2010年度大阪府公立高入試 教科別平均点

2011年2月17日

京阪神の私立高校入試が終わりました。出願時と同じコースで合格した、回し合格になった、不合格になってしまったが1.5次で他の私立高校に合格した、などおのおので状況が異なると思いますが、今回私立高を併願で受験した受験生は次の目標である「公立高校入試」に向けて気持ちを切り替えていく時期になりました。

大阪府の公立高校入試は前期選抜が2月23日(水)、後期選抜は3月16日(水)に実施されます。前期選抜まではあまり時間がありませんが、後期選抜まではあと1ヶ月ほどあります。

気持ちを切り替えて後期選抜までの残り約1ヶ月を前向きに、効率の良い学習を進めてほしいと思います。

今回を含む6回のエントリーで、昨年の後期選抜での教科別平均点や問題ごとの正答率をご紹介し、「取るべき問題」と「間違えても影響が無い問題」について考えてみたいと思います。

このシリーズ第1回目となる今回は「教科別の平均点(80点満点を100点満点に換算した点)」についてご紹介します。下のグラフは過去4年間の教科別平均点をまとめたものです(クリックすると拡大します)。

大阪府公立高後期 合格者 教科別平均得点率

このデータを見るときには1つ注意点があります。「合格者の無作為抽出標本調査」という方法が採られているという点です。・・・簡単に言うと「後期選抜を受験した受験生の全員のデータではない」ということです。「合格者だけ」、それも「全員ではない」という点がポイントです。

今回の「教科別の平均点」についてですが、各教科の過去4年分の平均点がグラフで示されています。ご存じのとおり、大阪府公立高校 後期選抜はどの教科も80点満点となっています。上の表に出ている数字はそれを100点満点に換算して計算したものになっていますので、ご注意ください。

国語を例にとって見てみると、2010年度(昨年)は「63.3」とありますので、それを80点満点に換算すると

80×0.633=50.64

となります。ですから、去年の国語は80点満点中大体51点が合格者の平均点だった、ということになります。それを踏まえた上でグラフを見てください。

グラフの中に数学・英語それぞれに「A」と「B」がありますが、数学と英語はそれぞれA問題とB問題のうちから各高校が自由に選択することになっています。次の後期選抜ではどの学校がどちらの問題を選ぶのか、については当日にならないとわかりません。

さて、毎年作られる入試問題は出来るだけ問題の難しさを一定に保つように工夫はされていますが、どうしてもその年その年で難しさが少しずつ異なります。ですから、問題が難しかった年、逆に簡単だったという年、が起こってしまいます。

上のグラフを見てみると、特に理科は最近4年間の中で去年が一番平均点が低かった年になっています。理科は年々平均点が落ちてきているのが特徴で、国語や社会などの平均点と比べた時の差も非常に大きくなっています。

「国語や社会では点が取れるのに、理科は点が取れない」と嘆いていた受験生の皆さん、元々の平均点が低いので、理科に関しては自分の点数が低いのも「ある程度までならば」仕方がないと判断していいと思います。

去年の過去問を解いて落ち込んでいた受験生の皆さん、どうでしょうか。少しは気が楽になりませんか?

これから先に過去問演習をしていく時には、これと同じように過去4年間の平均点(100点満点に換算されたもの)と自分の各教科の出来とを比較して、冷静な判断をするようにしてください。

次回以降では、去年の5教科それぞれについて小問題ごとの正解率や簡単なコメントなどを順番にご紹介していきます。お楽しみに!