武庫川女子大 公募推薦入試(前期)結果に見る動向

2014年12月3日

武庫川女子大のオープンキャンパスにお邪魔させていただきました。

公募推薦入試(前期)が11/8・9に実施され、結果が明らかとなっています。今回は、その公募推薦入試(前期)の動向を詳しくお伝えしますので、来る一般入試に向けて参考にしてもらえればと思います。

すでに終了している公募制推薦入試(前期)の結果は以下の通りです。全体的には、受験者数が12%減少しているのに対し合格者数は4%の減少に留められ、倍率としては昨年と比べて緩和されました。厳しい入試となった昨年度に比べて手ごろ感が出ています。

受験型 受験者数 合格者数 倍率
スタンダード型
受験者数 2,911名(2014年度3,234名、2013年度3,106名、2012年度2,705名)
合格者数 539名(2014年度555名、2013年度610名、2012年度573名)
倍率 5.4倍(2014年度5.8倍、2013年度5.1倍、2012年度4.7倍)

高得点科目重視型
受験者数 2,044名(2014年度2,407名、2013年度2,269名、2012年度1,836名)
合格者数 446名(2014年度469名、2013年度509名、2012年度472名)
倍率 4.6倍(2014年度5.1倍、2013年度4.5倍、2012年度3.9倍)

両方式合計
受験者数 4,955名(2014年度5,641名、2013年度5,375名、2012年度4,541名)
合格者数 985名(2014年度1,024名、2013年度1,119名、2012年度1,045名)
倍率 5.0倍(2014年度5.5倍、2013年度4.8倍、2012年度4.3倍)

スタンダード型と高得点科目重視型共に受験者数が減少しています。昨年は共に増加していました。方式別の状況は次の通りとなっています。

スタンダード型
受験者数昨年比90.0%(2013⇒2014 104.1%、2012⇒2013 114.8%)

高得点科目重視型
受験者数昨年比84.9%(2013⇒2014 106.1%、2012⇒2013 123.6%)

2012⇒2013⇒2014と2年続けて特に高得点科目重視型の増加が目立っていましたが、今年は反対に高得点科目重視型が大きく減少しています。

全体的な状況は以上の通りですが、ここからは学科ごとの状況をお伝えします。特に倍率が大きく下降しているのは次の学科・方式となっています。

①文学部 英語文化学科 スタンダード型(昨年4.5倍⇒今年3.5倍)
②同 高得点科目重視型(昨年3.8倍⇒2.4倍)
③文学部 教育学科 スタンダード型(昨年10.6倍⇒今年8.2倍)
④同 高得点科目重視型(昨年10.0倍⇒今年7.4倍)
⑤健康スポーツ科学部 健康スポーツ学科 スタンダード型(昨年6.6倍⇒今年4.6倍)
⑥同 高得点科目重視型(昨年5.4倍⇒今年4.2倍)
⑦生活環境学部 情報メディア学科 スタンダード型(昨年5.2倍⇒今年3.0倍)
⑧同 高得点科目重視型(昨年4.9倍⇒今年2.8倍)

英語文化学科と教育学科については受験者減にもかかわらず両方式で合格者数が増やされていることから、大きな倍率の下落となっています。

反対に倍率がアップした学科についてです。

薬学部ですが、学科別の受験者数を見てみますと、薬学科が昨年711名⇒今年595名、健康生命薬科学科が昨年80名⇒今年82名、学部トータルで昨年791名⇒今年677名と、受験者数が約15%の減少となっています。にもかかわらず、両学科・両方式とも倍率アップしています。その原因は、「合格者数の絞り込み」にあります。

また、文学部 心理・社会福祉学科も倍率を上昇させています。大学トータルとして志願者数が700名ほど減少している中、この学科に関しては2つの入試方式計で約22%の志願者数増となっており、倍率も両方式とも1倍上昇しています。

合格最低点(率)に関するお話です。

昨年度との比較において、合格最低点(率)の大きな変動はほとんどないようですが、一部では倍率が上がった学科でも合格ボーダー点が下がった学科もあったようです。以下は、スタンダード型の2日間の平均の得点率の昨年と今年の比較、倍率と合格ラインの関係について記したものです。「倍率が上がった=合格ラインが上がった」「倍率が下がった=合格ラインが下がった」と一概に言えないのが、入試の難しい所ですね。

食物栄養学科
合格ライン 昨年80.8%⇒今年74.4%(約―6%)
状況 倍率は昨年とほぼ同じも合格ラインは下がっている

心理・社会福祉学科
合格ライン 昨年62.9%⇒今年64.1%(約+1%)
状況 倍率が大きく上昇しているのに合格ラインはほぼ前年並み

薬学科
合格ライン 昨年69.8%⇒今年68.0%(約―2%)
状況 倍率が上がっているのに合格ラインは下がっている

情報メディア学科
合格ライン 昨年61.9%⇒今年60.7%(約―1%)
状況 倍率が大きく下がったのに合格ラインはほぼ前年並み

入試問題についてです。問題の難易度を「受験者平均点」という側面で昨年と比較すると、次のような結果になっています。

・数学(1)と国語(1)は昨年より平均点アップ
・英語と数学(2)は昨年と平均点はほぼ同じ
・化学と生物は昨年よりも平均点ダウン

最後に、この武庫川女子大を含む近畿地区女子大の公募制推薦入試時点の志願動向についてです。各大学の前年比は次のようになっています。

京都女子大 -0.2%(昨年-7.8%・一昨年+5.7%)
同志社女子大 -9.6%(昨年+0.7%・一昨年+17.6%)
武庫川女子大 -12.2%(昨年+4.9%・一昨年+18.1%)

いずれの大学も足踏みあるいは後退となった志願動向ですが、とりわけ武庫川女子大は他の2女子大よりも大きく志願者を減らし、2年続けての志願者数増から一転してしまっています。

武庫川女子大の公募制推薦入試(後期)は12/14に行われます。この回から、次年度より新設となる看護学部の入試も開始となります。出願締切は12/4木(消印有効)となっています。今回のこの情報を出願先検討に活かして下さい。