ポイントもの差が出ています。

続いて、文系・理系に分けて就職率をご紹介します(こちらも画像をクリックすると拡大します)。

左側に文系、右側に理系、それぞれ国公立大・私立大別に過去5年分の就職率をご紹介しています。一目でお分かりいただけるのが、理系の就職率の高さです。昨年は、国公立大・私立大とも理系の就職率が文系を凌駕していましたが、今年は国公立大文系が昨年から1.6ポイントアップと大きな伸びとなり、国公立理系を上回っています。しかし、文系と理系を全体として比べると、若干は理系に分があるようです。

文系・理系、国公立大・私立大の組み合わせで就職率が高い方から順にご紹介しますと・・・

1位 国公立大文系 96.9%
2位 私立大理系 96.5%
3位 国公立大理系 96.1%
4位 私立大文系 93.2%

となります。1位の国公立大文系と4位に私立大文系は3.7ポイント差です。

今回発表になったデータを見ていると、「国公立大」「女子」の就職率の良さが際立っている気がします。

また、今春の就職状況に関する動向として各大学の説明会等でお話頂いた中に、「金融業界の採用が活発であった」ということが頻繁に聞かれました。経済の環境が良くなると、まず最初に採用面で「動き出す」のが金融業界です。今春卒業生の獲得に向けて、都市銀行や証券会社等金融業界では採用数を増やす会社が多かったようです。そうすると「優秀な学生の取り合い」で負けてはならん、と製造業や商社なども採用に関しては積極的な姿勢になり、結果として就職率の大幅な好転に結びついた、という構図になっているようです。

また、就職率自体は改善の傾向にありますが、企業の採用方針に関しては必ずしも「人数を多く採る」というわけでもなさそうです。

近年ちょくちょく聞く話の1つに、大手企業の中には「要求する水準を満たす人材が募集人数より少ない場合、人数を確保することに執着しない」という、言わば「質を保つ」方針の所が多くある、という話があります。ですから、学生の質次第では、特に大手企業での採用者数がもう少し増えるでしょう。