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開成教育グループ


2018 年 7 月 9 日 のアーカイブ

別の景色が見えてくる

2018 年 7 月 9 日 月曜日

高校の期末テストが終われば、間もなく夏休み。勉強にも部活にも、たっぷり時間の取れる時期がやってきます。受験生にとって「夏を制する者は受験を制す」というのは当然のことですが、1・2年生も、大きな目標を定めて大きく伸びる夏にしてください。

さて、夏休み中の開成ハイスクールは、7月16日から夏期講習が始まり、通常の授業日や時間帯とは異なる講座が始まります。時間割を確認しておきましょう。また、2・3年生には8月7~9日に夏合宿もあります。まだ申し込みをされていない生徒は、急いで申込書を提出しましょう。夏合宿でも、私たち教師も、全力を注いで授業をします。皆さんも、限界を突破しヘトヘトになるまで頑張れば、大きな達成感を得ることでしょう。そして、一つの大きなことを成し遂げると、きっと見えてくる風景も違ってくるものです。私もそんな経験をしました。

 

数年前の8月のことです。その年も琵琶湖畔で中学生の夏合宿に参加しました。合宿が終わると、次の日から私は短い休暇になります。慌ただしかったのですが、その合宿から帰った翌朝は5時に起床し、大阪空港へ。飛行機2本と路線バス2本を乗り継ぎ、終点の漁村に到着。

次の朝も早起きし、ホテルまで迎えに来てくれた地元の山岳ガイド氏に連れられて出発。かつて地図には載っているが誰も行ったことがなく「暗黒の湖」「幻の湖」とも呼ばれた、標高約700mにある湖までの往復です。現在は地元の人たちのお陰でトレッキングルートも整備されていますが、岩場のアップダウンが連続する難コースでした。野生のクマが生息していて、他に歩いている人をほとんど見かけないという場所でしたが、ガイドのR氏に導かれて、念願の湖に到達。R氏が湖畔で沸かしてくれたコーヒーを飲み、2ショットの記念撮影などして、「これで、思い残すことはない」と、歩いてきたルートを戻りました。

その帰路です。湖からしばらく歩いたところにある小さな沼の端に腰を下ろして休憩しました。すると、往路では気づかなかったのですが、その地方で最高峰の火山が正面に見えます。横のR氏が差し出す双眼鏡を覗くと、岩肌の剥き出た山頂付近と稜線に見える溶岩ドーム。はっと息をのみました。それまでは湖までの踏破を目標にここまでやって来ましたが、その目標が達成された途端に、山麓の町からでは決して見えることのない別の景色が目の前に現れたのです。壮大な風景に圧倒されました。

「どう? 登りたくなっただろう」と囁くR氏に、私は黙って頷きます。「じゃあ、次に来たときは、あの山頂までガイドするぜ」とR氏が言ってくれました。けれども、残念なことに、去年も今年もあの約束は果たせていません。いつか、まだ私の体力があるうちに、そして噴火活動が始まる前に、あの火山に登ってみたいと思っています。

 

一つの目標を達成すると、次の景色が現れて、次の目標への意欲が出てきます。

高校生の皆さん、どうぞ有意義な夏休みにしてください。

 

    開成ハイスクール英語科 井上 敬友