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開成教育グループ


2017 年 2 月 13 日 のアーカイブ

高3生諸君へ ~全ては佳き日のために~

2017 年 2 月 13 日 月曜日

 国公立大学二次前期試験まであと10日余りとなった。受験生は記述力の養成に向けて日々最大限の努力をしていることであろう。毎年この時期「二次対策授業」を担当しているが、現役生のセンター後の力の伸びは瞠目すべきものがある。国語科の立場で申し上げれば、現代文・古文・漢文・小論文と入試科目は様々であるが、共通して言えるのは、答案作成の量に比例して、確実に記述力は向上するということである。過去問10年分位やるだけでも、非常に大きな成果を上げることが出来る。「入念に答案を書き上げる」練習を、入試直前までしっかりと続けてもらいたい。

 一方私大受験生は、一部の入試を除いてほぼ収束し、既に第1志望に合格した受験生もいるであろうし、また合格発表待ちの受験生も多いであろう。特に関関同立入試の発表を数日後に控え、関関同立受験生は、緊張の日々を過ごしているであろう。ここでは、万一第1志望大学に合格出来なかった場合について述べてみたい。

 毎年、私大一般前期入試で自分の行きたい大学に合格出来なかった例が存在する。その時「3月入試(後期入試)がまだある」という事実を決して忘れないで欲しい。確かに合格者定員も決して多くないので、非常に厳しい入試であることは間違いない。しかし、ここで再度目標を設定し、努力を続けられるかどうかが最も重要なのである。3月入試は、見方を変えれば、前期入試で合格出来なかった受験生同士の戦いに他ならない。当然のことながら前期入試で合格した生徒は3月入試を受験しない。こうした状況の中で、毎年3月入試で見事に合格を果たす受験生も存在するという厳然たる事実があるのである。

 後期入試は国公立大・私大を問わず己との戦いである。特に私大受験生は、周りが次々と合格を決める中で、閑散とした自習室でひたすら勉強を続けなくてはならない。友人たちの、卒業旅行や遊びの計画の話が飛び交う中で、「どうして自分だけが」というやるせない気分と戦いながら勉強を続けることは、非常に辛いことである。しかしそうした中でも気持ちを維持して目標に向かって邁進する受験生に合格がもたらされるのである。

 また国公立大学生も、2月25日(京都大学は2月26日も)の二次前期入試が終わると、どうしてもいったん気持ちがそこで切れてしまいがちである。しかし合格かどうかは、合格発表があるまでは最終的には分からない。発表後に勉強しても3月8日の中期入試、3月12日の後期入試までにはほとんど日がない。文系学部では小論文入試を課す大学も多いが、発表後に慌てて準備を始めても、経験上ほとんど間に合わない。
 
 かつて私の教え子が、前期入試の翌日である2月26日から後期小論文の過去問演習を毎日やり続け、E判定からの大逆転で神戸大学に合格した。毎日黙々と論文作成に取り組むその生徒の真摯な姿勢は本当に美しいと感じたし、実際高3の書く論文とは思えない程のきわめて質の高い答案を次々と作成していったのである。

 自分の運命を切り開くのは、最後は自分自身である。全ての受験生が、これまでの受験という厳しい試練を糧として、素晴らしき大学生活、素晴らしき人生を送られることを、切に願っている。

開成ハイスクール国語科 森脇 庸介