大阪府公立高 2016年度入試から「日程一本化」が決定①

2014年12月5日 金曜日

当ブログでは過日にこちら「大阪府公立高 2016年度入試より前後期を一本化へ」でお知らせをしました、2016年度入試(現中2生)からの大阪府公立高 新入試制度についての続報です。

2014年11月21日(金)に開催されました大阪府教育委員会の教育委員会議にて、来る2016年度入試(現中2生)より現在の前期・後期制を廃止し、原則として3月に入試を一本化することが正式に決定されました。

以下、新聞記事の一部引用です。


中原教育長の問題は棚上げ 大阪府教委会議 公立高再編計画を正式決定
(2014年11月21日産経新聞)

大阪府の教育委員会議が21日、府庁で開かれ、公立高の前期・後期入試の一本化や、府立高2校を閉校する再編計画などを正式決定した。

決定したのは、前期・後期に分かれている公立高入試を平成28年から3月に統一することなどを盛り込んだ入試改革や、咲洲、池田北の府立3校を同年で募集を停止し、全員が卒業する30年春で廃校にする再編整備計画。


2016年度からの新入試制度がどのようなものになるか、について、現在の入試制度との比較が出来るような形で表を作成しました。

まずは、入試制度の大枠における変更点や特徴点を見ていきます(画像をクリックすると拡大します)。

制度上で大きく変わる点としては、「選抜機会」の部分です。

これまでは前期と後期の2回とされている入試機会が、新入試制度では「特別選抜」「一般選抜」の2回とされるものの、特別選抜で募集される学科はほんの一部とされ、大多数の学科は一般選抜での募集となります。よって、大半の受験生にとっては「入試機会が事実上1回だけ」となります。

これまでの前期・後期制から入試機会が事実上1回になってしまうこともあり、新入試制度では複数の学科を持つ学校については「同一校内の異なる学科等間の第1志望・第2志望等、複数志望を認める」ことになっています。

選抜資料、つまり合否を決定する際に必要とされるもの、についてです。それぞれ中身に細かい変更があるものの、これまで通り「当日の試験」「内申点」「(一部学科では)面接か実技」が必要となることについては変わりはありません。しかし、新入試制度から大々的に導入される選抜資料として「自己申告書」なるものが挙げられます。

自己申告書は、次のようなものとなっています。

1.受験生全員が出願時に提出する。(中国等帰国外国人生徒選抜を除く。)
2.毎年、府教育委員会がテーマを提示する。
<テーマの例>
・中学校3年間(あるいは、これまでの人生)で何を学んだか。また、それを高等学校でどう活かしたいか。
・3年後の自分を想像してみる
3.一般選抜(通信制の課程を除く。)及び実技検査を実施する特別選抜において、ボーダーゾーン内の選抜資料とする。
4.面接を実施する特別選抜において、選抜資料及び面接の参考資料とする。(下記「合格者の決定方
法」参照)
5.一般選抜(通信制の課程)、二次選抜及びその他の入学者選抜においては、面接の参考資料とする。

特別選抜・一般選抜の両方で、受験する学科がどれであっても提出する必要があるようです。そして、この資料は点数化されるのではなく、上記3に記載があるように、「ボーダーゾーン内の選抜資料」とされることになっています。

ボーダーゾーンに入ってしまった受験生をどのようにして選抜するのか、についてですが、以下一般選抜で予定されている選抜内容をご紹介します。

・ボーダーゾーンの範囲をボーダーラインの上下それぞれ10%(合わせて20%)とする。
・ボーダーゾーン内の生徒のうち、自己申告書及び調査書の「活動/行動の記録」の記載内容により、高等学校のアドミッションポリシー(求める生徒像)に極めて合致する者を総合点の順位に関わらず優先的に合格とする。該当する者がいない場合も含め、優先的に合格とする者以外については、学力検査及び実技検査の成績と調査書の評定を合算した「総合点」の上位者から順に合格者を決定する。

自己申告書が大変重要になってくる、ということになります。

自己申告書と合わせて、中学校の先生に書いてもらう調査書の中に設けられる「活動/行動の記録」欄に書かれている内容も、ボーダーゾーンに入った受験生の選抜に使用されることになっています。

そして、「学力:評定」の割合についても大きく変更される予定になっています。学校それぞれの状況に合わせて合格者を決定できるよう、総合点を算出する際の学力検査(当日の試験)の成績と調査書の評定の比率について、「3:7」「4:6」「5:5」「6:4」「7:3」までの5つのパターンのうちから、各高等学校が選択し、教育委員会に申請します。それを受けて教育委員会は、この申請を踏まえて決定する、という流れになっています。

極端に学力検査(当日の試験)の比率が高い学校、反対に評定(内申)の比率が高い所、が出てくることになります。これは要注意です。

ここまでは、制度上の大枠部分について注目すべき点をご紹介しました。また後日改めて別のエントリーで、新入試制度における学力検査(当日の試験)と調査書の中身について、細かく検証しようと思います。