奈良大 社会調査学科を名称変更し「総合社会学科」が誕生

2014年6月17日

奈良大の高校・予備校対象説明会に行ってきました。

こちらの奈良大は、毎年欠かさず説明会のご案内を下さいます。ありがたいことです。

大学の概要についてです。

同大は文学部と社会学部からなる小規模大学で、現時点の学生数は約2500名となっています。

初年次教育からキャリア教育につなげる教養教育を展開する「教養部」を持つ、今や全国でも珍しい大学です。もうこの教養部を持つ大学は今ではほとんどないようです。

最新のトピックスとして、「日本考古学協会は蔵書約6万3千冊の寄贈先として奈良大を指名した」というものがあります。これにより、奈良大は歴史学・考古学・文化財研究の専門書において、量・質ともに例のない蔵書を持つ日本屈指の歴史・文化財情報の拠点となります。歴史・文化が大好きな学生さんにはたまらないことになりそうですね。

就職状況は以下の通りとなっています。昨年から就職率が好転しています。ただ、今年の全国平均(大学)就職率は94.4%なので、まだまだ就職率は低い方です。

今年 卒業生数485名 就職希望者数331名 就職者数262名 就職率79.2%
昨年 卒業生数535名 就職希望者数356名 就職者数264名 就職率74.1%

進路決定者の内訳は次の通りとなっています。

今年 企業78% 進学14% 公務員5% 教員3%
昨年 企業71% 進学16% 公務員6% 教員5%

タイトルにもあります、「総合社会学科の誕生」についてです。社会学部内に以前からある「社会調査学科」を名称変更する形で、「総合社会学科」が誕生することになっています。

現在、「総合社会」とつく学部・学科は(ここを除いて)近畿地区で3大学ありますが、そのうち難易度・人気とも近畿大がまさに「一人勝ち状態」となっています。その「併願先」として名乗りをあげた、そんな感じでしょうか。

また、「社会調査」という名称が受験生に認知されにくい、あるいは興味を引きにくかったのも事実なので、今回の学科名変更は「吉」と出る予感がします。

この学科では、実践的な学びと、さまざまな社会的活動を経験することで「問題発見・解決」型の実社会で真に役立つ力を養います。また、総合的に社会を学ぶため、以下4つのコースが設けられます。これにより、複雑化する現代社会を理解し、多様な視点で学べ、同時に興味ある分野を深めることが可能となっています。

・現代社会調査コース
・経済・経営コース
・デジタルアーカイブ応用コース
・国際文化コース

また、正課の授業内で就職に有利となる資格の取得を強力にサポートして下さるようです。

2015年度入試に向けた情報です。主な変更点は以下の通りです。

①公募推薦C方式において、従来の「公民・歴史領域」が「公民領域」「歴史領域」の2科目に分かれるなど試験科目が変わる
②国文学科でAO入試を開始

他の特徴点は次の通りです。

・推薦(A~C)及び一般(A~C)において、社会学部に限り「資格による加点」が設けられている。複数の資格及び得点保有者は希望する加点対象を1つだけ選んで申請する必要あり。
・一般入試に限り、文・社会両学部において同一学部内の他の学科を第二志望として志願出来る制度である「第二志望制度」がある。この第二志望制度においては、判定の際は当該学科の指定科目及び配点で行われる点注意が必要。
・センター利用型入試では、いわゆる「併用型」は一切設けておらず、センターの点のみで合否判定をする方式のみとなる(特に史と文化財の両学科の合格ラインとしては7割前後は必要になると思われます)。