薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側①

2015年4月10日 金曜日

先ごろ第100回薬剤師国家試験の合格発表が行われ、厚生労働省から詳細なデータが公開されました。

今回を含めた3回のエントリーで、薬剤師国家試験の合格率推移、大学別合格率を中心にしてご紹介しつつ、合格率の裏側に潜む「ある事実」にも軽く切り込んでみたいと思います。

まずは、今回を含む過去9回分の合格率推移をご紹介致します(画像をクリックすると拡大します)。

2010年(第95回)と2011年(第96回)の国家試験は薬学部4年制課程と6年制課程の移行期にあたっており、受験者は薬学部4年制課程の既卒者に限られ、合格率が低迷していますが、それを除いて考えると昨年の「60.8%」というのは過去最低の合格率だったようです。

今年の合格率は63.2%になりました。昨年から少し持ち直したとはいえ、まだまだ低い水準であることには変わりありません。

「どうも厚生労働省は薬剤師の数を減らそうとしているのではないか?」と思えるほどの急な難化傾向に、大学関係者などは困惑しているようです。薬剤師国家試験合格率の高い・低いが薬学部選びの大きなポイントになってくるのは紛れもない事実、ということもあって、他の大学も同じ条件であるとはいえ、合格率のダウンは手痛いことになります。

上の画像内でご紹介していないデータとしては男女別の合格率というのもありますので、ご紹介を致します。

男60.04%(昨年60.57%) 女65.29%(昨年61.03%)

折れ線グラフとは別に、「国立」「公立」「私立」それぞれに分けた合格率に関して、今年を含む2年分を棒グラフで掲載しています。

国立・公立とも70%という高い水準を2年続けて維持していますが、私立についてはやっと6割、という状況で、国公立・私立トータルの合格率である今年63.2%・昨年60.8%をいずれも超えていません。特に私立大については対象となる大学が数多いこともあり、合格率が極めて高い大学と極めて低い大学との「差」が広い、という状況です。

大学別の合格率についての詳しくは、また後日のエントリーでご紹介を致します。

 

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