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開成教育グループ


アジサイ(紫陽花)あれこれ

6月の花といえば、思い浮かぶのは「紫陽花」でしょうか?アジサイ(紫陽花)は、英語でhydrangeaです。発音はちょっと難しく、カタカナ表記で「ハイドレインジァ」が近い発音になります。これは、ギリシア語の「ハイドロ:水」と「アンジェイオン:容器」が組み合わされて「水の器」と解釈されたのが由来のようです。雨の多い地方ではmillion dollar flowerと呼ぶ人もいるそうです。直訳すると 「1,000,000(100万)ドルの花」です。花びらがたくさんあるのでそれをお札に例えているのでしょうか。

万葉集に

「紫陽花の八重咲くごとくやつ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ」橘諸兄

(アジサイの花が幾重にもかさなりあって咲くように、いつまでも栄えて下さいよ。花を見るたびにあなたを懐かしく思いましょう。)とあるように、紫陽花は日本でも古くからなじみのあった花のようです。また、江戸時代に日本に来たドイツ人医師シーボルトは、日本の紫陽花を、恋人お滝の名から、「otakusa」と名付けヨーロッパに紹介し様々な品種改良を行って、現在の西洋紫陽花を作り出したともいわれています。

アジサイの花言葉は「移り気」これはもちろんアジサイの花の色が、青からピンクまで多彩に変化することに由来するのですが、その変化は、土の酸度(pH)による変化です。“同じ場所で育てているのに年々色が変わっている”、“同じ品種なのに場所によって色が違う”これは、土の酸度が影響して花色が変わっている証拠です。お店に並ぶアジサイの中で、『城ヶ崎』や『ダンスパーティー』など、同じ品種なのに店頭では青色とピンク色の2色が並んでいることがあります。これは生産農家さんが土を調節して、違う花色に仕立てているからなんです。土の酸度によって変えられるなら、私たちだってもっと美しい花色にできるハズ!と思いますよね?どんなメカニズムかと言うと、アジサイの花色は、アントシアニン系色素がはたらいて、青色やピンク色が発色します。青色は、土中のアルミニウムが吸収され、色素と結合して発色します。逆に、アルミニウムが吸収されないと、ピンク色が発色します。アルミニウムは酸性土壌でよく溶け、アルカリ土壌では溶けません。だから、土を酸性にすれば青花になり、中性~弱アルカリ性の土壌ではピンク花になるんです。また同じ株の中でも色が異なることがありますが、これは運ばれるアルミニウムの量が異なるためだと考えられています。

身の回りにありふれているものにも、実は科学的な事象が関わっていることもあります。皆さんにも、なぜ?どうして?をぜひ考えてみてください。

 

開成ハイスクール英語科 松本 泰雄


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