やはり上昇! 2013年度大阪府公立高後期 最終倍率①

2013年3月8日

去る3月6日(水)の新聞各紙に、大阪府公立高後期選抜の最終倍率が掲載されました。今回と次回のエントリーでは、大阪府公立高後期の最終倍率について考察して参ります。今回のエントリーでは、取り急ぎ主要各校の最終倍率を、進路希望調査結果のデータとも合わせて5年分ご紹介します。

まずは第1学区です。

第1学区全体の倍率は1.29倍で、昨年1.17倍から0.12ポイント上昇しています。各校の倍率の動きが大変気になりますので、早速主要校の動向を以下にご紹介します。

北野高・・・昨年の最終倍率1.51倍から0.17ポイントアップの1.68倍。4年前の2009年度は1.3倍にも乗っていなかったのですが、年々倍率が上昇しています。
茨木高・・・昨年最終倍率から0.12倍上昇の1.61倍と高倍率ですが、せめてもの救いなのが進路希望調査時点の倍率から0.3ポイントのダウンとなっているところ。
豊中高・・・今年の1.67倍で、昨年最終倍率1.65倍とほぼ同じ。昨年並みのラインになりそう。
春日丘高・・・府内最高倍率となる1.93倍で、今回ご紹介している5年で最高の倍率。合格に必要となるレベルがかなり高くなると予想されます。
池田高・箕面高・・・共に昨年最終倍率から若干下げていますが、昨年の最終倍率が例年になく高かったのでその揺り戻しと考えるべきでしょう。
三島高・北千里高・・・共に昨年最終倍率から大きく倍率を上げています。春日丘高の高倍率化を嫌った受験生が多く流入していることが考えられますので、倍率の高さと相まってかなりハイレベルな争いになる可能性もあります。

第2学区についてです。

第2学区全体の倍率は1.25倍で、昨年の1.16倍から0.09ポイントのアップです。以下、各校の動向です。

大手前高・・・最終倍率1.66倍は、今回ご紹介している過去5年で最も、そしてダントツに高い倍率となりました。進路希望調査時点の倍率からもほとんど動きがないので、「自信がある」受験生たちが集まっていることと思われます。
四條畷高・・・2009から2012年度と続いてきた倍率上昇がようやくストップし、1.58倍と昨年最終倍率から0.24ポイントもの大きな下落となりました。
寝屋川高・・・手ごろ過ぎた昨年の最終倍率1.19倍から大きく上げて今年度は1.46倍。昨年よりははるかに高いレベルとなることは確実ですが、2年前や3年前と比べても厳しい戦いになることでしょう。
牧野高・・・昨年最終倍率から0.04ポイント増の1.20倍と、他の学校と比べると比較的手ごろな倍率に見えますが、ここ5年で最高の倍率となっています。
東高・・・昨年最終倍率から0.14ポイントものアップで、1.44倍。合格に必要となるレベルが例年より高くなることが予想されます。

第3学区です。

第3学区全体の倍率は1.25倍、昨年1.14倍から大きく上昇しています。各校の動向はどのようになっていますでしょうか。

天王寺高・・・最終倍率1.50倍で、昨年最終倍率から0.12ポイントものアップとなっています。かなり高いレベルでの争いになることでしょう。
生野高・・・毎年上がる一方の最終倍率ですが、今年度も昨年から0.07ポイント上昇の1.62倍。せめてもの救いなのは進路希望調査時点の1.82倍から大きく下げている点。
高津高・・・昨年最終倍率からなんと0.22ポイントもの上昇となる1.82倍で、進学指導特色校10校の中では最も高い倍率となりました。やはり合格に必要となるレベルが相当高くなると予想します。
富田林高・・・昨年最終倍率から0.16ポイント上昇の1.33倍。例年1.1倍台で推移していましたから、大きなレベルアップとなるでしょう。
八尾高・・・1.21倍の最終倍率は昨年度や2010年度とほど同様の倍率となっており、他校の「倍率大幅上昇」と傾向が異なります。例年通りの落ち着いた入試になるのではないでしょうか。
清水谷高・夕陽丘高・・・共に進路希望調査時点では1.4倍程度でしたが、そこから清水谷高が大きく下げ、夕陽丘高は調査時点とほぼ同等の倍率に留まりました。清水谷高の高倍率化を避けた受験生が夕陽丘高に逃げ、その夕陽丘高からまた他の高校へ受験生が逃げ・・・と玉突き状に受験生が動いた可能性があります。

最後、第4学区です。

第4学区全体では1.20倍で、昨年の1.16倍から0.04倍の微増に留まりました。各校の動向です。

三国丘高・・・昨年最終倍率1.76倍が高すぎたこともあり、今年の最終倍率は1.37倍と妥当なラインに収まりました。一昨年程度の合格ラインに落ち着くのではないでしょうか。
岸和田高・・・こちらも昨年の最終倍率1.69倍から大きく下げ、1.27倍となりました。2009・2010年度とほぼ同じ倍率ということもあり、昨年・一昨年のようなハイレベルな争いにはならないでしょう。
泉陽高・・・最終倍率1.38倍はここ5年で最も高いもので、昨年と比べてかなり上昇しています。三国丘高や岸和田高を当初予定していた受験生がこちらに受験先を変更していることが考えられますので、厳しい戦いになるかもしれません。
和泉高・・・昨年度最終倍率とほぼ同等の1.36倍。昨年から大きく変動が無いという意味では、昨年と同程度のラインになりそうな、落ち着いた入試になりそうです。
佐野高・・・昨年最終倍率から0.24ポイントものアップ、1.28倍となりました。昨年のラインでは合格することは難しくなりそうです。

ここまでは各学区の主要校の最終倍率を、過去の最終倍率や進路希望調査結果などと絡めて見てきました。次回のエントリーでは大阪府全体の平均倍率、今年の大阪府公立高後期に見られる特徴的な事項について検証します。こちらもお見逃しなく。