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開成教育グループ


一つだけのルール

2018 年 12 月 10 日

一気に季節が進みました。本当に寒くなってきましたが体調管理はしっかりされていますか?早いもので、2018年もあと数日で終わろうとしています。

公募推薦も終盤を迎え、年内に抑えられなかった人には焦りもあるかもしれません。今年の私大入試は、昨年以上に定員の厳格化が意識され、大学・学部によっては合格最低点が昨年より100点も上昇したところもあるそうです。気持ちを切り替えて一般入試に向けて準備していきましょう。センター試験受験者はあと1か月ほどになってきました。模試の結果が思い通りにならず色々とボヤキや嘆きが聞こえてきているのも事実です。

先日、定期テストの勉強をしていた高校1年生の女の子が、こんなことを言いにきました。「開成の自習室ってすごく集中できるねん。高校3年生が頑張っている姿を見たらつられてすごいやる気がでるねん。」受験生のやる気が下級生に波及していることは、とても喜ばしいことだと思います。

また、そんな高校3年生たちは不安がいっぱいで、「来週入試やねんけど、何をしたらよい?なんかすごく力がつく方法ない?」「あの大学もう一回受けるんやけど、なんか必勝法ないん?」という発言を耳にします。しかし本人たちも冷静になって客観的に考えれば、そんな方法はそうないことぐらい当然理解しています。学問に王道はなし、です。でもそれくらい冷静さを失い、不安になるのが大学受験というものなのです。それは決してあなただけではありません。自習室の隣の席に座っている友人もきっとそんな状態になることだってあるでしょう。

ですから、開成ハイスクール西田辺本部教室の自習室の入り口にはたった一つだけルールが書いてあります。

「他人の迷惑になる行為、一切許さない。」

自習室は、みんなが努力や希望に向けてかけがえのない時間を費やす場。お互いが緊張感をもって学習に取り組む環境を作り上げることがなにより重要です。西田辺教室では自習室でのルール作りにもみられるように、一人ひとりの目標を教員全員が心から全力で応援しています。

 

今年も一人でも多くの人が志望校に合格できますように・・・。

 

 

開成ハイスクール英語科 濱田 健太郎

大学受験とは、そして『その先』とは

2018 年 12 月 3 日

大学受験には人生を変える力がある。心からそう思います。

受験の本番が近づいている高3生の皆さんは日々、プレッシャーや勉強計画に追われて大変な思いをしているかもしれません。ですが、大学受験とは『志望校も』『学科も』『受けるか・受けないの判断も』全て自分自身で決めることができ、しかも本番の成績『のみ』で基本すべてが決まります。人生大逆転のチャンスにもなり、そして来年からの明るい4年間を自力で手に入れることができる、最大の機会でもあるのです。

どうか皆さん。悔いの残らない日々を。そして、その先にある成功と自己実現を、ぜひとも手にしてください。

今回は受験生の皆さんへのエールとなる言葉を添えて、締めとさせていただきます。

 

一方は「これで十分だ」と考えるが、

もう一方は「まだ足りないかもしれない」と考える。

そうした言わば紙一重の差が大きな成果の成果を生む。

松下幸之助

 

苦悩というものは、前進したいって思いがあって、

それを乗り越えられる可能性のある人にしか訪れない。

だから、苦悩とは、飛躍なんです。

イチロー

 

今日の成果は過去の努力の結果であり、未来はこれからの努力で決まる。

稲盛和夫

開成ハイスクール 兒玉 章比古

断念しない心

2018 年 11 月 19 日

先日、鬼籍に入られたノーベル化学賞受賞者、下村 脩名古屋大学特別教授。下村先生は有機化学・海洋生物学を専門とし、中でも生物発光研究の先駆者であり、第一人者でした。発光生物の一つ、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質の発見は、その後生命科学、医学研究用の重要な道具に発展していきました。下村先生は、発光生物の研究を五十年間もの間中断することなくずっと続けられ、それがノーベル化学賞受賞に結びつきました。

さらにもう一人、西澤 潤一東北大学名誉教授。専門は電子工学で、半導体・光通信の開発で独創的な業績を挙げ、半導体関連の特許を世界で最もたくさん保有している方でした。半導体研究の黎明期から従事し、数多くの成果を上げ、「ミスター半導体」とも呼ばれました。しかし、若い頃はその着想が先進的に過ぎて理解者に恵まれず、学会での同業研究者からの攻撃や研究資金獲得の困難に見舞われたそうです。それにもめげず、研究を続けすばらしい成果を残されました。

