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開成教育グループ


‘ブログ’ カテゴリーのアーカイブ

書を捨てよ、旅に出よう

2010 年 7 月 20 日 火曜日

毎日、蒸し暑い日々が続いています。とくに日本の、さらに大阪の蒸し暑さはただものではない凄まじさです。こんな日々が続くと、旅に出たくなります。というわけで、今回ははるか昔学生時代に行った旅行の話を書きます。

私は、今や世界史の教科書にしか登場しない国である「ソビエト連邦」に三週間行ったことがあります。東西冷戦(今や歴史用語になりましたが)の中、西側諸国の日本人が、東側の国家であるソ連に旅行するのは、ただならぬ困難がありました、というわけではありませんが、事前に、入国から出国までの全ての宿泊地と移動手段の予約を確保し(といっても代理店がしてくれることですが)、その支払いが完了した証明書を持って大使館へ行くとやっとビザが下りる(といっても代理店がしてくれることですが)という状況なので、準備には相当時間がかかりました。距離は近いですが、現在の韓国や中国のように「ちょっとそこまで」の感覚では行けませんでした。

季節は早春でしたが、シベリアはまだ冬でした。最低気温はマイナス30度くらいでした。とはいっても湿度も低く風もないので、思っていたほどの寒さは感じませんでした。シベリア鉄道にも三日間ほど乗っていましたが、暖房がきつすぎて暑いぐらいでした。そのため夜中の停車駅で涼みに出て鼻の中を凍らせて鼻血を出したり(なぜか私はなりませんでした)、冷たい飲み物を欲しくなるので、駅に売りに来るトナカイの未殺菌のミルクを一人一本飲んでお腹を壊したり(これも不思議なことに皆と同じように飲んだ私だけには何も起りませんでした、他の日本人たちが寝台車の中で、「うーーーーーーん、うーーーーーん、うーーーーーーーーん」とうなっている中、一人車窓の風景を眺めているのは本当に景気の悪い話です)などとよくある話だけで過ぎ去って行きました。

その後は中央アジア、今でいうウズベクスタンとトルクメニスタンに行きました。内側の壁やドアが全て木でできているプロペラ機に乗ったのもこのときです。当時のソビエト連邦では頻繁に墜落事故を起きていましたが、機体を見ればうなずける話でした。フライト中にコックピットのドアが大きな音を立てて開いたり、山にぶつかりそうになるたびに、大丈夫かと思っていました。窓際に座ると、すきま風が入ってきて風邪を引きそうになるのも困りものでした。今となっては淡々と書いていますが、当時も達観していたのか、感覚がマヒしていたのか、怖いとは全く感じませんでした(誰もがそうではなかったらしく、同行者の一人は途中でぶっ倒れてしまいました)。

まだまだ続くのですが、旅に出ることのメリットは何でしょうか。非日常の経験をするのも一つでしょう。あとは世界(もちろん日本も)広い半面狭いということを実感することではないでしょうか。いろいろな人たちに出会えます、いろんなものを見聞きします、そこから世界の広さを感じる半面、同じ人間なのだということを知ることで、世界の狭さを感じるかも知れません。少し次元が異なりますが、私はサンクトペテルブルクのホテルで、予備校時代に私の後ろの席に座っていた女の子にばったり再会しました。海外であった人に日本でばったり出会ったことも何度もあります。日本にも世界にもこんなに人間がいるのになぜと思います。どこにだれがいるかわかりません、悪いことはできません。

もちろん夏期講習もあります、宿題も山のようにあるでしょう、部活もあります。でもその合間にどこか旅に出るのはいかがでしょうか。私も夏期講習の合間にどこか(もちろん日本国内ですが)出かけてこようと思います。

