薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側②

2015年4月17日 金曜日

先ごろ発表になりました第100回薬剤師国家試の合格率などについて、前回を含めた3回のエントリーで詳しくご紹介をしているシリーズです。

前回はこちらのエントリー「薬剤師国家試験 大学別合格率とその裏側①」では、薬剤師国家試験の合格率推移についてご紹介をしました。

今回と次回のエントリーでは、大学別合格率を中心にしてご紹介しつつ、合格率の裏側に潜む「ある事実」に軽く切り込んでみたいと思います。

何はともあれ、大学別の合格率をご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

今年の合格率と昨年のそれを並べて記載しています。画像の左側に並べている大学群はすべて「平均合格率である63.2%を超えている」大学となっており、反対に右側に配置した表は全て平均を下回っている、あるいは全くの同率となっている大学、ということになります。

近畿地区で高い合格率(ベスト10入り)となっている大学は以下の通りとなっています。

5位:近畿大学 83.1%
9位:立命館大学 79.5%
10位:京都薬科大学 79.3%

さて、今回ご紹介をしている上の表内には「受験率」なる数値が掲載されています。

合格率をアップさせるために各大学が行っているのではないか?という噂として・・・

「卒業生数をコントロールしている」
「出願しても受験させない」

といったものがあります。

実際の所、入学者数や入学定員と比べて6年後の国試受験者数が大きく減っている大学が多く見受けられ、上のような噂は絶えないというのが事実です。

それに向けた対策なのかどうかはわかりませんが、今回の大学別合格状況を公表する文書には「出願者数」も合わせて発表されています。

これは驚きのデータです。

詳しく見てみますと、100%の受験率になっているのが岡山大・大阪大・九州大といった国立大、90%台の受験率になっている所も多くみられる一方で、なんと受験率60%台という、出願者の3名中2名しか受験していない大学も3大学(いずれも私立大)あります。

総じて、私立大での受験率の低さが目立ちます。

やはり、噂となっている「出願しても受験させない大学がある」というのは、本当なのではないかと思わざるを得ないデータです。

さて、最終回となる次のエントリーでは、合格率の高い・低いと密接な関係にある「あるもの」についてご紹介します。お楽しみに。

 

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