大阪府高校入試 2015年度第2回進路希望調査結果①

2015年1月26日

去る1月22日(木)に新聞各紙で大阪府内の公立中学卒業見込み者を対象にした第2回進路希望調査の結果が掲載されました。

今回から5回のエントリーに分けて、この進路希望調査結果について見ていきたいと思います。今後の受験校選び、受験に向けての心構えに役立てて欲しいと思います。

まずは、私立高の全体概況についてです。

大阪府が2010年春から実施している「私立高校無償化」が特に2011年度あたりからの高校入試において大きな影響力を与えてきていることは皆さんもご存じのことと思います。この無償化が定着した近年は、私立高に「追い風」が吹き続けていました。

今回の調査結果によりますと、府内私立高の専願率は21.1%(昨年20.62%・一昨年21.06%、昨年より0.48ポイント増)となっており、2013・2014年と2年続けてダウンとなっていた専願率に歯止めがかかり、上昇しています。

2011年度のこの調査結果段階では、府内私立高を第1希望とする「専願者」の割合は22.29%となっており、その前の年からなんと5.74ポイントもアップ、しかも過去10年で最高の値である上に、20%を超えるのはデータのある過去10年間では初めてのこと、というぐらい、私立高が人気を集めました。2012年度もその水準を保っていました。

しかしながら、2013年度ではその勢いに陰りが見え、微減ではあるものの、2013年・2014年と2年続けての専願率ダウンとなっていましたが、ここへきて2013年度水準にまで引き戻しています。

専願率が若干ですが上向きになった理由ですが、次のようなものが考えられます。

①公立高が前期で普通科も募集開始3年目を迎えるが、早期に進学先を決めたい受験生にとって公立前期は普通科・専門学科問わず倍率が高いので、確実に合格がもらえる私立高を第一志望とした
②先行きが不透明だった「私立高無償化」が継続されることが決定した

ちなみに、今年を含む過去7年間の私立専願率(第2回進路希望調査時点)の推移は以下のようになります。

15年度 21.10%
14年度 20.62%
13年度 21.06%
12年度 22.28%
11年度 22.29%
10年度 16.55%
09年度 15.69%

さて、専願率についてわかった次は、男子・女子・共学校それぞれの全体的な希望者の動きを検証してみましょう。下でご紹介している表は、昨年及び一昨年の同時期の調査結果と比較して専願・併願・合計でどの程度希望者数が増えた・減ったのかを、男子・女子・共学校別に集計したものです(画像をクリックすると拡大します)。

私立高希望者数自体が約300名ほど減っていますが、こと共学校だけを見ますと希望者が400名弱増えています。つまり、男子校と女子校で約700名もの希望者減になっている、ということになります。

男子校は専願者数の減りが11名とかなり押さえることに成功しているだけでなく、専願率が上昇しています。男子校の中では1校がとんでもない人気を集めており、それが男子校全体の専願者数や専願率の上昇に大きな影響を与えています。

女子校においても、ここ数年続いていた専願率の低下にはストップがかかっていますものの、全体としては専願・併願とも希望者を減らしています。

共学校は専願者数も増やしていますし、専願率についても伸ばしています。併願希望者数も同様に増やしており、大阪府の私立高全体では希望者数が減っているにもかかわらず、共学校だけを取りだして見てみるとかなり「景気が良い」状況です。

次回のエントリーでは、私立高それぞれの状況を細かく見ていきたいと思います。どんな学校が人気を集めているのか?大変興味があります。お見逃しなく。