大阪府教委 内申決定統一ルールに「学力テスト」を活用②

2015年4月16日 木曜日

こちらのエントリー「大阪市教委 「真の絶対評価」に向けた方針を発表」でご紹介をしましたとおり、大阪市では「絶対評価」を出来るだけ公平・公正なものとするための「独自の方針」を打ち出し、先ごろ公開をされました。

大阪市のこの動きを受け、大阪府では「府内統一ルール」を近々示すとの見解を示していましたが、4/10金の大阪府教育委員会議にて正式にルールが決定し、発表されました。

前回のエントリーであるこちら「大阪府教委 内申決定統一ルールに「学力テスト」を活用①」では、取り急ぎ「府内統一ルールが発表になった」ということと、その中身に関して一部報道等で指摘をされている問題点についてご紹介を致しました。

今回のエントリーでは、いよいよその「府内統一ルール」についてご紹介を致します。今回発表された内容を、下の画像1枚にまとめてみました(画像をクリックすると拡大します)。

より簡単にまとめますと、以下のようになりますでしょうか。

特徴点
・1月に実施される「チャレンジテスト」の結果を基にして「府全体の評定平均」を定める
・「全国学力・学習状況調査結果」の平均正答率を活用し、大阪府全体の平均と各中学の平均の「比」を計算し、各中学校の「評定平均の目安」を定める
・その「評定平均の目安」の±0.30以内を「評定平均の範囲」とし、学校全体の平均がその範囲に収まるように各中学校で評定を確定する

ということで、今回発表された「全国学力・学習状況調査結果」はあくまでも「各中学校の評定平均の範囲」を決めるために活用されるにとどまり、個人個人の得点等がダイレクトに自身の内申へ反映される、ということではありません。

また、上の画像内でご紹介をしている「評定平均の範囲」については、各中学校に指定された範囲に9教科全てを収めるのではなく、9教科トータルの評定平均が範囲内にあればよい、ということになっています。

同じ画像内には「評定平均の範囲 ステップ」という表も用意しました。これは、全国学力・学習状況調査で平均正答率がどれぐらいあれば「評定平均目安」「評定平均範囲」がどの程度になるか、を一覧にしたものです。

大阪府全体の平均正答率60%あれば「2.92~3.52」の範囲で評定平均が収まりますが、そこから平均正答率が9%上がる(69%)と評定平均範囲が「3.40~4.00」となり、反対に9%下の51%となると評定平均範囲が「2.44~3.04」にまで下がります。

平均正答率が約10%変わると、これほどまで評定平均範囲が変わります。

さて、この大阪府教委からの発表を受け、こちらのエントリー「大阪市教委 「真の絶対評価」に向けた方針を発表」でご紹介をしました大阪市教委の方針がどうかわるか?についても注目が集まるところです。

読売新聞の2015年4月10日(金)夕刊には次のような記載がありました(一部抜粋)。


内申に学テ 文科省「逸脱」
(2015年4月10日(金)読売新聞夕刊)

大阪市教委は「高く評価している」と歓迎。市独自の統一テストを行う方針は変えないが、内申点の学校別平均は、府教委が定めた範囲内に収めるとしている。


ということで、大阪市教委は一部基準の見直しは行うものの、市独自の統一テスト実施については撤回する予定はないようです。

今回の府教委からの発表を受けても統一テストを実施する方針を変えない大阪市教委。この動きを見て他市町村の教育委員会がどのように動くか、についても今後は注視する必要があるように思います。

 

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