子どものやる気のなさを嘆く親は多い。
努力が足りない、忍耐が足りない、塾に通わせているのに思ように成績が伸びない。
子どもにやる気が見えないと、親は言う。
塾に通い始めてからひと月もたたないのに、成績が伸びないことを不満に思い、子どもに変化が見えない、やる気が見えないので塾をやめさせたいと言う親がいる。
また、○○高校の受験はもう無理だ、××中学はあきらめた、など、入塾して間がないのに早々に敗北宣言、あるいはあきらめ宣言をする親がいる。
そういえば、私の親がそうだった。
自分の中学時代、塾に通わせたが成績が上がらないと、ほんの2ヶ月ほどで塾を辞めさせられた。勉強が好きではなかった私には、親の早々のあきらめは渡りに船。言われるままにその塾を辞めた。
今、この塾という仕事をしていると、私の親と同じような反応をする親をたまに見かける。
そういう時、私はふと思うのである。
子どものやる気を嘆く前に、その親に本気で子どもを伸ばそうとする持続した「やる気」があるのかということだ。
勉強は、そんなに簡単に成果が出るものではない。
それなりに長い努力と忍耐が必要なのである。
それは成績を伸ばさなければならない子どもにとってのみ必要なものではなく、
実はそれを願う親にとっても必要なものなのである。
自分の子どものやる気を嘆く前に、そしてあまりに早い成果を望む前に、忍耐強く子どもの成績向上を粘り強く求めていくという、「親のやる気」というものを、親は自らに問い直してみる必要も時にはあるのではないだろうかと思っている。
■本気で子どもを伸ばそうとする持続した「やる気」がありますか?
フリーステップ香里園駅前教室チーフ 松本克彦