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開成教育グループ


2011 年 7 月 25 日 のアーカイブ

「数学を暗記する」ということ

2011 年 7 月 25 日 月曜日

 みなさん、こんにちは。暑い夏がやってきました。今年の夏は、節電という掛け声の下、普段の生活をいろいろと見直す夏でもあります。この機会に、普段の勉強についても見つめ直してみませんか。
前回の私のブログでは、数学の勉強の仕方について書きましたが、これについては様々な意見があります。数学は「考える教科」だから、じっくり考えないといけない、といったものや、数学はパターンを暗記する「暗記教科」だという意見もあります。そこで今回は、「数学を暗記する」ということについて書いてみようと思います。
 人間は、歳とともに変化していきます。以前と同じままということは絶対にありません。暗記に関してもそうです。一般的には、歳を取るにつれて丸暗記が出来なくなっていくものです。しかしその一方で、暗記の質も変わっていくものです。
 小さい頃は、意味が分からなくても覚える暗記(いわゆる丸暗記)が、さほど困難ではありません。「じゅげむ、じゅげむ、~」などと覚えた人もいるでしょう。やがて成長するにつれ、いろいろな事柄を論理的につなげる、理解を伴う暗記に変わっていきます。そして、その変わり目が、高校生くらいの頃だと言われています。経験しないと分かりづらいかもしれませんが、この「理解を伴う暗記」は、喩えるなら、演技の台本を覚えるようなものです。台詞を覚えることは必要ですが、それだけでは演技はできません。ストーリーを知り、登場人物の気持ちを理解し、どう演じるべきかを知らないといけません。
 この、演技の台本を覚えるということを、数学に当てはめて見ましょう。台詞を覚えることは、公式を覚えることです。ただ、それ以上に必要なのは、解答に至る流れ・筋道を知ることです。台詞がストーリーの適切なところに配置されているように、公式は流れ・筋道の適切な位置にあります。そして、ストーリーが分かってないと、登場人物の気持ちが腑に落ちないように、問題の筋道がわからないと、その問題が宙に浮いたようになってしまいます。  
 どう演じるか、というのは、問題を実際に解いていく段階になります。演者が練習の成果を出すのがこの時であるように、数学の不断の努力の成果を出すのが、問題を解く時です。解いていく時の武器は、練習で培った論理的な推論能力です。演者が、ストーリーを知り、登場人物の気持ちを理解し、演じ方をすべて覚えて舞台に立つように、数学を解くには、問題の筋道を知り、問題内容を理解し、論理的に推論していく、という手順を覚えないといけません。難しいと感じるかもしれませんが、だれもが最初は大根役者であるように、度重なる練習をしないと、数学は上手にはなりません。放り出せば、そのチャンスは失われてしまいます。まずは公式の暗記から始めてみてください。そして、必要な手順を、一つ一つクリアしていってください。

数学科 村上 豊