高校が言う「塾に通わなくても大丈夫です」の台詞は本当か
保護者面談をしていると、よく耳にする言葉がある。
また、高校の教師、特に私立高校の先生方と話をしているときによく聞く言葉がある。
いわく、「この学校の授業でやっていることをきちんとやれば、塾に通う必要はない」という台詞、あるいは、それと似た表現だ。
つまり、この学校に任せておけば、それに加えて塾に行く必要はないというのである。
この言葉をそのまま鵜呑みにして、塾に通わず、通わせず、その結果、成績不良の状態が続き、学習状況をさらに悪化させている生徒がいる。
ならば、「塾に通わなくてもよい」という台詞は間違っているのだろうか。
教師の台詞には間違いはない。
正確に言うと、半分正しい。
その教師や学校は、こう言っているのだ。
つまり、「我々が提供するものをきちんとすべてマスターすれば、他からそれに加えて別の新しい学習情報を入れる必要はないですよ」ということである。
例えば、「難関大学に進むために必要なものはすべて授業の中で提供する」とそう言っているのだ。
「学校で使っている教材は、難関大学受験用として必要十分なものであり、それにさらに加えて別の教材をする必要がない」「受験のために必要な受験指導は十分に授業で提供をしている」と、そう言っているのだ。
この台詞には、大きな但し書きが付いていると解さねばならない。
つまり、提供するものは十分だが、それを提供された側が提供されたものを十分にマスターしているか、身につけているかどうかということは別だということである。
与えられていることは十分かもしれないが、しかしそれを理解し身につけているかどうかは、生徒一人ひとりの責任に委ねられている。
「塾に通わなくても良い」という台詞は、そういうような前提で言われていることと認識すべきなのである。
そういう台詞で紹介されている学校の生徒の多くが、自分の力では消化しきれない理解が不十分な箇所を開成教育グループに通塾して習得しているのもまた事実なのである。
■たとえ学校が提供するものは十分であっても、それを提供された側がそれを十分にマスターしているか、身につけているかどうかは別問題