この二人に共通する点は、基礎研究を根気よく続け、自分の信念を貫き通したことです。どんなに苦労が多くてもあきらめずに最後までやり通したということです。皆さんの中にも入試間近の人、何か目標をもって努力している人が多々いると思います。時にはその努力が報われなかったり、なかなか思ったような成果がでなかったりすることもあるでしょう。しかし、その日まで粘り強くあきらめずに努力を続けてください。そうすれば、必ず何らかの大きな結果が返って来るものです。最後の最後まで決してあきらめずに頑張ってください。心より応援しています。

あきらめたら試合終了!

開成ハイスクール英語科 中田 恭治

行動力が備わっている人間

2018 年 11 月 12 日

前期期末試験が終わりました。
総合順位で学年1位だった生徒が鶴橋教室にはいます。
うれしい話ですが、今回はその生徒の話ではなく、
残念ながら、今回の試験で力を出し切れなかった生徒の話です。

彼は通塾に30分以上かかっている生徒。
今までほとんど自習室も利用せず、質問にも来ませんでした。
学校が終わって家に帰ると遅い時間です。
彼は野外球技をやっています。
正直、勉強には不利に思える生徒かもしれません。

しかし、試験後、彼は大きく変わりました。
学校の帰りに塾に寄って宿題を済ませ、
積極的に質問に来るようになりました。
個別フォローに呼ぶと、しっかり参加し勉強してくれます。
彼には「行動力」が備わっていました。

個別面談で彼の将来(大学・就職)を一緒に考えました。
彼には夢がありました。
その目標にむけて、今少しずつではありますが、
着実にステップをふんでいるところです。

どんな生徒であれ、頑張っているところをみると感動します。
彼が立派な社会人になれそうで楽しみです。

ブログを読む皆さんも、いつでも変われるチャンスと、変われる力を持っています。まずは行動を起こすこと。その一歩が自身の明日を明るくします。

開成ハイスクール 英語科 大道英毅

秋の桜

2018 年 11 月 5 日

高校3年生の皆さん。11月になりました。推薦入試も、本格化してきました。また、センター試験まであと10週間です。気合を入れ直して取り組んでおられることでしょう。

すっかり秋の気配になってきましたが、先月、季節外れの桜の開花のニュースを聞きました。秋の桜と言えば、「秋桜」という熟語。高校生の皆さん、ちゃんと読めますよね? そう、コスモスです。ちびまる子ちゃんの大好きな「モモエちゃん」の歌にも「秋桜」がありましたね。その中に出てくる「小春日和」が秋の日和だというのを、私はあの歌で初めて知りました。ところが、この秋の話題は、本物の桜が開花したということです。どうやら全国いろいろな所で見られていた現象らしく、9月の台風上陸の影響が大きいらしいですね。

 

今年は、台風や地震など、何かと自然災害が発生した夏だったと言えるのでしょうか。「自然の猛威」などとよく言われますが、考えてみたら、私たち人間だって〈自然〉の一部であるわけです。それなのに、人間は〈自然〉を手なずけ克服しようと試みてきました。あるいは支配し操作できると思いあがっていたのかもしれません。だから、〈自然〉が私たちに牙をむいてきたような思いになるのでしょうか。

 

皆さんの住んでおられる所では、大丈夫だったでしょうか。私は、9月の台風21号の時に、10時間以上の停電を経験しました。最初は、すぐに復旧するだろうと高をくくっていましたが、なかなか電気が点かず、結局、電気が回復したのは夜中でした。深夜まで復旧作業に携わっておられた方々に感謝するとともに、電気のありがたさが改めて感じられました。

それと同時に、別のことも考えさせられました。私たちの生活が、いかに不安定な世界に立脚しているのか、ということです。「電気があるのは当然」というのが単なる思い込みだったこと、そして、それを忘れていた自分自身の呑気さにも気付きました。

当然のように存在すると思っている前提そのものが、実は危うい存在なのだということを、日頃から意識しておく必要があります。

 

