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開成教育グループ


‘ブログ’ カテゴリーのアーカイブ

成功は成功のもと

2011 年 10 月 24 日 月曜日

 こんにちは。
 「失敗は成功のもと」この格言が真理であることは、疑う余地もありません。「失敗を反省し、それを反転させ、次なる行動に反映させることによって、自らに成功をもたらす。そうすることで、失敗はむしろ「よい経験」として活かされる。」かの発明王エジソンが電球のフィラメントに用いる素材を模索した過程は、まさにその好例としてあまりにも有名ですね。
 ところで、先の格言に加え、「成功は成功のもと」これもまた真なりや、と私は思うのです。自らの成功体験を改めて客観的に吟味し、その原理なり法則なりを抽出し、それを意識的に実践することで、自分なりの「成功パターン」を確立していく。こうした視点も、一つことに取り組み、成就する過程において、欠くことのできないものでしょう。
 私は、テスト結果を受けての生徒面談の際に、ある科目で大きく点数を伸ばした生徒に対し、この「成功のもと」を必ず聞くようにしています。「何を、どのように勉強したの?」「どれくらい取り組んだの?」このように尋ねられ、生徒はその勉強の仕方を客観的に認識し、「成功パターン」として次なる取り組みの指針としていきます。その生徒にとって、これほど適した勉強法はないでしょう。すでに自ら実証済みなのですから。
 同じ過ちは繰り返すべきではありませんが、同じ成功は繰り返すべきでしょう。特に勉強に関しては、反省のみならず、成功事例の中にも、宝物が豊富に埋まっているのです。

具体的事例から法則性を見出し、それを新たな局面に対処する術とする―これはまさに「科学」の根本ですね。

開成ハイスクールのテキストについて

2011 年 10 月 17 日 月曜日

 今回は、塾の先生の仕事の中で、普段見えない部分である「テキストの作成」について書いてみようと思います。みなさんにとっては、塾に来たらテキストは当然あるものですが、そのテキストは、いったい「どうやってできている」のでしょうか。

 塾のテキストを作成する場合には、まずは「何を教えたいのか」という大きな目標を作ります。そして、その目標を具体化したカリキュラムを作成します。それからいよいよ、テキストの作成です。テキストには多くの問題が収録されていますが、1問1問を各先生が吟味し、チェックして問題を作成していきます。テキストの内容がすべて決定すると、表紙をデザインし、印刷をして完成です。

 テキスト作成で一番やりがいがあるのは、問題の作成です。「どういった問題を作れば、効率よく学習が進むか」「入試で最も出題されている問題は何か?」といったことを考えて問題を作っていきます。生徒たちが日々解いている問題は、作成に携わった先生たちの思いがこめられた、選りすぐりの問題ばかりです。塾のテキストの問題を解く際には、「誰がこの問題を作ったのかなぁ」なんて思いながら解いてみてください。案外、目の前にいる先生が作った問題かもしれないですよ。

開成ハイスクール 前田佳邦

定期テストの勉強法「あなたはどっち?」

2011 年 10 月 11 日 火曜日

 こんにちは。
今回はまず、定期テストに向けての2つの勉強の仕方を比較してみましょう。

①普段は余り勉強せず、テスト前に出そうな問題の解き方を覚える。
②日頃から予習復習をし、宿題も自分の力でする。

 ①の生徒と②の生徒で、定期テストの結果にあまり大差がないとき、①の方が「要領がいい」とされることがあるかもしれません。しかし、表面上はそう見えても、①は「最も要領の悪い」勉強法なのです。

 どちらの勉強法でも、テストから半年ほど経つと、その内容は頭から抜けていってしまうかもしれません。しかし、特に数学など、各単元の関連性が強い科目では、その内容が後で何度も必要になってきます。ここで、①の勉強法をしていた場合は、その内容を最初から理解し直さなければならないのに対し、②の場合は、復習にそれほど時間を要さないはずです。ここで生じた差は、後へ進むほどますます大きくなり、一朝一夕には埋めることができなくなります。
数学などでは「問題を数多く解け」と言われますが、これは、解法・公式を暗記するためではなく、理解・暗記した解法・公式を自分で繰り返し使うことにより、いつでも使えるものとして定着させるためです。それにはやはり、②の勉強法が求められます。
 
