京都産業大 外国語学部は私立大最多の8言語専攻

2011年6月23日

京都産業大が高校・予備校対象に説明会を開催して下さいました。

文系学部5つ・理系学部3つの計8学部・21学科が1つのキャンパスに集結する「ワンキャンパス」であることが最大の特徴で、現在このキャンパスでは1万3000人の学生が学んでいるそうです。

京都産業大が最も注力されていることは「就職」です。「就業力をつける」ことを主眼にして1~4年で計画的なキャリア教育を行われています。また、キャリアセンターではプライバシーに配慮しつつ1学年約3000人全員の就職活動履歴をポートフォリオで把握されているそうで、就職支援は手厚いことがわかります。

その甲斐があって、今春の就職率は94.5%と私立大の就職状況が振るわない中で大健闘されています。

また、創設者・初代総長が天文学者だったこともあって2009年には天文台がキャンパス内に完成しています。これは近畿大の原子力研究所と並んで大変珍しい施設です。

たくさんある学部の中から、今回は外国語学部について詳しくご紹介を致します。

この外国語学部ですが、言語系の専攻では私大では最多タイとなる8専攻を擁しています。ちなみに、京都外国語大も日本語学科を含めて8学科、私立大外国語系では全国的に有名な上智大では6つとなっています。総合大学の中に外国語学部があることが珍しいのですが、そんな中で言語の充実ぶりも目を引きます。

また、これら言語系の学科や専攻と並行して3年前には国際関係学科が設置されています。

学部で開講されている授業の中には日本語学や日本語教授法といった日本語の指導者を目指す科目も多数用意されています。それほど志望者はいないようですが、海外で日本語を教えたいという方にもちゃんと対応出来る環境になっているので安心です。

そして、もう1つの特徴点としては「他学部と比べると教授を始めとする教員数が多い」というものが挙げられます。外国語の習得に際しては「出来るだけ少人数で指導を受ける方が良い」ことはこれをお読みの皆さんもよくお分かりのことと思います。京都産業大の外国語学部にはたくさんの教員が配置されていますから、手厚い指導となっていることが想像出来ます。

話は変わって、今年の入試結果について簡単にまとめます。志願者数・合格者数と昨年との増減・割合については以下の通りとなりました。

京都産業大 2011年度入試状況

昨年の2010年度入試では公募制推薦入試で約5%の志願者数が減ったものの、トータル志願者数は2009年と比べて2%ほど増え、合格者数に至っては約1割も増やされました。

今年2011年度入試は上の通りすべての入試方式において志願者数が減りました。その一方で合格者数は昨年とほぼ同数だされていることから、今年は昨年よりも合格しやすい年になったものと想像できます。

特に、センター利用型で昨年から10%ちょっとの志願者数の減少となっています。昨年よりも合格ラインが低くなっているでしょう。

では、2012年度入試情報です。主な変更点は次の通りです。

①センタープラスは最大5日間の出願が可能に。
②一般入試前期日程の「政治経済・現代社会」における解答方法が記述式からマーク式に変更。
③一般入試後期日程では試験会場に大津会場が追加。

出願の際に学科を選べない「学部一括募集」となっている学部は経営学部とコンピュータ理工学部で、反対に先に紹介した外国語学部は多数ある学科・専攻から1つを選ばなければいけない、という点が出願の際の注意点です。

入試区分別に特徴的な所を書き出してみたいと思います。まずは、公募制推薦入試における特徴点です。

①入試は3回実施(昨年と変更なし)。
②調査書を利用する「総合評価型」と試験のみで判定する「基礎評価型」の2種類から選べる。
③「総合評価型」では調査書が点数化されるが、「評定平均値の○倍」という単純な計算ではなく、いろいろ考慮して点数が決められる。
④同じく「総合評価型」においては「特定の分野に優れた者」として各種資格等で加点がされる。一番ハードルが低い資格は「クラブを2年以上していた者」が+2点で、昨年は1363名が適用された。

②は評定平均値を単純に得点化するものではないので少し腰が引けてしまいますが、どうやら点数を計算するときに評定と80点満点における得点の間に一定の相関関係がある様子です。

また、④についても少し補足しておきましょう。全ての資格等加点対象者(受験生)は昨年3494名、その中からの合格者は1472名だったようですが、その内234名(15.9%)がその加点が無ければ不合格になっていた、というデータを教えてもらいました。④にも書きましたとおり、クラブに2年以上いただけで2点もらえますから、「自分には何も点数にしてもらえる物なんて無い」と決めつけず、願書や入試要項をよく読みながら加点されるようなものを探してみましょう。

次は一般入試における特徴点です。

①一般前期日程では1回の受験で最大3回の合否判定が可能(センタープラスも含む)。
②スタンダード3科目型で上位3%に入ると2年間の学費が半額に。
③2科目でも受験可能。

公募推薦入試と一般入試では特に英語の問題量が異なるので注意が必要、というのが入試対策上のポイントになるでしょうか。

京都産業大は間もなく開学50周年をお迎えになられます。それに向けて、現在では特にソフト面である教学についての諸改革が進んでいるようです。いろいろな学部が1つのキャンパスに集まる、というメリットを活かした教育が行われている京都産業大の様子でした。