高校生の皆さん。「入試がやってくる」「勉強しなければ…」と焦る日々が続いている人もいるでしょうが、それが途切れることなく続いている日常こそ、本当は貴重なありがたい状況なのかもしれませんよ。

 

開成ハイスクール英語科 井上 敬友

新高3生対象 受験勉強ガイダンス開催

2018 年 10 月 29 日

開成ハイスクール各教室ではこの秋、現高校2年生を対象とした様々なイベントを実施しますが、私が管理するハイスクール草津駅前教室におきましては、生徒を対象とした『受験勉強ガイダンス』を今週末の11月3日(土)に開催します。

この『受験勉強ガイダンス』では、主に以下のテーマを説明します。
①現在の多様な入試制度の解説
②志望する大学に合わせた受験戦略を組み立てることの重要性
③受験勉強を早期にスタートさせることの意義
④開成ハイスクールにおける高3生指導の方針
また、当日は当教室に併設している開成教育グループ代ゼミサテライン予備校草津教室にて、代ゼミサテラインの体験会も予定しております。

毎年恒例にしているこのイベントですが、参加した生徒の多くがこの日を境に変わります。勉強に取り組む姿勢が一変し、自習室を利用して勉強する生徒や理解できない問題を質問にくる生徒、さらには進路を真剣に考える中でその相談にくる生徒が増えます。一年後に迫った受験がいよいよ現実味を帯びてきて、皆さんのやる気もアップし、『真の受験生』になるべく、その一歩を踏み出すのでしょう。

ちなみに今回、草津駅前教室で開催する『受験勉強ガイダンス』は、当教室にお通いでない一般生の方の参加も募集しております。開催時間は以下の通りとなります。

現高2理系生対象 19:00~21:00 /現高2文系生対象 20:00~22:00

当日、飛び込み参加でも構いません。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

さて、今回は草津駅前教室での『受験勉強ガイダンス』を取り上げましたが、もちろん開成ハイスクールの各教室にて進学ガイダンスも定期的に開催しております。今回、興味を持たれた方は最寄りの各ハイスクール教室までぜひお問い合わせください。
みなさんの志望校合格にむけて応援しています。

開成ハイスクール 草津駅前教室長 中澤 宏尚

秋の色彩

2018 年 10 月 22 日

天高く馬肥ゆる秋、高校生のみなさん、目標に向かい懸命に勉学に勤しんでいますでしょうか。今夏の猛威的な暑さとはうって変わり日々涼しくなり、学習に取り組みやすい季節となりました。

食欲の秋、読書の秋、芸術の秋。山並みの紅葉と青く澄み渡った青空。秋の景色は目の保養、心の安らぎにも良い影響を及ぼしてくれます。秋は、他の季節とは一味違った多様な色合の環境を私たちに与えてくれます。山々を美しく彩る紅葉の赤色は暖かな印象を我々に与えてくれますが、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンという物質が活躍しているのだそうです。

澄み切った空の青色は清々しい気持ちにさせてくれますが、こちらの方は、何が作用しているのでしょうか。調べてみますと、気圧と空気中の粒子などが関係しているようです。秋に発達する高気圧は大陸よりのものなので、水分が少なく空気が乾燥していることが色の発現に影響しているようです。太陽光は一般に空気中の粒子に当たると散乱しますが、粒子の大きさが光の波長より小さくなると、波長の短い青色の光が波長の長い赤色の光よりも多く散乱します。この季節の空高く青い空色は、レイリー散乱と言われる現象で、ほかの季節より空気中の水分子やチリ・ホコリが少ない分、青色の波長より1/10ほどの大きさである水素や窒素分子に太陽光線が当たり乱反射し、生じるのだそうです。空の青色が映えるのは、空気中の分子と光の乱舞の様相によるもののようです。秋の夜長に「へーそうなんだ」と一人納得し、わかることの喜びをまた一つ実感できました。

色彩は、人間の心理にも影響を及ぼしています。一説によれば赤色は、「交感神経」を刺激し、情熱・活力・エネルギーを醸し出し、やる気・元気・自信を取り戻したいときに有効となるのだそうです。青色は、「副交感神経」を刺激し、心身を落ち着かせ、集中力を助け頭脳労働に役立つ色なのだそうです。