 以下で、②の勉強に付随する必要な事柄を、数学になぞらえて述べていきます。

学校の授業では
 授業で先生が板書する内容は、公式や例題の解答に関しては、教科書・問題集の解答とあまり変わらないことが多いものです。ただし、板書とともに、その先生なりの言葉で、その先生なりの説明がなされているでしょう。大切なのは、その説明です。自分ひとりで教科書を読んでもわからないことが、その説明を聞くとわかることもあると思います。板書が教科書と同じなら、写す必要はありません。その分、先生の説明をよく聞いてください。そして、教科書に書いていない説明の部分を、教科書に書き込んでいきます。教科書と同じことが書かれたノートを作るために、大切な説明を聞き逃してしまうのは、余りにも「もったいない」話です。

家での勉強では
 授業を受けて「内容を理解する」ことと、「点数力を身につける」ことは、まったくの別物と認識してください。テストで問われるのは「理解したか」ではなく「解けるか」なのです。つまり「復習」とは、授業のノートや教科書を見て「わかった」と思うことではなく、授業を受けてわかった(はずの)問題を「実際に解く」ことです。
 もちろん、解けない問題も出てくるでしょう。しばらく考えて、なお解けなければ、解説を見ても構いません(その問題には必ず印をつけておくこと)。その解説を見てわかれば、解説を閉じて自分でもう一度最初から解いてみてください。また、なぜそうなるのかわからない、納得がいかないときは、遠慮せずに先生に質問しましょう。

塾講師としての充足感

2011 年 10 月 3 日 月曜日

Hello, everyone! I’m Takanari Tsuru. I teach English at Kaisei High School.
Today, let me introduce a student to you. He is so cool that you will surely like him.

 今回は、夏期講習会から入塾したT君という生徒を紹介したいと思います。
 T君は高2生なのですが、英語が苦手で高1の内容も十分に理解していませんでした。夏が終われば高2も後半にさしかかることになり、T君自身も危機感を感じていましたが、イマイチ勉強に対してやる気が起こらない様子でした。私はそんなT君と1対1で話をし、まずは高1の内容を最初からやり直していくことにしました。毎週課題を与え、励まし、だんだんT君も勉強に一生懸命取り組んでくれるようになりました。だからといって、すぐに成績が上がるようなことはありませんが、確実に彼は変わったのです。何も言わなくても自習室に来るようになり、自ら課題を求めるようになりました。オープンキャンパスにも足を運び、志望大学を口にするようにもなりました。そんな彼の、ひたむきに努力する姿を見ていると、私もとても励まされます。最初はT君を励ましていた私ですが、今では彼の姿に引っ張られている自分がいます。彼は私の期待にこたえてくれます。だから、私も彼の期待にこたえようと努力することができるのです。
 T君は必ず志望校に合格するでしょう。今の彼には目標があり、それを達成するために行動することができているからです。

開成ハイスクール英語科 津留天然

実りの秋

2011 年 9 月 26 日 月曜日

 みなさん、こんにちは。夏が終わり、秋がやってきました。まだまだ暑い日もありますが、周りの風景が次第に秋へと変わっていくことでしょう。
 秋といえば、皆さんはどんな印象を持つでしょう。「芸術の秋」「読書の秋」「食欲の秋」などいろいろありますが、最近、私は「実りの秋」が気に入っています。夏の間に成長した穀物が、いよいよ刈り入れの時期を迎えます。しかし、秋は収穫の時期である一方、台風の季節でもあります。「天高く馬肥ゆる秋」という故事があります。日本では、秋の豊かさを表す意味で使われますが、中国では、収穫した穀物を強奪しにくる異民族に気をつけよ、という意味を持っているそうです。日本はあまり外部からの侵入のない国であったため、一見違う意味になっていますが、その日本でも、台風のような自然からの脅威にさらされます。収穫をし、豊かさを手に入れる「実りの秋」といっても、外部からの侵入があったり、台風の被害を受けたり、様々な紆余曲折、困難を経て、実りは自分たちのものとなるのではないでしょうか。そして、そのような困難を乗り越えて実りを手に入れるからこそ、収穫の時期は楽しみがあり、喜びの時となっていると言えます。
 学ぶことも、収穫と同じ面があります。ようやく夏が過ぎました。皆さんは時間をどのように使ってきたでしょう。多くのことを吸収し、収穫という成果へと結びつけていくのが、今のこの秋という期間です。もちろん、まだ完全に実って熟しているわけではありません。困難に遭ってめげてしまいそうになることもあるでしょう。しかし、努力し吸収しようとした人には、その人の中に、確実に実りの根が息づいています。冬の受験という季節には、その根が確実に生きるように、この秋を利用し、自分自身をより豊かなものにしてください。

数学科 村上 豊

ダニューブ・エクスプレス(その 4)

2011 年 9 月 20 日 火曜日

前回5月16日からの続きです)