片岡尚樹

使える!暗記術!! ~インプットのための具体的方略

2010 年 7 月 12 日 月曜日

 受験生は原則的にアウトプットでしか評価されません。いくら自分は勉強をしているつもりでも、貧弱なアウトプットしかできなければ、入試には合格できませんし、いつまでたっても成績は伸びません。大学受験には努力賞はないとっても過言ではありません。(ただし、努力を無駄だと言っているわけではありませんよ。)ですから、インプットをするときも常にアウトプットを意識して行うことが大切です。

 もう一つ、インプットの量が多けれべ多いほどいいアウトプットが生まれるわけではない点にも注意が必要です。いくら沢山の知識や情報を詰め込んだところで、頭の中で関連付けや整理ができなければ、肝心なときに必要な知識を取り出すことができません。

 例えば、日本語に訳されないshould(仮定法現在と呼ばれる単元)を学習するのでも、「感情を含む形容詞・名詞」とともに使うパターンと「必要・重要・妥当などの形容詞」とともに使うパターンおよび「提案・命令・要求などの動詞」とともに使うパターンの間には試験で出される形式が異なってきます。後者はthat節内のshouldが省略可能なため、4択問題や語句整序(並び替え)で出題されるのに対し、前者はshouldが必ず入るので英作文での出題ななされやすい、など各単元の重要項目をただ覚えるだけでなく、「試験でどう出るか」、換言すれば「いかにアウトプットするか」の視点を添えて覚えるようにすると、みなさんの得点力UPにつながりますよ。

 地味でしんどい暗記作業を少しでも快適に、楽しくやっていく方略をブログでハイスクール生のみんなに伝えていきたいと思います★

次回の私の記事は皆が苦手(と思われる)なリスニングの勉強法についてお伝えする予定です!

 
英語科

モノの値段とは

2010 年 7 月 5 日 月曜日

こんにちは。暑い日が続いています。ワールドカップも結果的には残念かも知れませんが、よくやったと思いますし、なにより寝不足に悩まされずにすみそうです。みなさん、体調管理はしっかりして、この夏を乗り越えましょう。

さて、話はガラリと変わりまして、今日はモノの値段について考えてみたいと思います。高校生になりますと、1日に1円も遣わなかったという日はほとんどないのではないでしょうか。特に暑いこの時期ですから、アイスやジュースという冷たいモノを買い求めることが多いでしょう。買い物上手な方であれば、少しでも安い店で購入することでしょう。当たり前のことですが、安い方がうれしいですよね。
先日、中3のある生徒が、夏の受験合宿の費用が高いから行きたくないと言っていました。(過去に参加してくれた生徒さんもかなりいるはずですよね。)よくよく話を聞いてみると、保護者の方は参加していいよって言って下さっているのに、本人がビビってしまって、値段を口実にしているようにも感じました。私も自分が中学生だった頃、7泊8日で、11万円という夏合宿を経験しました。(開成はこんな値段ではありませんから、ご安心を。)私も幸いなことに、親がお金を出してくれると言ってくれましたが、正直、その中3の生徒と同じようなことを口にした記憶があります。その当時の先生は、私にこう言いました。『高いモノになるか、安いモノになるかはお前次第や。』ということでした。
確かに当時の11万円は大金です。(もちろん、今でも11万円は大きいです。)さらに、こんなことを言われた記憶があります。
『同じ値段でも早く決心した方が価値が高く、安いモノとなる。』
 どうせ営業トークだろうと当時の私は思いました。
 では、今の私はどう感じているかといいますと、まさに言われた通りと感じています。その困難に自分から向かっていくという気持ち、そして合宿での空気。この2つは、非常に大きな糧となりました。気持ちや空気は目には見えないかもしれません。しかし、確実に人間が変わっていくキッカケになったと思います。年をとるにつれて、人間が変わるのは大変なことです。そう思えば、全然高いとは感じません。

 みなさん、モノは安く買いたいですね。

濱田@弁天町教室

あなたは自分の時間を「管理」できていますか?