身近な彩りを学習環境にうまく取り込んでみるのも良いのではないでしょうか。勉強の合間に時折、樹々の紅葉と秋空を眺め気分転換するとともに、勉学に向かう集中力にも役立て、さらなる高みに果敢にチャレンジしていってほしいと思います。

高校生の皆さんの成績向上と志望校合格に向けた努力の成果が実を結びますことを心より願っております。

 

開成ハイスクール数学科 大槻 隆史

「動的平衡」・・変化こそが生きていること

2018 年 10 月 15 日

生物学者の福岡伸一さん、生命とは”動的平衡状態”にあるものである。つまり、生命は見かけ上は平衡状態にあるようでいて、動いているのである、と。

「平衡」とは変化が起きているのだが見かけ上は変化が起きていないような状態を言います。例えば、私たちは生まれて以来、「自分」であることは変化していませんが、体は大きく変化しています。人間は約60兆もの細胞で形成されていますが、この体を構成する細胞は、毎日少しずつ変化しています、そして1年も経てばすべての細胞が入れ替わってしまうのです。それでも「自分であること」には変化は起きていません。決して別人になることはありません。つまり生物が生きていることとは、日々変化しながら自分であり続けるけることだというわけです。確かにこう言われると、子どものときの「自分」と比べて、今の「自分」は体の大きさも違い、面影はあるものの容姿も随分変わってしまっています、好きなもの、嫌いなものも違います。ピーマンやニンジンが食べられなかった子どもが、今はそれらが好きになっています。自分を知らない人から見れば全く別人になったかのような変化です。しかし、「自分であること」は一貫していて、何らの変化も起きてはいません。これが生きていることの本質であるというわけです。機械はその部品を全て違う部品に入れ替えると、違う機械になるかもしれませんが、生き物はその細胞が全て入れ替わっても同じままなのです。

これを逆に考えてみると、落ち込んだ「自分」がいるときには、落ち込んだ細胞が増えているだけ、それは変化します。明日のあなたは、同じあなたではあっても同時に、今日のあなたとは少し違うあなたになっているのです

高3生は、入試まであと4ヶ月ほど、この4ヶ月で急激に変化することでしょう。毎年、成績が急上昇する人を多く目にしています。「4ヶ月後のあなたは、決して今のあなたではない。」そのときまで、最後のひと踏ん張り。頑張りましょう。

 

開成ハイスクール英語科 松本 泰雄

直感と確率

2018 年 10 月 8 日

突然ですが、私は「超」がつくほどの晴れ男です。小さいころから大切なイベントで雨が降ったことはほとんどありません。周囲の人にそれを自慢げに話すも、たいていの場合反応はイマイチ。そんなのはあくまで偶然だよと。ふむ、偶然ですか。

偶然といえば、みなさんは「誕生日のパラドクス」というのをご存知ですか。この場合のパラドクスというのは「矛盾」というより「直感と結論が大きくかけ離れている」という意味で使われています。みなさんのクラスに同じ誕生日だという2人がいるでしょうか。およそ365日ある誕生日がピッタリ合うなんてことはそうはありません。もし、クラスに同じ誕生日の2人がいれば「すごい偶然だ」と思うことでしょう。しかし、理論上の確率はというと、誕生日が同じ2人がいるのは、例えば40人のクラスだと90%。23人以上で50%を超えます。直感と全然違うのです。

人は直感に囚われがちです。次に「モンティ・ホールの問題」というのをご存知ですか。目の前に3つのドアがあり、1つのドアの後ろには景品の新車が、残りの2つのドアの後ろにはハズレのヤギがいます。あなたはそのうち1つのドアを選びますが、そのドアを開ける前に私が残り2つのドアからハズレのドアを1つ開けます。そして、もう一度あなたに問います。「あなたは今選んだドアを開けますか。それとももう1つのドアに選びなおしますか」と。確率的には「選びなおす」が正解です。しかし、人はこの直感から逃れられず、多くの人が「そのまま最初に選んだドアを開ける」という行動に出ます。何度でもチャンスがあれば選びなおすこともできるでしょうが、一度しかチャンスがなければそれができないのが人というものです。選びなおして間違えるのが悔しいからです。最後に信じるべきはやはり自分なのでしょう。

直感は物事を決断するうえでとても大切な要素です。しかし、はずれてばかりの直感など信じることはできません。正解を繰り返すことでやっと信じることができるのです。いざというときの直感を信じるためには、練習段階でたくさんの正解を得る必要があります。

