電子辞書の効用について
電子辞書をいまだに否定する教師がいるそうだ。
学校によっては、校内への持ち込みを禁止する高校もあるらしい。
電子辞書の使用に反対の論拠が、ある公立高校が、新入生に配った「学習の栞(しおり)」に書かれていた。
5年ほど前に、ある大阪トップテンの一つである某公立高校が新入生に配った冊子であったが、
いわく「紙の辞書を引くほうが勉強になる」そうだ。
単語を覚えるには、「苦労し、しんどい思いをしたほうが身に付く」のだとその栞を書いた先生は言う。
まるで、生徒たちは、英語以外の数学や物理や古文で、いささかも苦労をしていないかのような書き方だ。
英語の教師からの勝手な判断で、しなくてすむ余計な苦労をおわされた生徒たちにしてみれば、
そんな意見は、それこそ「しんどい」だけだ。
英語であれ数学であれ、どうも教師たちの中には、
生徒たちは、いくつも学ばなければならない多くの科目の中の一つとしてその教師の担当する科目を学んでいるのに、
まるで自分の担当している科目しか他に勉強するものがないかのような考えで指導をしている人がいるようだ。
生徒たちは、無限の時間を特定の科目に使えるわけではない。
限られた時間からやりくりして、その科目に勉強時間を充てていることを知らないかのように発言している先生がいる。
その高校の本音は、電子辞書を「高価な道具」と見て、生徒家庭の負担を慮って禁止しているのかもしれないが。
ただ、この高校の「学習の栞」の話にはオチがある。
「意味が一つしか出てこない」「後から見直すことができない」など。
これはいったい、いつの時代の電子辞書をイメージして記事を書いた教師は文句を付けているのだろうか。
どうやら、その栞を書かれた高校の教師は、全く違う昔の簡易辞書を現在の学習用「電子辞書」と勘違いしているようだ。
だいたい、あらゆる道具は進歩するものだ。
英語の単語や用例を調べるための道具が、紙の辞書から電子辞書になったからといって英語の勉強に悪影響が有るとは思えない。
電子辞書が登場し、ユーザーの支持を得ているのには、当然訳がある。
しかも、その進化は目をみはるばかりだ。
私は、数年前に電子辞書を使い始めて、その成長の早さと機能の素晴らしさに驚いた。
まず、軽いし、かさばらない。
かばんに入れた英和辞書はそれだけで、「筋トレ」である。
学校に辞書を持ってこない生徒や学校に辞書を置いたままにしている生徒もいるそうだが、
怠け者というより、単に「重いから嫌だ」という理由からなのかもしれない。
クラブで使う重い道具や楽器を肩に掛けて、手には教科書や辞書がぎっしり入ったカバンを持っての通学は想像しただけで大変だ。
私は、今、仕事のカバンには常に電子辞書を入れているが、
もし、紙の辞書ならば、かさばるし重いから持ち運びするようなことはしないと思う。
このメリットは大きく評価されるべきだ。
■電子辞書やスマホなどの文明の利器はどんどん使おう