入試の傾向について
2013 年 3 月 4 日 月曜日その大学の傾向を分析します。これは、受験者には必須の受験対策であり、欠かしてはならない勉強法です。よもや傾向もわからないまま、当日の試験を受ける受験生はいないでしょう。
しかし、一方ではあくまでも傾向は傾向であるということを、頭のどこかにおいておかなければいけません。その良い例は、本年度実施されたセンター試験の国語です。昨年の平均点が117点であったものが、今年は平均点が101点と16点も平均点が下がっています。その背景にあったものが、傾向の変化です。通常、過去問研究をしている受験生は、センター国語の大問の一は『評論文』がでると確信していたはずです。ただ当日、出題されたものは『随筆』とよばれる要素の高い文章であり、傾向を信じ込んでいる受験生は、傾向の違いに混乱をきたしたことでしょう。そして、傾向が変わることによって平均点が大きく下回るということから、受験生の多くがいかに紋切型の対策に終始し、本質的な学力の構築をしていなかったかと言い換えることもできます。
これから受験を迎える皆さんは、出題の傾向を知ることは間違いなく有効な手立てです。ただそれは、あくまでこれまでに出題されたという結果であり、次年度の傾向を保障するものではありません。このことをほんの少し頭においておくと、当日どんな問題がでようとも、皆さんは動揺なくベストなパフォーマンスでのぞめるはずです。
そしてなにより将来の受験生は、傾向に左右される薄っぺらな勉強に頼るのではなく、しっかりと腰を据えてどんな問題にでも対応できる本質的な学力を身につけることが何よりの受験対策でしょう。そのためにはたくさんの時間が必要となりますが、日々の努力を怠らず頑張ってください。応援しています。
開成ハイスクール国語科 重留英明