練習段階では「なんとなく」を捨て、より合理的に正解への確率の高い道を選ぶべきです。そうすることで失敗の中にもより多くの成功を体験することができます。そういう「経験に裏付けられた直感」は、「自信」を伴い「確信」へと変わります。私が自身を晴れ男だと思うのは、それを裏付けるだけの経験をしてきたからにほかなりません。こんなことでさえ、私に自信を与え、確信を持たせているのです。みなさんの努力による成功体験はきっとみなさんに大きな自信を与えることでしょう。そして、最後には「合格できるかも」の直感は確信に変わることでしょう。

 

木村智一郎

数学と科学・技術 その20

2018 年 10 月 1 日

みなさん、こんにちは。すっかり秋めいてきましたが、この夏は、台風が何度も来て大変でしたね。みなさん、大丈夫でしたでしょうか?日本は、大小さまざまな自然災害が起こるので、日々警戒心を忘れないようにしないといけませんね。災害の中に大雨があります。気象庁からよく「1時間に○○ミリ」という形で発表され、次のような解説がされています(一部抜粋)。

 

(ア)   1時間に 20ミリ以上…強い雨。どしゃ降り。

(イ)   1時間に 30ミリ以上…激しい雨。バケツをひっくり返したような雨。

(ウ)   1時間に 50ミリ以上…非常に激しい雨。滝のような雨。

(エ)   1時間に 80ミリ以上…猛烈な雨。息苦しくなるような圧迫感、恐怖を感じる雨

 

1時間に 80ミリ以上ともなると、恐怖を感じる猛烈な雨とのことですが、実際どれくらい雨が降るのでしょうか?経験してみないとわからない部分ももちろんありますが、災害が起こってからでは遅いので、ここで少し考えてみましょう。1時間に80ミリというのは、雨の中におおよそ直径20センチメートルの円筒状の容器を置けば、1時間で水深が 80ミリ、すなわち8センチメートルの深さになるということです。そこで、少し身近なもので8センチになるものを探してみました。すると私の場合、指を閉じた状態で小指と人差指の間の幅を図るとおよそ8センチになりました。女性の方の場合は、手はもう少し小さいかもしれませんが、1時間かけておよそ手の幅くらいの水が降ってくるのが、1時間に80ミリの猛烈な雨だということがわかります。ついでにその手の幅で、靴裏から足首までの高さを測ってみるとほぼ同じ長さになりましたので、雨のなか、靴がびしょ濡れになることも、うなづけることだと思います。けどこの程度だと「大したことないな」と感じる人もいるかもしれません。たった8センチですからね。そこで今度は、体積で考えてみましょう。まず、人間が立っている状態で使用する面積はどれくらいになるでしょう。大柄な人もいれば、小柄な人もいるので大小さまざまですが、消防法によれば、『立見席を 0.2平方メートルとする』という記述があるので、ここではそれを参考にします。ちなみに、0.2平方メートルはおよそ、1辺が 45センチメートルの正方形になります。さて、この0.2平方メートルに80ミリの雨が降るとはどういうことでしょう。単位計算が苦手な人もいるとは思いますが、次のようになります。

 

 

 

つまり、1Lのペットボトル16本分の水を頭の上からじゃぶじゃぶ浴びる量が、猛烈な雨ということになります。こう考えると非常に大変な雨だと感じられるでしょうか?さらに雨というのは1人の頭の上にだけ降るものではありません。他の人の頭の上にも降るわけです。立見席でいっぱいになっているコンサート会場で、全員がペットボトルの水16本分を頭から浴びる、そんな光景を想像すると、もうそこらじゅうが水浸しになることは、想像に難くないでしょう。さらに雨はコンサート会場の外、人がいないところ、地域全体に容赦なく降り、しかも降って終わりではなく、降った雨水は低いところに流れていくわけですから、これは、かなりの大災害になることも理解できると思います。

さて、今回は雨量について取り上げました。災害は全ての人に分け隔てなくやってきます。現在は様々な予報も発達してきていますが、最終的な判断は個人によらざるを得ないことは変わりありません。そして、判断するには知識が必要になります。自分の頭で判断できるよう、普段から頭を鍛えることを忘れないでください(自戒も込めて)。

開成ハイスクール数学科 村上 豊