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開成教育グループ


英文解釈―和訳を徹底し「文構造」の分析力を養え。

 こんにちは。新年最初の私のブログ執筆、本来なら「明けまして…」と挨拶をするべきなのでしょうが、私は「おめでとう」という、この素晴らしい言葉を、受験生たちが志望校に合格したときまで取って置きたいので、いつもの挨拶で失礼させていただきます。
さて今回は、英語学習の応用的領域として必須の重要テーマ、「英文解釈」について述べてみたいと思います。お正月気分を払拭するに相応しいテーマでしょう。
英文は、単語の無秩序な集合体ではありません。文中において、各単語は必ず何らかの役割を帯び、また他の単語と結びついていくつかの意味のまとまりを構成しています。ところが、特に難解な英文になると、それが単なる単語の羅列に見えてしまうのは、文章を構成している各単語の働きと結びつき、つまり文の「構造」を意識していないからです。この「文構造」を分析し、把握していく作業こそ、英文解釈なのです。
①「文構造」の分析に必要な視点―その1
 英文は、基本的には文の主要素(SVOC)から成り立ちます。そして、この各要素に様々な形の修飾語句が付け加わり、文章は長く複雑になっていくのです。そこで、まずは文の主要素、とりわけS(主語)とV(動詞)を特定する作業を徹底してください。SVが発見できれば、文の大まかな構造を把握することができるからです。また、実際の英文では、文の主要素や修飾語句は、それぞれが複数の語から成り立っている場合が多く、これを見抜くためには「句」の知識が必要です。英文解釈の演習を始める前に、「句」の形と働きを確認しておいてください。
②「文構造」の分析に必要な視点―その2
 SVを主要素として成り立つ文は、他の文と「接続詞」によって結ばれ、その結果、文章は長く複雑な構造を持つようになります。この「複文構造」もまた、読解を難しくする要因の1つです。複文中に含まれる文(S+V)のうち、頭に接続詞がくっついているものを「従属節」、くっついていないものを「主節」と呼びますが、文全体の最も重要な意味を担うのは「主節」であり、文全体は訳せなくても、まず「主節」の箇所を特定し、そこだけ訳しても大意は把握できます。ですから、「接続詞」の働きや、「主節」と「従属節」を含む「複文構造」の理解は、英文解釈にとって不可欠です。文法の参考書などで完全にマスターしておいてください。
③英文解釈「和訳」のすすめ
 大学入試の長文読解問題は、内容一致問題(選択肢の中から本文の内容と一致するものを選ぶ問題)や空所補充といった、様々な形式の設問から成り立っています。それぞれの出題形式には(特に内容一致問題には)幾つかの解法のテクニックというものがあり、それらはいずれも得点に結びつく重要なものなのですが、基本はやはり読解にあり、正確に読めればどんな設問に対しても確実に正答できるはずです。ですから当面は、読解力そのものを身につけていくべきであり、問題集を選ぶ際も、最初は設問がついているものではなく、できれば全訳するようなものが望ましいでしょう(もちろん、自分の力に合ったものを選んでください)。下線部だけを和訳させるようなテキストもありますが、そうしたものを用いる場合も、ぜひ全訳にチャレンジしてみてください。
 また、訳を行なう場合は、実際に日本語訳を書いてください。頭の中だけで訳すと、曖昧なフィーリングで読解を進めていってしまい、文構造を分析する視点が養われません。構造を意識しないで英文を読んでも、読解力は決して伸びないのです。ところが、訳を書くとなると「ごまかし」がきかなくなり、どうしても構造を意識せざるを得ません。始めのうちは時間もかかり困難な作業となるでしょうが、英文解釈の最初の段階は、この和訳のトレーニングを徹底的に行なってください。


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