大阪府公立高 2016年度入試から「日程一本化」が決定②

2014年12月16日 火曜日

過日にこちらのエントリー「大阪府公立高 2016年度入試から「日程一本化」が決定①」でご紹介をしました、来る2016年度入試(現中2生)より現在の前期・後期制を廃止して原則として3月に入試を一本化することに関するまとめです。

前回のエントリーでは、2016年度からの新入試制度がどのようなものになるか、について、現在の入試制度との比較という形でお示しをしました。

今回は更に踏み込み、学力検査と調査書の中身がどのように変わるのか?について掘り下げたいと思います。

今回も、現行制度との比較が出来る形で資料を作成しています(画像をクリックすると拡大します)。

学力検査部分で大きく変わるのは、「原則5教科」になるという部分です。

現行制度ですと、「前期3教科・後期5教科」という形ですが、新制度では5教科となることが発表されています。これまでだと前期では3教科で済んでいましたから、そことの比較で考えますと受験生たちの負担が大きくなります。注意が必要です。

また、入試問題についても変更があるようです。

新制度下の一般選抜では、英語・国語・数学の3教科については「基礎」「標準」「発展」の3種類の問題が用意され、各高校が使用する問題を選択して教育委員会に申請し、教育委員会はこの申請を踏まえて決定する、という手順になるようです。

理科と社会については、各選抜において1種類ずつとなるようです。

調査書についても大きな変更が予定されています。大きな変更となるのは、「絶対評価の導入」「評価対象学年を中1~3にする」という点でしょう。

特に「評価対象学年を中1~3にする」という点ですが、2018年度(現小6生)までは、経過措置として評価対象学年を以下のように限定されることも合わせて発表になっています。

2016年度入試 中3分のみ
2017年度入試 中3・2分のみ(評定の比率は3:1)
2018年度入試 中学3年間分

また、9教科間の評定の割合ついても見直しが入っています。これまでは特に実技科目に比重が置かれていた配点となっていましたが、新制度では9教科が同等に扱われることになるようです。これによって、生徒の各教科の学習状況を全体として偏りなく評価できる、というメリットが生まれます。

調査書の中に設けられる「活動/行動の記録」という欄にも注目が集まっています。

こちらは、前回のエントリー「「大阪府公立高 2016年度入試から「日程一本化」が決定①」でご紹介をした、出願時に提出する「自己申告書」と合わせて、この欄内に記載されていることが「ボーダーゾーン内の生徒のうち、自己申告書及び調査書の「活動/行動の記録」の記載内容により、高等学校のアドミッションポリシー(求める生徒像)に極めて合致する者を総合点の順位に関わらず優先的に合格とする」という形で扱われることになっています。

つまり、ボーダーゾーンという「合否の当落線上」に入った受験生に関しては、「自己申告書」「活動/行動の記録」に書かれている内容で合否が決められることになります。よって、合否を左右する非常に重要な要素になる、ということです。

自己申告書に関しては受験生本人が記載をしますから「自己責任」となりますものの、活動/行動の記録に関しては中学校の先生に書いてもらうことになります。普段の学校生活の様子で特筆すべき点があれば担当される先生も書きやすいと思いますが、特に目立った活動などが無い場合は「書くことに困る」ことになるでしょう。そうならないよう、普段の学校生活においても出来るだけ前向きな取り組みをするよう、心がけて欲しいものです。

この「ボーダーゾーン内の判定」に関してですが、記載内容に目を通した上で「該当する者がいない」という場合は、優先的に合格とする者以外については総合点の上位者から順に合格が決められるようです。

新入試制度について解説をして参りました。新中2生からの導入、ということになりますが、上記の通り調査書の評価対象学年が中1から3年分になることを考えると、一番「困った~」ということになるのは現在小学校6年生の皆さんになると思います。

早めからの準備をお勧めします。