ダニューブ・エクスプレスの3日目の朝はルーマニア国内を走ります。日本の旅行会社がくれた行程表では、この3日目の午後にはトルコ、イスタンブルまで到着予定でしたが、どう考えても、「ソ連国際列車時刻表」(英語版)が言うようにあと1日かかる方が正しいに決まってます。それによるとルーマニアを通過するのは約13時間です。モスクワからソ連・ルーマニア国境まで約25時間かかったことを思うとソ連という国がいかに広大なのかがうかがえます。
 同室のイラク人留学生たちはまだ寝ていました。彼らにいつもご馳走になるのは悪いと思い、ソ連持ち出し禁止のはずのルーブル紙幣がまだ少し残っているのを思い出し、私は一両後ろにある食堂車へと向かいました。シベリア鉄道のように長い車両に乗っていると、人の波をかきわけて、狭い通路を食堂車までたどり着くだけで小旅行。そこまで行くことを考えるだけでも億劫なこともあり、また、国際列車は列車の切り離しと連結が頻繁に行われるので、いつどこで列車が停車し、自分がいるべき車両が切り離されるかもわかりません。その点、食堂車がすぐに移動できる隣の車両というのはありがたいものです。
 数十秒後、私が知ったのは、自分の乗っている車両が、現時点で最後尾になっているという事実でした。私の乗っている車両の後ろにあったはずの食堂車は跡形もなく消えていました。帰国してから持ち帰った「ソ連国際列車時刻表」(英語版)を見ていて知ったのは、食堂車が連結されるのはどうやらソ連国内のみであり、ソ連を出国すると切り離されてしまうということでした。だから、事情を知る乗客は、みな食料持参で乗車するのでした。
 事情を知らない旅行者である私としては、どうしたものか考えました。一応、モスクワのホテルで出発直前にホテルのバイキングで、万一に備えて1日ぐらいは持つかという食料を確保していました。それが半分ぐらいはまだ残っていました。車掌に言えばサモワールで作った驚異的に熱いロシアンティーはいくらでも飲めるはずです。ということで、食料についての目途をつけて、コンパートメントへ戻ると、ルームメイトたちは起きだして朝食を始めようとしていました。そして、私の顔を見ると「どこへ行っていたのだ?早く食べろ」と言います。ということで、彼らのおかげで何とか空腹はしのげたのでした。本当に今でも思い出すたびにありがたく思います。
 そうこうしているうちに、ルーマニアの首都ブクレシュティに到着します。日本ではブカレストと呼ばれることが多いこの街ですが、この日はどんよりと曇った薄暗い日であったという記憶しかありません。ソ連以下社会主義陣営の諸国から多数のボイコットが出た1984年のロサンジェルス・オリンピックに東ヨーロッパ諸国の中で唯一参加するなど、社会主義陣営に属しつつもそのリーダーであるソ連からは距離を置き独自の路線を歩んでいることが、資本主義諸国から評価されていた国でしたので、私にはルーマニアは比較的抑圧されていない国だというイメージがありました。ただ、天候で感じたことなのかも知れませんが、それにしてもブクレシュティの街そのものも何かどんよりしていた印象を受けました。国内に滞在したのはわずか13時間、さらにそれは列車での旅、首都の停車時間もわずか15分でしたが、入国時のビザに対する甘さに反して、その後の荷物のチェックの意外な厳しさを含めて、何となく重苦しい空気を感じた国でした。現実に、当時のルーマニア国内の抑圧が周知されるようになるのは、私が国内を通過してから1年9カ月後の1989年末、ルーマニア革命が起こり、チャウシェスク大統領夫妻が処刑されてからのことになりますが…。
 ブクレシュティを出発してから1時間ほどでルーマニアを出国します。出国時はソ連とは異なり、パスポートのビザを確認するだけで出国スタンプが押されました。荷物のチェックは一切ありません。ただし、ロシア人の車掌だけはものすごくピリピリしていたことを覚えています。まだ国境で列車が停車する前ですら、トイレに行こうとすると「動くな」といって押さえつけられるほどでした。
 ルーマニアを出国すると国境を越えます。ルーマニアとブルガリアの国境は、この列車のネーミングの由来であるダニューブ川、すなわちドナウ川です。ドナウ川といえば、ヨハン・シュトラウスのワルツ『美しく青きドナウ』が有名です。列車名になるくらいです。私もドナウ川がどれくらい青いのかと期待していました。列車は鉄橋をゆっくりゆっくりと渡っていきます。そしてその本流はと言うと…。
雪解けの季節だったからかもしれません。ウィーンよりはるか下流で期待する方が愚かだと言われるかもしれません。そのことを割引いても…。それは何ともどす黒い激しい流れでした。当時の私は季節についてはあまり考えが及ばず、工業排水のせいだと思っていました。当時のソ連、東欧の工業化はすさまじく、さらに今とは違って環境にまるで優しくない工業化に加えて、自動車の排気ガスの規制など無いような状態でしたから、ソ連国内の都市の空気は3日市内を歩くだけで喉がやられるほどのひどいものでした(乾燥していたせいもありますが)。だから、ドナウのどす黒い水もそのせいかと思ったわけでした。ただただ、期待外れでありました。
 ドナウ川の対岸はブルガリアの都市、ルーセです。ビザについてはうるさいブルガリアです(実情が思った以上に厳しいことを知ったのはトルコに到着した後ですが)。しかし、意外とあっさり審査は終了しました。その後、ルーマニア入国時と同様、大きなオバちゃんがやってきました。また、ベッドに座って荷物検査か?今度こそベッドが潰れたら…などと思っていると、どこかの国の仏頂面のオバちゃんとは違ってにっこりとほほ笑み、私に対して一言 “Do you have Bulgarian money?”と尋ねただけでした。“No.” の一言で私は解放されました。意外とぬるい雰囲気です。ソ連からルーマニアへの越境は深夜だったのに対して、今度の越境は昼間だったからかもしれません。ということで、食糧危機を乗り越えた私は、何事もなくルーマニアを離れ3つ目の国ブルガリアへ入ります。

