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開成教育グループ


高校での数学について

皆さん、こんにちは。また、高校1年生の皆さん、高校合格おめでとうございます。新学年になり、気分一新、抱負や様々な希望を胸に1日1日を過ごしていると思います。今回のブログでは、そんな皆さんに高校の数学へのアドバイスをしてみたいと思います。

さて、高校に入るとたくさんの人が、「数学が難しくなった」と言うようになります。そのために、多くの人が数学の勉強の仕方のアドバイスをしてくれています。「途切れず勉強し続けるのが大事」「習ったところはすぐに問題演習をして理解を固める」「間違ったところや迷ったところにはチェックを入れて復習できるようにする」等、それぞれもっともなアドバイスがあります。

ここでは、私がやってみて、今でもよかったと思うことを書いてみたいと思います。

 

いきなりですが、皆さん、「1mって何cm」でしょう?

「そんなのは100cmに決まっている!」ですね。受験を終えた皆さんには少し失礼な質問だったでしょうか?

では、少し質問を変えてみましょう。

今、皆さんの目に映っているもので、1mのものはどんな物がありますか?もしくは、「手で1mの幅を作ってください」と言われたら、「これだ」とか「これくらい」と具体的に示せるでしょうか?

恥ずかしながら、私は、受験勉強時代にさんざん「1m=100cm」という計算をしていたはずなのですが、この質問に対して、当時、自信をもって答えることができませんでした。勉強が単に紙の上の出来事=机上の空論だったのです。

同じような出来事として「目をつぶって、1分たったと思ったら手を挙げて!」というゲームをしたのですが、正しく手を挙げることができませんでした。「1分=60秒」だから、60を頭の中で数えたらいいだけのはずなのですけどね。

皆さん、受験の中で様々な問題を解くテクニックを覚えたと思います。私もそうでした。が、そこで学んだはずのことが実際に身についていないと感じられた出来事でした。

そこで皆さんへのアドバイスです。身近なものの「長さ」や「時間」、「重さ」を感覚的につかめるよういろいろなものを「測って」みてください。

そのための道具としては物差しや、ストップウォッチなどという大層なものはいりません。自分の手足を使うのがいいでしょう。皆さんは自分の靴のサイズを知っていると思います。それがわかれば自分の歩幅が靴何個分かがわかります。私の場合、靴のサイズが26cm、普通に一歩進むと、後ろのつま先から前のつま先まで、およそ靴2個分になります。すると、一歩が50cm強なので、二歩進めば1m強だとわかります。すると近くにある電柱まで、何歩くらいで進めるかを測ればその距離がわかります。

ついでに、それと目視での感覚を対応づけてみましょう。目で見た距離感が、数値でいうとだいたい何mくらいかがわかってきます。今の時代なら、スマホの距離測定アプリや、位置情報サービスを使えば、長さを客観的に測るのも可能です。その値と、自分の手足を使った感覚を比較してみてください。「長さ」というものが身近に感じられるでしょう。「少しずれた」とか「ほぼぴったり」とかを感覚的につかんでみてください。ついでに歩いた時間を測れば、自分の歩く速さがわかってきます。

 

新年度なので、まだ、通学途中に新しい路を見つけることもあるでしょう。歩く速さがわかり、見た目の距離がわかれば、どれくらいでその路を通り抜けることができるかがわかります。近道でしょうか、遠回りでしょうか?また、最近は地図情報サービスが発展していて、徒歩何分と表示されることがよくあります。

それと比べると、自分は速足なのでしょうか、ゆっくりタイプでしょうか?さまざまなものを測ってみることで、今まで算数・数学で学んできたことが、より生き生きと感じることができるようになるでしょう。この、生き生きと感じられるということが勉強では物凄く大切です。そして、こういう身近な感覚は、実は大学入試でも生きてきます。皆さんが受ける「大学入学共通テスト」では、身近な題材に関して数学を使って理解していく問題が出されることになっています。

例えば、階段の幅と、高さを調べて、高校で習う三角比を絡める問題などが例題として出されています。そんな問題を初めてみるよりは、身近に感覚としてとらえていれば、「ああ、あんな感じか」とわかって取り組みやすくなるでしょう。きっちり理解すれば、「角度」を「分度器」で測るものではなく、「長さ」から理解できるようになります。

高校数学は抽象的だといわれることもありますが、何事も身近な経験からの発展形です。より身近なものになるよう数学と取り組む幅を拡げてみてください。

 

開成ハイスクール数学科 村上豊


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