2010 年 6 月 28 日 月曜日

こんにちは。今回も、定期テストに向けての取り組みについて、お話しさせていただきます。テーマは「時間管理」です。

 

1日の中で、自分が思うように使うことのできる時間は、ごく限られていますね。この「限られた時間」を、定期テストに向けていかに有効に活用できるかが、成績アップの最大のポイントといっても過言ではないでしょう。

 

 時間を有効に活用するには、「計画立て」が必要です。時間はお金と同じように、有意義に使うためには、手持ちの分量をどのように使うかをあらかじめ決めておかねばなりません。簡単に言えば、これが「計画立て」です。

 

 例えば、ここに1万円あるとしましょう。このお金を最大限有効に使うには、あなたが今、何が欲しいのかを考え、その優先順位にしたがって、何にいくらずつ使っていくのかをあらかじめ決めておく必要がありますね。逆に、その場その場でお金を無計画に切り崩していくと、お金は知らないうちにどんどん少なくなっていき、気付いた時には本当に欲しいものが手に入らなくなってしまいます。

 

 時間についても全く同じです。あなたの時間を何に使うのか、あらかじめ計画立てておかないと、せっかくの時間がムダに過ぎていくばかりです。そして、あなたが定期テストでの成績アップを本当に望むのなら、そのために時間を使うことを優先順位のトップに置くべきなのです。あれこれ時間を費やして、残った時間で勉強しようと思っても、おそらくその時点で時間は残っていないでしょう。まず、やるべきことを先に済ませ、残った時間で他のことをする、という優先順位を常にキープしてください。

 

 そして、この優先順位を常に守っていくには、勉強する曜日と時間帯を、(できれば教科別に)あらかじめ設定しておくことも不可欠です。つまり、自学の時間割を作成するのです。主要教科である英・数、または不得意科目を中心に、○曜日の○○時~○○時はA教科を勉強し、△曜日の△△時~△△時にはB教科を勉強する、といった具合にです。この計画表(時間割)を見やすく大きな紙に書いて、机の前に貼っておき、さらに縮小版をもう一枚作って手帳などに入れておくか、携帯電話に書き込んでもいいでしょう。そうすれば、計画を自分でごまかしにくくなるし、この計画を常に意識できるからです。

 

 計画表を作るときに心がけて欲しいのは、「決してムリな計画は立てない」ということです。実行不可能な計画立てをして、実際に計画通りに勉強ができなければ、自分自身や勉強そのものに対して「できない」というマイナスのイメージを持ってしまいます。これではますます勉強が嫌になってしまいますよね。大切なのは、最初はムリをせず「自分でもできそうな計画」を立てることです。初めはわずかな時間ずつでも、とにかく実行することが大事ですし、少しずつでも、今までよりは勉強するわけだから、効果は必ず出てきます。そして、自分で立てた計画を1日でも達成できたならば、それだけでも純粋にうれしいでしょうし、その時の達成感・満足感が、勉強に対するあなたのイメージを、徐々にプラスの方向へと変えていくのです。

 

 最初に立てた計画がすっかり定着し、ムリなくスムーズにこなせるようになった時点で、少しずつ時間や回数を増やしていけばいいでしょう。

 

 「自分でもできそうな計画」を立てても、やはり最初のうちは、それを実行するのがなかなか難しいかもしれませんね。そのつど、他にやりたいことはたくさんあるでしょう。それが現実かもしれません。

 

 計画表では、今からあなたは英語の勉強をすることになっています。一方で、見たいテレビ番組がまさに始まろうとしています。さて、あなたはどうしますか?