片岡尚樹

今できることをやろう

2011 年 9 月 12 日 月曜日

 皆さんこんにちは。夏休みも終わり、今は学校の定期考査や夏休みの課題考査に追われている頃でしょうが、日常生活も本調子に戻ってきたでしょうか。
 現役高校生が成績を落としやすい危険な時期が、実はこの「夏休み明け」であることを意識せずに過ごし、後悔をしている人が毎年少なからずいます。
 とかく学習に対するモチベーション管理が大変なこの時期ですが、開成ハイスクール各教室の先生方が、受験に向けた過程の中での、この時期の重要性を語ってくれています。2学期の授業も頑張っていきましょう!

 さて、私はお盆休みに、開成ハイスクール草津駅前教室・西田辺教室の高3生たちの合格祈願に、福岡県太宰府市の「太宰府天満宮」に行ってきました。
 「他力本願」といわれるかもしれませんが、自分自身が今できることを精一杯やりきったら、あとは運を天に祈るしかありません。何よりも自分が「よく頑張ったな!」と自分を褒めてあげられるような生活を、高3生諸君には送って欲しいと思います。
 高1・2生のみなさんも、他人ごとと考えていてはいけません。高校生活は楽しく充実している分、時が過ぎるのもとても速いものです。それに対して、学習量は膨大ですから、高3から受験勉強を始めたのでは確実に手遅れになります。
 草津駅前教室では、高2生が早期からの受験対策として「代ゼミサテライン」の受講を徐々に始めています。開成ハイスクールで受講している英語や数学に加え、理系であれば理科科目、文系であれば古文や歴史科目は、早期から対策を始めると高3になってからの負担が大幅に軽減されます。
 受験に向けてやるべきことの総量が同じだとすれば、それを1年でするのと、2~3年かけてするのとでは、1日あたりの負担に大きな差が生じるのは言うまでもありません。効率の良い勉強をして、余った時間を使って更なるパワーアップを図れば、志望校合格に向けて、ライバルたちを大きくリードすることができます。
 とにかく「今、自分にできることは何か?」を常に自問自答し、それを実行する地道な努力を続けてくださいね。

 

草津駅前教室

夏休みを振り返って

2011 年 9 月 5 日 月曜日

 もう9月になりましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。最近は、8月中に新学期が始まる学校も多いようで、夏期講習の授業が新学期に食い込んで実施されている教室もあります。夏休み開始当初は閑散としていた自習室が、この時期混雑しているのを見かけると、なんだか複雑な気持ちになります。みんな必死になって宿題を仕上げにかかっている姿を目にするからです。

 中学生の頃は、絶対に期日までに提出しないと内申点に影響するという思いからか、新学期が始まってから夏休みの宿題と向き合っているということはなかったと思います。

 高校生になった皆さんはどうでしょう。確かに、指定校推薦を意識しない生徒にとってみれば、「評定平均値」を上げることは、実質的にあまり意味をなさないのかもしれません。しかし、「通知表なんて関係ないから、宿題なんかやらなくていいんだ」と考えているとしたら、それこそ大間違いです。そもそも不要な宿題なら、学校の先生も皆さんには課さないはずです。少なくとも塾に通っている皆さんは、大学進学を希望しているはずです。大学入試に必要な知識を身につけるために日々頑張っているはずです。ですから、宿題を無視するということは、皆さんの目標に向かうことと逆行する行為になるのです。

