花園中高 中高とも堅調な入試状況

2014年7月2日

花園中高の塾対象説明会の模様をお伝えします。

まずは中学校の取り組み内容です。

一貫Sコースのみの構成となっており、国際社会で活躍できる人材育成を目標に、日々の丁寧な学習指導と体験を通した生日の推進を積極的に行っておられます。また、生徒の成長と進路目標の変化に対応出来るコース設計により、柔軟な指導を行っているのも特徴です。

高校に比べると、存在感としては一歩譲っている現状となっている中学校ですが、今後は「花園学園のセンターポジション」を確立すべく、各取り組みを再評価し、改善・進化させ、特進コースとの違いを明確にする、との発表がありました。その一環として、2016年にはグローバル人材育成を目標とする新コースを設立させる予定である、とのことでした。

高校の内容ですが、コース別に詳細をご紹介します。

特進A
次世代のトップとなる人材育成を目標に、「学力伸長」「人間的成長」の両面からの指導を充実させており、独習会・独習合宿、EX講座や難関大学特講、添削指導、Aコース講座などの取り組みを通じで、教員と生徒は膨大で濃密な時間を共有している。今後は第2期改革期(熟成期間)へ移行し、常に目標に立ち戻って教育成果を確認したり、各取り組みを再評価して改善・進化させる。国公立大が目標。

特進B
確かな知識・教養、体力、精神力を備えた人間の育成を目標に、課題達成力・問題解決力を養う独自のプログラムを展開。学修と課外活動の両立を追求させることで、セルフマネージメント力をはぐくむ。今後は独自の魅力を持ったコースに進化させるべく、新たな骨格作りを加速させる。関関同立が目標も、指定校推薦枠に頼りがちな現状がある様子。

進学カルティベート
基礎学力の充実を根幹とした学習指導を実践し、学力伸長の土台をつくる。課外活動やボランティア活動を奨励し、他者に対する思いやりの心や社会の一員としての自覚を育む。今後は、各取り組みを再評価して改善・進化させたり、リテラシー教育を展開するなどしてベースコースとしてのレベルアップと独自性の確立を目指して奮闘する。同コース優先の指定校枠等で四大へ進学することが目標。

大学合格実績についてです。今春のコース別大学合格実績は次の通りです。

特進A 卒業生75名 国公立大32名(京大2・阪大1含む、他浪人で7名あり)
特進B 卒業生84名 国公立大なし 関関同立30名(他浪人で9名あり)
進 学 卒業生114名 国公立大なし 関関同立1名(浪人はなし) 私大93名(現役実数は84名)

特進Aは半分近くが国公立大に合格している反面、特進Bは関関同立のべ30名、進学カは2/3が私大へ進学、ということで随分と特進Aと他コースで差が感じられます。進学については入学段階で基礎学力に不安がある生徒も一部いるようなので、大学進学先にこだわるよりも「学ぶ意味を教えることが先決」と話されていたのも印象的です。

また、上記の大学合格実績のうち、6年一貫であるSコースの卒業生5名の主な実績に関しては以下の通りとなりました。

国公立4(三重・滋賀県立・大阪府立・岡山県立)・同志社1・龍谷2

今春卒業生の学年ですが、6年前には26名が中学に入学したものの、高校進級段階で4名が外部に進学、16名が6年一貫以外の3つのコースに進級するなどし、6年一貫生は最終的に5名となっていたそうです。その5名で国公立大4名合格ですから、大したものです。

2014年度入試結果です。

中学入試では、募集定員60名に対し志願者106名(女子46名)・受験者101名(女子44名)・合格者88名(女子36名)・入学者40名(女子22名)という結果になりました。志願者は3年連続増加、特に公立中高一貫校型の入試問題を出す「むげん入試」は導入以来4年連続で志願者数増となっています。

しかしながら、統一解禁日の4科選択者数はここ数年1ケタにとどまっていることもあり、次年度入試でテコ入れが入るようです。

高校入試では、専願で100名以上減少も、併願が260名以上増加。第1回・第2回の合計で2000名を超える志願者数となるなど、絶好調の入試です。

そんな中、今春の「公立高校入試制度の大きな変更」のあおりで、上位コースである特進2つの戻り率が3割減少し定員割れした一方、カルティベートは戻り数がほぼ倍増となるなど、学校側が考えている理想の人数割合とは違う「いびつな」人数構成でのスタートとなっているようです。

同校だけでなく広く京都の私立高では、京都府公立高の制度変更によって成績上位生が軒並み公立高へ流れた一方、成績的にちょっとしんどい層の生徒たちが私立に来ている様子が伺えます。

最後に、2015年度入試情報です。

中学入試では、統一解禁日に実施の選択入試における入試科目を変更されます。これまでは4科または2科のいずれか選択でしたが、「3科(国算+理or社or英)または2科(国算)」となります。英語が新たに入試科目として登場し、選択可能となるのが目玉です。

高校入試は大きな変更点はありません。ただ、今春の入試結果を受けて、ひょっとすると進学カルティベートの合格ラインが上がる可能性がありますので、ご注意ください。