 

 「計画表を破るのはいやだけど、テレビも見たいよなあ…。よし、英語の勉強は別の日にまわして、今はテレビを見よう。」この人は果たして、今日の分を別の日に勉強するでしょうか。たぶんできないでしょう。別の日は別の日で、また他にやりたいことが出てきて、その時もやはりそちらを優先させてしまうかもしれません。これではキリがありませんね。

 

 計画表を守る人と、他にやりたいことを優先させる人は、どこが違うのでしょう。それは「定期テストで点を取りたい」と思う気持ちの度合いです。

計画表(成績アップ)>他にやりたいこと

計画表(成績アップ)<他にやりたいこと

まさにこの違いなのです。計画表の勉強時間に、あなたが他にやりたいことがあれば、「成績アップ」と「他にやりたいこと」を天秤にかけて、あなたはどちらをより望むのかを考えてみてください。そして、それにもとづいて、どちらを選択するかを決めてください。

 

 始終勉強ばかり、というわけにもいきませんよね。テレビも見たいし、インターネットもしたい。ゲームもあれば、友達と過ごす時間も大切です。だからこそ、勉強とのバランスをうまく保つために、時間の使い方の計画立てが必要となるのです。勉強時間と自由時間をあらかじめ分けておき、その線引きを明確にして、それぞれ集中し、それぞれ楽しむ。このメリハリこそが、毎日を充実して過ごす秘訣であり、これが、「自分の時間を管理する」ということなのです。

英語の方言

2010 年 6 月 21 日 月曜日

先日、私は道端である外国の方から話しかけられました。
まぁ、私はこんな髭っ面ですので比較的よく外国の人から話しかけられます。
ただ、全く聞き取れない言語だったので、英語で返答したのです。
そうすると、相手も英語で話しかけてきました。
アラビア語っぽい響き。音が非常に新鮮な英語でした。

方言は本当におもしろいですね。
その人の生活や文化を反映したり、そこには歴史すら感じることもできます。

英語にも方言はたくさん存在します。
オーストラリアでは、[ei]という発音を[ai]と発音する地域があります。
Hello.のかわりに年配のオーストラリアの人はGood day.をよく使いますが、
発音が[グッダイ]のように聞こえます。
Do you come here today?もDo you come here to die?に聞こえてしまうのは有名な話。
イギリスに支配された歴史がありますので、発音はイギリス式。[a][e]の中間音が存在しない地域も多数あります。

アメリカの方言で興味深い地域はテキサス方面です。
ここの英語は独特な響きがします。二重母音は長母音に(例えば[ai]は[a:]に)なったり、逆に母音がたくさん入ってきたりします。
I have no time.が「ア~ヒェァヴノ~タ~ム」と少しゆっくり発音されるのを聞いたときは新鮮でした。ダラスに住む知人のお祖母さんはHelloを「ヒェ~アロ~ォゥ」のように発音します。暖かい響きがして好きです。

アフリカ系アメリカ人の話す英語も非常に興味深いです。
have+過去形、done+過去分詞など、この英語には独特の文法まで存在します。
現在進行形はbe動詞を原形のままで使う地域があります。この地域はbe動詞を変化させると先月皆さんに教えた「~ばかりしている」be動詞 + always + ~ingになります。
発音もthの発音はほとんどが[d][t]になり、末尾のrは消える傾向があります。
非常に面白いので時間があれば研究してみたい領域です。

イギリスの国土はそんなに広くはありませんが、ここは方言の宝庫です。
クイーンズイングリッシュは、今ではあまり使われなくなってきていますが、元クラスメートのお母さんが使っていてI’m going to telephone there.を「アイムガゥインテレフェーンザ~」のように発音していました。母音の発音が至難の技。私には到底まねができない領域です。
ロンドンの下町に行けば全く違う響きの英語に出会えます。コックニーイングリッシュと呼ばれています。ここは[h]などの子音が欠落し、It is~のtもよく欠落します。hairはairのように聞こえます。これも暖かい響きがする英語です。

普段、私は入試英語ばかり教えていて、なかなか英語の本質を伝えられていないところがあるのかもしれません。
実際の英語は常に変化をしていて、そこには面白い歴史や方言がたくさんあります。
もちろん、これらの多くは大学で学ぶことができます。
生徒のみなさんにも大学で「英語を学ぶ楽しさ」を是非体感してもらいたいと思っています。

