2012年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①

2012年8月31日

当ブログで毎年ご紹介しております「滋賀県公立高入試 小問別正答率」ですが、2012年度入試分を順にご紹介していきたいと思います。

本題に入る前に、「正答率」がいかに大切かを簡単に述べさせていただきます。

中学・高校・大学入試すべてに当てはまることですが、出題された問題のすべてに正解する必要はありません。合格に必要となる得点を1点でも上回っていればそれで事は足ります。

入試問題をよく見ますと、「誰もが正解しているであろう簡単な問題」や「これは誰も正解してないと思われる難解な問題」が絶妙なバランスで散りばめられています。前者は必ず正解しておかないと他の受験生との差が開いてしまいますが、後者は(正解しておく方が良いに決まってはいますが)特に正解しなくてもさほど合否に影響は無いものと思われます。

合格への近道の1つとして、試験当日に「絶対に正解しておかないといけない問題」「出来なくてもそれほど心配ない問題」の見極めをつけることが出来て、正解すべき問題に時間をかけて取り組み、確実に正解を導きだすことが出来るようになること、が挙げられます。これを常日頃の過去問演習の際に意識して訓練しておくことをオススメします。

過去問対策を進める際、学校によっては小問ごとの「正答率」が公表されているケースがあります。この「正答率」が高い問題ほど「基礎的な問題」と位置づけることができ、 そのような問題は何よりも優先して確実に解けるようになっておく必要があります。

ということで、今回のエントリー以降(不定期になりますが)では2012年度滋賀県公立高入試問題の科目ごとに小問別正答率をご紹介し、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介していこうと思います。

2012年度入試結果、まず最初となる今回は国語についてです。

滋賀県公立高 国語

今年度の国語の平均点は100点満点中47.5点(昨年57.6点)でした。

正答率と合わせて、出された問題のポイントや受験生の解答状況について詳しく分析されたものも公開されています。以下、滋賀県教育委員会が発表した解答の分析の一部です。

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大問一において、漢字の問いについては「同様(で)」の書きの正答率が低いこと以外は良好であった。指示語に着目して、その指す部分を文章の中から的確に読み取り、適切に表現することができるかを問う問題も、おおむね良好であった。「創造」の対義語を問う問題では、「破壊」とする誤答が多く、辞書を引く習慣を大切にするなどして語句を正確に理解する力が望まれる。文章の構成や表現の仕方の特徴を読み取り、その効果について的確に表現する力を問う問題では、正答率が低かった。このことから、今後、文章の構成やその表現の効果について分析的に読んだり、評価したりする力の育成が一
層望まれる。

大問二の作文では、意識調査の結果をもとに、自分自身が漢字の学習にどのように取り組むかの考えをまとめ、適切に表現する力を求めた。受検生にとって身近なテーマではあったが、グラフの結果をふまえることが十分できなかったり、具体的な自分の考えと理由が述べられていなかったりした。今後、提示された図表やグラフなどの情報と設定した条件をしっかり読み取ったうえで、論理的に記述できる力の育成が望まれる。

大問三において、「蔵(し)」の書きの正答率が低く、同音異字の間違いが多く見られ、文脈に即した漢字の理解に課題が見られた。しかし、読みについては、おおむね良好な正答率であった。古語の意味解釈について問う問題では、古文と現代文を比較しながら内容を的確に読み取れても、文末の表現に続く形で記述することが不十分であった。また、表現をふまえて文章の内容を読み取る理解力と表現力を問う問題でも、四十字という字数制限の中で適切に表現する力のさらなる育成が求められる。

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問題文は理科的な素材の説明的文章と、古典を素材とした文学的文章の組み合わせとなっており、非常にバランスが良い配置でした。また、設問においても基礎的な学力を問う問題がある一方で読解力・分析力・構成力を問うような骨のあるものもきちんと用意され、総合的な力が必要となるものとなっています。

作文に関してもグラフを読み取るなど「データ分析」が必要となるものとなっていて、実際に入試を実施された各公立高の先生方からの評価も概ね良好なものになっています。

また、滋賀県教育委員会からは全体の講評として「書かれた内容の大体の意味を理解する力については身についている。しかし、文章を分析的に読んで評価する力や図表の内容を適切に読みとり表現する力、考えたことを根拠を明確にして簡潔にまとめ、適切に書き表す力についてはさらなる育成が望まれる。」と発表されています。毎年、またどの教科にも言えることですが、「記述力」「表現力」のある・ないで合否に大きな差が出てくるように思います。

特に国語の場合は「記述力」が大きく合否を分ける、と言ってしまって良いでしょう。残り約半年の間、記述力をつける勉強も意識して進めるようにしてほしいと思います。

これ以降、国語以外の教科についても不定期にご紹介していこうと思います。滋賀県にお住まいの中3生の皆さんはこのブログをよくチェックしておいてください!