大谷中 大学合格実績の詳細

2011年10月18日

大谷中の塾対象説明会の模様をご紹介します。

宗教をバックボーンとして躾教育を徹底する点という伝統を守りつつ、2000年度には医進コースを設置、今年度である2011年度には特進Ⅰ・Ⅱの体制とされるなどきめ細かな学習指導を実現させるために時代に合わせて変化をしておられます。

コースは以下3つとなっています。

医進
最難関国公立大・私立大の医系・理系学部への進学を目指すコースで、中2から学習スピードを上げる

特進Ⅰ
後述する特進Ⅱとの違いは「勉強に打ち込みたい子向けのコース」であるという点で、高2時に「特文クラス」という難関国公立大文系学部を目指す子で構成されるクラスを1クラス編成

特進Ⅱ
指定校推薦や併設大(大阪大谷大)への内部進学による進路保障の下でクラブや学校行事に打ち込みたい子向けのコース、大谷の長い伝統を受け継いだ大谷らしいコース

なお、中1時は全コースとも同じ進度で授業が行われ、中2進級時に成績や本人の希望を考慮して各コース間でコース変更が実施されることになっています。

気になる大学合格実績については少々詳しくご紹介したいと思います。

今春の国公立大合格者数は85名、これまでは以下のような合格者数推移となっています。

06年度74名⇒07年度75名⇒08年度50名⇒09年度79名⇒10年度98名

難関国公立大に絞って合格者数を見てみましょう。それぞれの大学の合格者数だけでなく、医進・特進それぞれの内訳も判明していますので、わかるように併記をしています。

京都大4(医進2・特進2)
大阪大5(医進2・特進3)
神戸大8(医進2・特進6)

さて、大谷中高には前述の通り医進という、最難関国公立大・私立大の医系・理系学部への進学を目指すコースがある関係上、医学部医学科の合格者数に関しては最も注目されるところです。大谷高の過去6年間の医学部医学科合格者数は次の通りとなっています。

06年度11名(国公立3・私立8) 07年度24名(国公立6・私立18)
08年度11名(国公立2・私立9) 09年度17名(国公立7・私立10)
10年度19名(国公立9・私立10) 11年度13名(国公立4・私立9)

また、医学部医学科に次いで高いレベルが要求されるのが薬学部薬学科ではないでしょうか。こちらもこれまでの6年間の合格者数推移を以下にご紹介します。

06年度82名⇒07年度68名⇒08年度62名
⇒09年度84名⇒10年度94名⇒11年度126名

ここまでは理系学部を中心に大学合格実績をご紹介してきましたが、文系についてはどうでしょうか?特進コース内に設けられる「特文クラス」の実績が明らかになっています。以下の実績は、特文クラス3期生31名のうちで国公立大の実績だけを抜き出したものです。

京都大(文)1・大阪大(経)1・神戸大2・大阪市立大2・大阪府立大6・神戸市外国語大1
その他国公立大2
合計15名

1クラス31名のうちの半数の生徒が国公立大の合格を手にしていることが分かります。かなり高い率で国公立大へ進学していますね。

なお、大谷中高の併設大である大阪大谷大には今年93名が合格しているようですが、実際に進学したのは19名となっているそうです。

2012年度中学入試についての情報です。

特進Ⅰの定員が40名減っており、各コースとも2クラス・合計6クラスの募集という形になります。ただし、特進Ⅰについては今春入試では3クラス募集となっていましたから、おそらくは来年も3クラス分の入学者をお迎え出来るだけの施設等はそろっていると思いますから、募集定員の減少をあまり深刻に受け止める必要は無いかと思います。

大きな変更点がいくつかあります。

1つ目は、来年より2次A・Bの合格発表日を早めるという点、2つ目は2次Bの出願締切を昨年の「日曜16時」から次年度は「月曜18時」に伸ばしているという点、です。

今春より導入された統一解禁日のみで設置された「特進Ⅱ 特別専願」の制度は来年も引き続き実施されることになっています。

ちなみに、今年度は関東方面からの受験者も含めて76名もの特別専願受験者が居た模様です。

さらに付け加えることとして、今春入試においては「特進Ⅱ 特別専願」で初日に合格を得た受験生がその後2次Aを医進を受験して見事に合格した、というケースがあったようです。初日は安全に大谷中の入学権を得ておいて、その後の日程で上位コースを狙って思いっきりチャレンジする、という形です。

こちらのエントリー「四天王寺中高 理系比率は60%」で詳しくご紹介していますが、四天王寺高の大学合格実績は全国的に見てもトップレベルです。同じ大阪府内の女子校において、四天王寺高の大学合格実績に今一番近いのはここ大谷高ではないでしょうか。トップの四天王寺を脅かすような驚異的な大学合格実績が出れば、きっと他の女子校の取り組みが変わったり、女子校全体の人気回復にもつながってくることでしょう。

大阪の女子校全体の行く末のカギを握るのは、大谷中高のような気がします。