京都産業大 2年連続志願者増で今春は大幅難化

2014年7月1日

京都産業大の高校・予備校対象説明会にお邪魔して参りました。

8学部19学科が一つのキャンパスに共存する京都産業大ですが、上の写真にもあります通り、2015年4月には文化学部に新学科「京都文化学科」が設置される予定となっています。これにより、8学部20学科体制となります。

文化学部に「京都文化学科」が新設されますと、既存の国際文化学科と合わせて2学科の構成となります。

その京都文化学科ですが、募集定員は京都文化コース約70名・京都文化英語コミュニケーションコース約30名の合計100名、と予定されています。

新学科設置の狙い・意図は「世界から注目されている日本文化の中で、特に京都の文化は多様かつ奥行きが深い。歴史学・文学・芸術学等を通して、フィールドワーク等を通して京都文化・日本文化の特色等を探究・解明し、世界と積極的に交流できる人材を育てる」もの。また、京都文化英語コミュニケーションコースでは、英語によるコミュニケーション力・プレゼンテーション力を多彩な英語カリキュラムで養成し、京都文化・日本文化を英語で発信できる人材を育成する、ということも既に決まっています。

取組内容としては、これまで同学科内にあった「日本文化コース」を発展させたものとして理解すればよろしいかと思います。

2つある学科の中でも特に面白いのは京都文化英語コミュニケーションコースで、同コースでは長期留学を必須とし、TOEFL(PBT)550点・TOEFL(iBT)80点・TOEIC730点・英検準1級などを卒業要件とされるそうです。

京都文化学科では中学社会、高校地歴の教員免許を2期生から取れるように申請を準備しているとのことです。また、中学・高校の英語についても「現在確認中」ということで、判明次第大学HPで情報を公開されるとのことでした。ご注意ください。

ちなみに、当ブログではすでにこの新学科についてこちらのエントリー「京都産業大 文化学部内に「京都文化学科」を新設」でご紹介をしています。合わせてご一読下さい。

また、文化学部ではこの新学科設置に加え、既存の国際文化学科も現在の地域別4コースから以下の分野別3コースに再編されることになっています。

歴史文化コース
思想文化コース
文学・芸術文化コース

文化学部単体の今春就職率は96.5%(大学全体は96.9%)で、今回の新学科設置によって今後さらに就職率を上げたい、と言われていたことも付け加えておきます。

2014年度入試結果についてです。

志願者・合格者・倍率は以下の通りです。週刊誌各誌において志願者の増加数・増加率とも全国トップ10入りであると報じられていた志願者数の増加は何と「2年連続」なのですが、反対に今春は合格者数は絞られており、大幅な倍率アップになっています。

2014年度 志願者数47,573名(前年より6,690名、16%の増加) 合格者数10,351名 4.6倍
2013年度 志願者数40,883名(前年より6,534名、19%の増加) 合格者数10,879名 3.8倍

入学者数は3,036名で、男子2,025名・女子1,011名と1/3を女子が占めています。なお、在学生12,843名中女子比率が高いのは、外国語学部57%・文化学部61%・総合生命科学部49%、だそうです。

さて、2年連続の人気増の要因として最も有力なのが「ネット割」で、昨年度に続いて浮いた出願料で追加出願した者が多かった様子です。過去2年のインターネット出願の割合は以下の通りとなっています。

2014年度 公募推薦83.7% 一般前期92.1% 一般中期(今年度新設)94.5% 一般後期 ネットのみ
2013年度 公募推薦69.6% 一般前期73.6% 一般後期74.8%

公募推薦において、筆記試験等では合格点に届いていないものの「資格・文化の評価による加点」で合格になった者が、今春は250名もいたそうです。資格等による加点、あなどれませんね。

一般前期において、「スタ3科不合格⇒高得点3科合格」「スタ2科不合格⇒高得点2科合格」となった者の数は以下の通りであるとご紹介頂きました。

スタ3科不合格⇒高得点3科合格 2014年度286名 2013年度312名
スタ2科不合格⇒高得点2科合格 2014年度70名 2013年度78名

また、センタープラスの合格者のうち、スタンダードで不合格もセプラスで合格となった者の数は以下の通りだったそうです。

2014年度 セプラス合格637名中、スタ3科不合格     ⇒セプラス合格195名
2013年度 セプラス合格756名中、スタ3科または2科不合格⇒セプラス合格170名

最後に、2015年度入試に向けた情報です。

今春の外国語学部での70名増に続き、来春は文化学部で定員が70名増え、総募集定員は2,900名になります。

2013年度入試より外国語学部のみ対象として新設された「英語1科目型入試」を、文化学部でも実施されることになりました。この英語1科目入試ですが、1限目の英語は一般前期と同一問題(マーク式)、2限目の英語は「社会科学・自然科学分野の英文を読ませた上で英語及び日本語で論述させる形式とし、入学後に必要とされる論理的思考力と高度な言語能力を確認する問題(記述式)」とされており、特に2限目の問題が難解なものになっています。しかも、この問題は赤本には未収録で、大学が夏ごろに発行する「一般入試問題集」でのみ公開されるそうですから、受験を考えている方は京都産業大から直接資料を取り寄せる様にしましょう。