難しい問題に出会ったら答を見てしまおう
難しい問題は、しばらく考えて分からないようであれば解説を見てしまおう。
そして、解説をしっかり覚えたら、今度は解説を見ないで、自分でその解答を完全に再現するようにするのだ。
答えや解説を見ることを「いけないこと」のように、誤解している人がいる。
答えを見ないで数学の問題を解くべき時期は、もちろんある。
しかし、「問いがあり、答えがあり、その二つをどのようにつないでいくのか」、それを学ぶことは、特にある学習テーマを学び始めた時期には、非常に重要な勉強だ。
そこを飛ばしてしまっては、自分で解法を考えるという、より高度なレベルの学習に進むことは難しい。
解答を再現するよい方法がある。
一人二役になって、一人の自分が、まだわかってないもう一人の自分に対して説明を加えるようなつもりで解答を書くのだ。
「なぜ、そこで補助線を引くのか」とか、「なぜ、ここでこの公式を使うのか」など、それを他人に教えてやるつもりで、ぶつぶつと口の中で説明しながら解くのだ。
これを仲の良いクラスメート相手にやるとより効果的だ。
ただ、なかなか、そういう理想的な相手はいないものだが。
キミたちの学校でも、授業中の先生の説明がよくわからないとき、授業後に数学の得意な友達に質問することがあるだろう。
その良くできる生徒だって、その問題を初めて見たときには、やはり分からなかったかもしれない。
しかし、先生の説明を聞いて納得し、それを質問に来た友達に、自分が理解した通りに再現して解説してくれているのだ。
その理屈は、ここで述べた、「解答を見て納得したら次はそれを見ないで再現する」という学習方法の理屈そのものなのだ。
塾や学校で講師や先生をしている人は、実は、ほとんどすべてこのパターンで、授業の予習をしている。
初見で、自分ができない問題であっても、授業で生徒に説明しなければならないことは、実は多々ある。そのとき、その講師は、解答を見て、どのようにして生徒にこの問題の説明をするかを考えるのだ。
その過程で、講師は、その問題に対する理解を非常に深めるのだ。
■人に教えることは、非常に効果的な学習法だ
フリーステップ香里園駅前教室チーフ 松本克彦