変わる就活 理系女子とグローバル人材の確保を急ぐ企業②

2014年2月6日

昨年12月に解禁された2015年3月卒業予定の大学生と大学院生の就職活動ですが、年が変わり2014年1月下旬には、就職活動に関する報道が相次いでいます。

その中で、企業が求める人材像が変わってきていることを示す記事がいくつかありましたので、前回と今回の2回のエントリーに分けてご紹介しています。

特にこれから大学受験を迎える高校生に皆さんによく読んで頂き、近い将来訪れる就職の機会で、各企業から「欲しい」と思われる姿になるために必要なことなどを知っておいて欲しいです。

前回は、理系女子、略して「リケジョ」が渇望されているという話題をこちらのエントリー「変わる就活 理系女子とグローバル人材の確保を急ぐ企業①」でご紹介しました。

今回は、グローバル人材の確保に向けて、少し変わった合同企業説明会が行われている例をご紹介します。

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就活グローバル化で日本人学生はどうなる?
(2014年1月22日東洋経済ONLINE 一部抜粋)

日本国内の大学に留学している外国人留学生を対象とした就職イベント「JOB博」が、JR東京駅近くのパソナグループ本社で開催された。最近は留学生を対象にしたイベントが増えているが、パソナがこうしたイベントを開催するのは22回目となる。日本企業が外国人採用に熱心ではなかった1990年代初頭から、外国人留学生と日本企業のマッチングに力を入れている。

イベントの形式は基本的に普通の合同企業説明会と大きな違いはない。ただ、会場の受付にはパソナの外国人スタッフが多く配置されていた。普段は日本人が受付業務をしているので、明らかに雰囲気が違う。外国人留学生はさまざまな国から来ているので、「6カ国語対応が可能な態勢にした」(パソナ)とのこと。留学生は日本語が堪能だが、母国語が通じればより安心してイベントに臨むことができる。

日本企業がブースを設けて学生に説明するのは、普通の合同企業説明会と同じ形式。しかし、日本語に堪能なパソナの外国人スタッフが、会場内で留学生をサポートしていたのはこうしたイベントならではの光景だ。また、出展企業も自社の外国人社員を動員して留学生の勧誘を行っていた。

海外展開を拡大したい企業にとって、留学生は非常に重宝な存在だ。母国語と日本語ができるし、両方の国の文化や習慣を知っている。採用したのはいいが、日本の習慣や日本企業になじめず退職してしまうリスクが低い。

最近は、日本企業が海外の大学生を直接採用するケースが増えているが、ある出展企業の担当者は、「海外から直接採用した社員は、2~3年で辞めてしまうことが多い。うちとしては長く勤務してもらって、海外と日本の橋渡しとして活躍してほしい。言葉だけでなく、日本と海外の両方の事情を知っている留学生を採用したい」とのこと。

日本学生支援機構による直近の調査によると、2012年5月時点で、日本国内にいる外国人留学生の数は13万7756人。日本政府は2020年までに外国人留学生の数を30万人まで増やす計画だ。

今後、日本へやってくる外国人留学生は増加するだろう。そして、2020年といえば東京五輪の年。東京五輪で日本の魅力が世界に周知されれば、2020年以降も留学生数はさらに増えるに違いない。

「JOB博」のようなイベントが増えることと留学生の増加によって、日本企業に就職する外国人は増加するだろう。就活は国籍を問わないグローバルな競争となっていく。

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この記事のように、日本企業が日本人以外の学生も積極的に採用している例をよく聞きます。日本国内もそうですが、海外で学ぶ外国人学生の採用を検討する企業も増加傾向にあるようです。また、株式会社ディスコが行った企業調査によりますと、留学経験を持つ日本人学生を採用すると回答する企業数は毎年増加傾向にあるそうです。日本の学生だけではなく、海外で学んだ日本人留学生や日本で学ぶ外国人留学生にも企業が目を向けている、ということになります。

そういった企業が学生に求めている資質は、異文化を理解し国際社会で共存できる能力とバイタリティー、自立精神といった所だそうです。

これから大学を選ぶ高校生の皆さん。住み慣れた自宅と大学の往復で4年間の貴重な大学生活を終えてしまわず、短い期間でもいいので、海外を舞台に生活するようなことを一度考えてみませんか?グローバルな経験・視野は、就職活動もそうですが、その後の人生でもいろんなところで有利になることでしょう。