主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向②

2010年12月27日

主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向①」に続くエントリーとなります。主要私立大の公募推薦入試の結果から、「狙い目学部」や「要注意学部」をお伝えしているシリーズです。

2回目となる今回は、前回の摂南大のお話の続きから、となります。前回のエントリー「主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向①」をまだお読みでない方は、先にそちらをお読みください。

「摂南大の受験を考えている皆さんには、2012年春に新設される予定の看護学部が関係してくる話として、1点注意点がある」という話で前回は終わっていました。

一般的に、ある大学が新しい学部を作る予定としている場合、新しい学部が設置される予定のその前の年の入試では、入学者数が極端に多くならないように、出す合格通知の数を抑え気味にする傾向にあります。あまりに多くの入学者を迎えた場合、翌年に新しい学部を作る予定が「却下」されてしまうこともありえるからです。

看護学部を何としても設置したいでしょうから、摂南大は今年2011年度の入試では入学者が規定以上の数にならないよう、あまり多くの合格者を出さないでしょう。この点、摂南大受験予定の方は知っておいた上で併願作戦を立てるべきでしょう。

さて、話は変わって、京都産業大の状況についてご紹介しましょう。公募推薦入試終了時点の人気動向はどうなっているでしょうか。

人気があまりないのが法学部のようです。

法学部関連の話題としては、特に法科大学院についての「良くない話」を最近よく耳にします。そもそもの「合格率が低い」といった事実を発端に、「文部科学省は全国74校の統廃合を視野に、新年度入試の競争倍率が低い不人気校に対して助成金を大幅減額する予定」であるとか、「受験・入学者が少ない法科大学院が授業料の大幅減額をする」など・・・。

こういった法学部にまつわる良くない話が受験生の学部選びの際にも耳に入っているのでしょう。京都産業大だけでなく、あらゆる大学で今法学部の人気が低下しています。

話を戻しますと、京都産業大では特に法政策学科の人気が低くく狙い目となっています。昨年は約650名の受験者数だったのに対し、今年は430名程度となっています。昨年の受験者数の多さと、それによる倍率の高さが今年の受験生を遠ざけたものと思います。特に、基礎評価型の倍率は9.4倍ということでしたので、これを見た今年の受験生たちがびっくりして逃げていったのでしょう。

京都産業大と言えば、理学部の益川敏英教授が2008年にノーベル物理学賞を受賞されたことが記憶に新しいところです。その年の理学部 物理科学科の難易度・人気は飛躍的に上昇し、非常に高いレベルかつ狭き門の入試となりました。あれから2年たった今年の公募推薦入試では、そのノーベル賞以前の人気や難易度に戻ってきた様子が伺えます。

このシリーズの次回のエントリーでは、近畿大の志願動向についてご紹介したいと思います。