長浜バイオ大 「バイオの総合大学」

2015年7月13日

長浜バイオ大の高校予備校対象説明会に行ってまいりました。

2003年開学で、今年13年目をお迎えになられています。設置者は、長きに渡って京都では3大予備校と肩を並べていた予備校である「関西文理学院」を運営している関西文理総合学園です(現在予備校はすべて閉校、校舎は大学の烏丸及び河原町キャンパスとして利用されている)。

日本初のバイオ・生物学系単科大学なのですが、大学は「バイオの総合大学」と名乗っておられます。学科は「バイオサイエンス学科」「アニマルバイオサイエンス学科」「コンピュータバイオサイエンス学科」の3つです。

新たな取り組みに果敢にチャレンジされるのがこの大学の大きな特徴です。開始されている新たな取り組みは次の通りです。

①臨床検査学プログラムを2015年度より開設
臨床検査技師養成のためだけではなく、バイオの技術と知識を身につけた技術者・研究者を育成する。入学時には3つどの学科で入学してもよいが、1年次の成績等によって希望者の上位30名程度を選定し、2年次以降でプログラムが開始となる。2年次に基礎的な技術とバイオの知識を修得し、3年次に臨床検査の実習と教育を実施。4年次には臨地実習の他、卒業研究、国家試験受験準備を進める。
⇒ 滋賀県内に臨床検査技師を育成する大学が無かったが、これで解消された

②技術士試験の受験資格が得られるJABEE認定制度
国際的に優れた技術者を育成するために設立された組織「JABEE」に認定されたカリキュラムを終了することで、国家資格である「技術士」の1次試験が免除となり、卒業時点で「修習技術者」になれる。さらに日本技術士会に申請登録すれば「技術士補」の資格が自動的に得られる。2014年度より開始している新カリキュラムからJABEEプログラムを開始しており、昨年度入学生が4年生終了時に同大の教育プログラムがJABEEとして相応しいかどうかの判断が出ることとなる。
⇒ このプログラムを修了した学生は、学士としてだけでなく国際的に見ても充分に高いレベルの技術と知識を修得した学生であることが認められることとなる

ただし、②については上述の通りプログラムはすでに走っていますが、まだ認定を受けたわけではないという点にご注意ください。

就職関連はどのようになっているでしょうか。

本年度の就職決定率は93.1%。2014年度91.3%・2013年度93.2%・2012年度92.0%・2011年度88.2%と推移していますが、最も就職率が高かった2007年度入学(2期)生の99.2%までにはまだ回復していません。

卒業生244名中、大学院へは今春56名(昨年45名・一昨年63名)が進学。うち圧倒的多数となる45名が長浜バイオ大の院へ進学(昨年は26/45名・一昨年45/63名)。長浜バイオ大以外で最も多い進学先は奈良先端科学技術大学院大ですが、ここ3年続けて京大院への進学者が出ているのも特筆点です。

2015年度入試結果です。

志願者数2,132名で、昨年2,704名から見ると前年比79%。一昨年が2,162名だったので、その水準に戻っています。一昨年は対前年比84%と激減していたので、大きな規模での揺れ戻しが毎年起こっていることになります。なお、実志願者数は昨年では前年比103%と横ばいでしたが、今年は前年比89%と不調に終わりました。

入学者における女子の占有率が26%。14年度32%・13年度28%・12年度26%から考えると大きな後退となっています。

併願私立大の順位は多い順に次の通りとなっているようです。

龍谷大(農) 近畿大(農) 中部大(応用生物) 近畿大(生物理工) 名城大(農)
京都学園大(バイオ環境) 京都産業大(総合生命科) 摂南大(理工)

大学設立当初「バイオ系」の学部・学科がほとんどなかったこともあって併願大・学部・学科を探すのに一苦労したものですが、その頃と比べて現在では「バイオ系」だけで充分併願パターンが組めるようになっています。

 

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