大道@西田辺

大学受験とワールドカップ

2010 年 6 月 14 日 月曜日

 いよいよワールドカップ開幕です。いきなりですが、「塾の先生と受験生」「サッカーの監督とサッカー選手」この2つは似ていると思いませんか!?
 受験勉強をサポートし合格へ導く、そんな仕事が塾講師の仕事です。
 今日は、そんな塾講師の仕事の中でうれしかった話を紹介します。
 今春、高校1年から高校3年生まで3年間指導した生徒が国公立大学へ合格しました。
 この女の子は高1から水泳部で水泳をした疲れた体で、私の授業を頑張って受けていました。そして高3となり、いよいよ部活動も最後の大会が近くなりました。彼女の高校は進学校だったため、大半の水泳部員は6月に引退します。
 しかし彼女は、高3の4月の私との面談で、8月まで部活を続けたいと言いました。
 「8月まで部活を続ける」というのは現役合格の可能性を大きく低下させます。しかし私はこれまでの彼女の部活への取り組みや、彼女の性格を考え「部活を続けなさい」と面談で提案しました。
 以下は、彼女の合格体験記からの抜粋です。

 「私は、部活をしながら受験勉強をしていたので、疲れているときはしっかり休み、勉強するときはしっかり集中するというメリハリをつけた生活をこころがけました。
とても忙しく大変な日々が続きましたが、前田先生が「最後まで部活をやりきれ」と言ってくれたことや、それに合わせた受験プランを立ててくれたことで両立できたと思います。」

 塾講師は人を育てる職業です。上記のような合格体験記を書いてもらえると塾講師冥利に尽きます。受験は競争です。勝つことも負けることもあります。しっかりと勝つことも大切ですが、その結果に納得がいくことも大切であると私は考えています。
 トップ大学に合格するだけが受験ではありません。自分の立てた課題に挑戦していくことも大切であると考えています。ワールドカップでも日本がベストを尽くせることを期待しています。

前田佳邦

素読のすすめ

2010 年 6 月 7 日 月曜日

昔の日本の教育は、暗記主体でひたすら本を素読させて、頭の良い働きをつくるというものでした。そのため、たくさんの文章を暗記させていました。しかし戦後の教育では、意味の分からないものを暗記させても役に立たないとし、まず理解させ、そしてそれを応用させていくという教育に変わっていきました。
僕自身もそういう教育を受けて育ち、暗記というものに対して否定的な見方をしていました。しかし、教育の現場にたち、多くの生徒を指導していくうちに、同じ問題を反復し暗記することの大切さを思い知らされました。特に僕は数学を教えているので、生徒ができないのを見ると、それはできないのではなく、ただ記憶していないだけであること多いようです。
生徒は、同じ問題を何度も解くことをあまりしません。というよりも、その発想すら持ち合わせていません。これは理解中心の教育で育ったため、数学は考えて応用するものであると思い込んでいるからでしょう。僕もそのように思っていましたが、教えるようになって気がついたのですが、同じ問題を何度も、何度も教えているうちに数学力が格段についてきたことを経験しました。多くの問題を解くよりも同じ問題を何度も解くほうが飛躍的に数学ができるようになりました。
これこそが、戦前の教育法である、暗記は単なる知識の記憶にとどまらず、頭の質を変えてしまうという考えにもとづくものではないかと思います。僕自身は、暗記の重要性をもっと伝えていこうと思い日々指導しています。

