数学と科学・技術 その2
みなさん、こんにちは。このブログの原稿を書こうとしていた時に、嬉しいニュースが入ってきました。青色LEDの発明で、日本人3人がノーベル物理学賞を受賞しました。そこで今回は、このことについて書いていこうと思います。
みなさんが、この原稿を読んでいる画面には、さまざまな色があります。では、青色がなければどうなってしまうのでしょう。少し実験してみました。下の画像を見てください。このブログのバナーです。
もしこの画像に青色が使えなかったとしたらどうなるでしょう。青いところが消えるだけでしょうか?実は次のようになります。
全体が黄色くなってしまいました。これは、パソコンの画面などのように、光っている物の色は、赤緑青の光の三原色からできているためです。赤緑青の三色がそろって初めて白色ができ、青色をなくすことで、赤と緑が混ざった黄色が見えているのです。ノーベル賞の受賞理由に「白色光源を可能にした青色LED」というようなことが書かれていますが、青い色を使うことで白色ができていることがわかると思います(実際、みなさんが見ている色は、青色LEDの青そのものではない可能性の方が高いですが、ここでは、そのことは置いておきます)。
では、青く光ればそれでいいのでしょうか?そうではありません。青い色が弱いと白くできません。下の画像をみてください。青い色をだんだん強くしています(そうは見えないかもしれませんが・・・)。
「青色30%」
「青色50%」
「青色70%」
「青色100%」
そして、この青い色を強くしていく、というところに実は数学が使われています。詳しいことは省略しますが、数学Aで学ぶ記数法(n進法)が利用されています。鈴木先生もひとつ前のブログで記数法の話をしていますね。このように、単に青く光ったというだけでなく、青い色を数字に変えて制御できるようになったことが大事なことです。実際、色を、数字を使って制御することで次のようなこともできます。次の画像をみてください。ブログ記事の入口のところにいる、「マチルダ先生」です。服の色が変わっていっているのがわかると思います。これは、青色だけでなく、赤や緑の色の割合も制御することで実現しているのです。
いかがでしたでしょうか。みなさんが今学んでいることは、実は色々なところで関連しあい、日常の中で使われています。学ぶことで、先人の知恵を吸収し、色取り豊かな人生を歩んでください。
開成ハイスクール数学科 村上 豊