 ところで、ほとんどの高校では、1年生は夏休み明けに文系・理系の選択を迫られます。模試でも志望校判定を出すために、大学・学部の選択が求められます。その際に、必ず志望校の過去数年の倍率を見て下さい。皆さんが今春、苦労して突破してきた高校入試の倍率と比べると、とんでもなく信じられない数値が並んでいるはずです。それだけ、大学入試は大変だということです。

 1年生も2年生も、来年もまた高校生としての夏休みがやってきます。来年の夏休みは、開始当初から自習室が熱気に包まれていることを期待します。
 

開成ハイスクール英語科 濱田健太郎

「学ぶ」

2011 年 8 月 29 日 月曜日

 こんにちは。

 今回は、「学ぶ」ということについて考えてみたいと思います。

私は、「学問」という言葉を、次のように解釈します。「学問」とは、「学ぶ」ことを「問う」ことである、と。「学ぶ」とは一体どういうことなのか、どんな意味を持つものなのか。それを問い続ける限りにおいて、「学問」は「学問」として何らかの意義を持ち続けるのではないでしょうか。学ぶことの意味・目的を、自分に、そして社会に問い続けない限り、そこからは何も生まれないと思うのです。そして、その問いかけの中から何かを見出した時、おそらく「学問」は「学術」へと発展するのでしょう。「学術」とは「学ぶ術(すべ)」と書きます。学ぶことは、必ずや形をもった「術」となり得ます。自分がそれを意識する、しないに関わらず、「学問」は自己発展の具体的な手段となるのです。

私は、開成ハイスクールの教壇に立ち、英語の教科指導をしながら、「学問」「学術」のもつ醍醐味、世の中の見方や生き方まですっかりと変えてしまう学問の魅力にとり憑かれた者として、実はそのことを、生徒諸君に最も伝えていきたいのです。もちろん、テストの点数や入試といった現実があります。それも現実です。そうした現実の中で、諸君の「学問」への道をいかに切り開いていくか、これが私にとって、取り組むべき大きな課題なのです。

漢文「センター試験対策」勉強法

2011 年 8 月 22 日 月曜日

今回は、センター試験対策としての「漢文の勉強法」を紹介します。

やることは、以下の3点です。

①句型と単語
②文型
③長文の再読

① 句型と単語
漢文は書き下すと、古文の文章になります。助動詞・助詞の使い方なども、古文とほぼ共通しています。
ただ、一点大きな違いは、古文にはなかった句型が文中に出てくる点です。多少は論理でクリアできるものもありますが、受験生は、基本的なものは当然暗記をしておく必要があります。もちろんセンターでは句型がでている部分が設問に絡んできますので、避けては通れません。必ず一冊、「句型集」は完成させておきましょう。そして、漢文にも重要な漢字があります。たとえば「百姓」は、現代語の百姓とは違い「一般の庶民」を表します。このように、独特の意味を持った漢字を、一つの単語として暗記する必要があります。もちろん、古文単語とは違い数も少ないですので、語句の載っている参考書などを見て、一気に覚えてしまいましょう。

②文型
漢文では、英語同様、語順により品詞を見極め読解していくことも必要不可欠です。現代の日本語のように、助詞によって品詞を見分けることが困難なため、基本の語順を暗記しておくと、より読解の精度やスピードが高まり、返り点等の設問にも容易に対応できるようになります。また、古文同様、主語の省略が著しいので、述語の位置は語順から必ず理解できるようにしておきましょう。特に、授業で語順を学んだ受験生は、読解を繰り返すことが肝心です。語順を知っているか否かで、読みのレベルが大きく変わりますので、必ずマスターしてください。

③ 長文の再読
漢文の点数に伸び悩む人は、漢文を読む分量が足りていない場合が多いようです。ですから、問題を解くことは当たり前のことながら、必ず文章を3度は読み返してください。
また、すでに理解できている文章を読み返すことにより、文の構造や使われている句型が頭にしっかりと記憶されていきます。頭の中に漢文の文章のモデルをたくさん作っておくことが、成績上昇の近道ですから、授業を受けている人はかならず復習の仕上げに読み直しを行ってください。
以上が、漢文の勉強法の要点です。とにかく、句型と単語・文型・長文の再読が、漢文の頭を作る一番の近道となるはずです。

                              国語科 重留 英明