2月時点就職内定率 女子またまたアップ・理系ダウン!

2015年3月27日

文部科学省および厚生労働省はこの程、大学・短大等の就職内定状況を発表しました。今回のエントリーは、2月時点の大学卒業者の就職内定率データと状況をご紹介いたします。

下のグラフをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

今回発表されたのは2015年3月卒業予定で就職を希望している大学生の就職内定率です。

青色の折れ線グラフが示しておりますとおり、2015年2月1日現在での内定率は86.7%となっており、昨年同時期82.9%のから3.8ポイント増となり、谷底だった2011年度の77.4%から4年連続のポイントアップとなっています。

厚労省の推計値によると、大学の2014年3月新卒予定者数は56万人(14年56万3千人・13年55万5千人)。この内、今回のこの調査時点での大学就職希望者数は43万1千人(14年42万8千人)となっています。

この大学就職希望者数というのが、年間数回の調査を重ねる度に減っていくのが毎年の流れなのですが、その減り幅が3年前(2012年)を軸にして考えると、2013~2015年の3年間は過去に比べて若干緩やかになっています。以下、今年度数度に渡って調査された際の大学就職希望者数です。参考までに、過去3年分の値と比較しながら見てみましょう。

10月1日調査時点
15年44万4千人(14年44万1千人 13年42万5千人 12年42万5千人)

12月1日調査時点
15年43万8千人(14年43万3千人 13年42万3千人 12年41万6千人)

2月1日調査時点
15年43万1千人(14年42万8千人 13年41万7千人 12年40万6千人)

10月から2月の差
15年1万3千人(14年1万3千人 13年8千人 12年1万9千人)

10月から2月の間に実に約2万人も減っていた2012年度に比べ、2013年度は8千人、2014・2015年度とも1万3千人の減少に留まっています。3年前はまだまだ不況感が強いこともあって企業各社が新卒採用に積極的ではなく、新卒予定者の中で就職を諦めたり、大学院や専門学校などへ進学するなどの進路変更をした、という方が多く出ていた反面、2013年以降からは就職にまっすぐ向かった学生が多く出ていることが推測されます。

2008年以降は国公立大・私立大それぞれの内定率についても表示しています。国公立大89.3%(前年から4.4ポイント増)・私立大85.8%(同3.5ポイント増)となっています。国公立大の伸びが目立って見えますが、昨年は全体の内定率が上がっているにもかかわらず国公立大単体の内定率が下がっている(しかも2年連続)という「不可解」な状況になっていましたので、その分の反動もあるのかと思われます。

ここで、棒グラフでは現れていない国公立大・私立大、それぞれ男女別の就職内定率を見てみたいと思います。

国公立大
男子86.8%(14年82.8%・13年85.8%) 女子92.1%(14年87.2%・13年87.1%)

私立大
男子84.9%(14年82.1%・13年80.0%) 女子87.0%(14年82.5%・13年80.3%)

国公立・私立とも男女共に昨年から値を上げていますが、男子の上がり幅と女子のそれを比較すると、女子の方が上がり幅が大きくなっていることがわかります。ここ数年続いている「女子有利」の状況は変わらないどころかますます加速しているように思えます。

男子の厳しい就職状況について、数字をまとめておきたいと思います。以下の数値は、男子・女子に分けて集計した就職内定率状況です。

男子全体 85.3%(14年82.2%・13年81.3%・12年80.7%)
女子全体 88.3%(14年83.7%・13年82.0%・12年80.3%)

男子は昨年から3.1%の上昇であるのに対し、女子は4.6%もの上昇となり、男女差も昨年1.5%から今年は3.0%にまで開いています。

3年前の調査では男子の就職内定率が女子よりもかろうじて高かったのですが、3年連続で男子の伸び幅よりも女子の伸び幅が上回り、今年を含め3年続いて男子よりも女子の就職内定率が高く出ています。

年を追うごとに、女子の強さが光っていっています。

続いては文系・理系どちらが強いのか?についてです。今回はグラフでのご紹介はしていませんが、文系・理系別の就職内定率も明らかになっています。

文系 86.2%(14年81.2%・13年80.4%・12年79.4%)
理系 88.7%(14年90.7%・13年87.5%・12年85.6%)

2012年で約6%の差をつけて理系が有利だったところから続いて2014年まで理系が有利になっていましたが、今年はなんと文系が内定率を大きく上げたのに対して理系が内定率を下げているという、これまた分析に苦労する結果が出てきています。

ここ数年続いている「女子が強い」という傾向に変わりはありませんが、理系の内定率ダウンを受けて「文系と理系の差が縮まっている」とまとめられます。

 

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