近畿大学附属中 大学附属校・進学校の2つの顔を持つ

2015年7月14日

近畿大学附属中の塾対象説明会にお邪魔させて頂きました。

近畿大への進学を目指すプログレスコースは「大学附属校」として、アドバンストと医薬の2つのコースは「進学校」としての、2つの顔を持つ学校です。

プログレスとアドバンストに関する、今春卒業生のコース別進学先(比率)は以下の通りとなっています。

プログレス 国公立大1.5% 難関私立大5.2% 近畿大80.6% その他12.7%
アドバンスト 国公立大42% 難関私立大・近畿大41% その他18%

近大への進学が基本となるプログレスから難関私立大の進学がいるようですが、これは指定校推薦枠での進学が主となっているようです。プログレスは近畿大へ内部進学することが大前提とされているコースなので、基本的には国公立大や難関私立大の受験には対応していないとのことです。

アドバンストからの外部大学受験に関しては、年々国公立大志向が強くなってきています。これに対応すべく、従来の進路指導部とは別に国公立大に特化した進路指導部を昨年4月から設置されたようで、それが奏功したのか、現役国公立大合格者数が以下のように劇的に上昇をとげています。

2010年度47名⇒2011年度54名⇒2012年度46名⇒2013年度33名⇒2014年度52名

医薬コースは文字通り医療系大学・学部への進学を目指すコースです。このコースからは医学科23.9%、歯学科に4.6 %、薬学科に22.9%が進学しているなど、医歯薬だけで半数を超えています(すべて5ヶ年平均)。

今春の医薬卒業生のうち北海道大(獣医)の合格者がいますが、入学時はプログレス⇒医薬へ転コースとなったという経緯をたどっての北大合格、だそうです。

毎年10名ほどが近畿大医学部への特別推薦の基準を満たしており、近年の医薬の入学者レベルが高くなっていることもあり、今後は満たす人数が増えることが予想されるものの、大学側は人数が増えても医学部への受け入れは行う、とお話されているようです。

そして、薬学部への推薦制度も毎年7名分の枠があり、医薬が優先されるものの、枠が余れば他コースに枠が回されるそうです。

近畿大への内部進学についてですが、2017年度入試(現高2)より内部進学基準が改められる予定となっています。詳細は以下の通りです。

・高校3年間5教科の学習を継続
・自校教育を履修
・英語e-Learning教材を目標レベルまで到達
・英検・TOEIC・漢検などの資格を取得
・卒業論文の提出(8000字程度)
・学習態度評価(アティチュード)

2015年度入試結果です。

受験者数は以下の通りで推移。前期は横ばいも後期は大幅減。後期が通りにくいことが浸透したからかと思われます。

前期 昨年348名⇒今年341名   後期 昨年230名⇒今年173名

模試会社集約結果による各コースの目安偏差値推移(過去5年)は、医薬が大幅アップ・アドバンストややアップ・プログレス横ばいからややダウン、といった感じになっています。

最後に、2016年度入試に向けた情報です。

ネット出願を導入予定とされています。早ければプレから運用開始予定としており、詳細が決まればHP等で告知をされるようです。

医薬は国算理3教科指定となっているものの、社会を追加で受験しても可能となっています。その理由としては、①下位コースへの回し合格を想定している際は社会を判定に使用できる ②スカラシップ判定は社会も考慮することが可能だから というものです。

 

関連記事:
近畿大学附属中 進化し続ける「ハイブリッド校」