大阪薬科大 調査書からは逃れられない入試制度

2012年4月9日

春休みの真っ只中行われた、大阪薬科大のオープンキャンパスに行ってきました。

大阪薬科大①

大阪薬科大は6年制となる薬学科(定員270名)と4年制の薬科学科(定員30名)の2学科構成となっています。同じ薬科大としての競合校である京都薬科大と神戸薬科大は6年制のみの設置となっているので、この点でまずこの2大学との差別化が出来ています。

しかも、入試段階では6年制・4年制を選ばずに入学でき、4回生進級時に選択が可能となっています。このことで、大学入学段階でのミスマッチが防げることになります。近畿大や武庫川女子大でも6年・4年併設なのですが、入試段階でどちらか一方の学科を選ぶ必要があります。

各学科の教育目標は次の通りです。

・薬学科(6年制):薬に関係する高度な専門知識と幅広い教養、そして病気を見るのではなく患者を思いやる心を兼ね備えた薬剤師の育成
・薬科学科(4年制):大学院修士課程と連携し、人々が健康で快適・安全に生活するために必要な医薬品の創製や開発、および保健衛生をはじめとする薬学を基盤とする多様な人材の育成

大阪薬科大②

気になる薬剤師国家試験の合格率です。今年は全国的に6年制課程生第1期生が受験をしている年で注目が集まっていますが、大阪薬科大では98%ちょっとの合格率になっているそうです。

入試制度についてもちょっとご紹介しておきます。

今春入試である2012年度入試における主な入試形態は以下の通りです。入試名の前に◎があるのは調査書が点数化される入試区分です。ただし、調査書は全体の平均の○倍とはなっておらず、教科ごとに傾斜がかけられています(詳しくは夏前に発行される新しい入試概要等で最新情報とともにご確認ください)。

◎公募制推薦:英+理(化Ⅰor生Ⅰ)+調査書 ⇒ 調査書占有率150/400(37.5%)
◎一般入試Ⅰ:英+数(ⅡBまで)+理(化Ⅱまでor生Ⅱまで)+調査書 ⇒ 調査書占有率150/400(37.5%)
一般入試Ⅱ:英+数(ⅡBまで)+理(化Ⅱまでor生Ⅱまで)
センター利用:英+数(ⅠA・ⅡB)+理(化Ⅰor生Ⅰor物Ⅰ)
◎後期センター利用:英+数(ⅠA・ⅡB)+理(化Ⅰ・生Ⅰ・物Ⅰから2科)+調査書 ⇒ 調査書占有率200/800(25%)

このように、大きく5種類ある入試形態のうちで調査書が得点化されるのは3種類もあり、調査書の呪縛から逃れられる入試形態が少ないことがわかります。大阪薬科大を目指す皆さんは、たとえ一般入試での受験を考えている場合であっても、学校の成績にも気を付けておくべきでしょう。

大阪薬科大③

今年度入試における裏データとしては次のようなものがありますので、このブログを見ている方だけにこっそりお教えいたします。

・公募推薦入試での合格者の評定平均最低値は「3.1」
・一般入試Ⅰでは3.0以上ないと合格は難しかった様子
・今年度入試におけるセンター利用型のラインは78%(昨年は73%)
・同後期センター利用型ではほぼ80%がライン(調査書部分を除く)

なお、来る2013年度入試における変更予定についても情報があります。今年度はセンター利用型における理科の選択は「高得点科目」とされていたところを、次年度入試では「第一解答科目」の指定に変わる予定とされているそうです。こちらも正式な内容については夏前に大学が発行される入試概要等で明らかになるでしょう。