数学科 高橋 望

定期テストも「やりっぱなし」ではもったいない

2010 年 5 月 31 日 月曜日

 もうそろそろ中間テストの結果も出揃ったところでしょうが、皆さんの結果は満足できるものだったでしょうか。とくに、1年生の場合は初めての高校での定期テストだったわけですが、ひょっとすると中学時代とは点数があまりにも異なり愕然としてしまっている人もいるかもしれません(でもそれが普通です)。
 さて、テストのあと、問題や答案用紙はどうしていますか。さすがに、あまりに悲惨な点数で答案用紙を破り捨てた、なんて人はほとんどいない(私の高校時代には周りによくいました)だろうと思いますが、結果を見ただけで終わりとか、ちょっと間違ったところを見直しただけいう人も多いのではないでしょうか。
 しかし、定期テストというものは、将来の受験勉強にとっては実は格好のネタなのです。例えば、数学の場合、将来受験勉強をするときには、過去の大学入試問題を中心に演習します。そういった問題は基本レベルの問題が組み合わされて出題されているので、それに対応するためには、今学校で使っている教科書や教科傍用問題集のレベルの問題はすべて「瞬殺」できることが前提になります。したがって、教科傍用レベルに穴があいていると入試問題は手も足も出なくなるということが多々あります。そういったとき、もはや教科傍用レベルの問題集を一からやり直すということは時間的にはなかなか難しいものがあります(あまりにも苦手な単元ではそうすることも必要になるでしょうが)。こういったときに、過去の定期テストが生きてきます。定期テストはある程度のレベルで易しいものからやや難しいものまでがコンパクトに、しかも解答目標時間まで明示されている格好の問題集なのです。テストが終わった今では、またもや新しいことが次々と出てくるのでなかなか時間はとれないでしょうが、しばらくして時間があるときや、本格的に受験勉勉強を始めるというときには、是非取り出して再度挑戦してほしいのが定期テストなのです。ひょっとすると、時間が経ってしまってすっかり忘れてしまい全く解けないかもしれません。あるいは、試験を受けたときには全く分からないものがすんなり解けるかもしれません。そしてこんなことをここで実はやっていたのかという発見もあるかもしれません(これが一番重要です)。そういったことを少しの問題で発見させてくれるのが過去の定期テストだいえるでしょう。
 こういったことは、数学だけに限らず、英語(グラマー)や地歴、公民、理科といった教科にも当てはまるでしょう。ですから、今すぐとはいいませんが、また必要になるときには是非取り出してほしいのが定期テストなのです。

片岡尚樹

あなたには明確な「目標」がありますか?

2010 年 5 月 24 日 月曜日

こんにちは。前回私は、 “定期テストが「嫌い」なあなたへ”と題して、定期テストに向けての取り組みの「出発点」についてお話しさせていただきました。今回はその続きとして、定期テストにおける「目標」の重要性について述べさせていただきます。

「次の定期テストのあなたの点数目標は何点ですか?」
 定期テストで成績をアップさせるには、この問いに即答できなければなりません。明確な目標設定は、点数アップに必要な条件です。目標が明確でなければ、それに向けての取り組みも曖昧になってしまいます。

 点数目標は、「成績を上げたい」という願望の現われであり、この願望が成績アップの出発点となります。「○○点を取りたい」「○○点アップしたい」という明確な願望=目標もなく、ただテストがあるから義務的に勉強しているだけでは、ある程度以上の点数は取れません。成績アップは、まず「点数を上げたい」と強く望むことから始まるのです。明確な目標は、それを達成しようとする意欲を引き出し、勉強に対する動機づけを与えてくれます。

 学年トップやクラストップを取る生徒たちは皆、「トップを取る」ことを強く意識しています。トップの生徒と2位の生徒の差は、学力の差よりもむしろ、意識の差が大きいように思われます。

 ところで、あなたには、定期テストに向けてがんばる理由がありますか?もしあなたが、大学進学を考えているのであれば、「第一志望校現役合格」という大きな目標のために、ぜひ、定期テストに向けての取り組みを大切にして欲しいのです。

 結論を先に言うと、「定期テストに向けての取り組みは、大学受験に直結する」のです。

 大学入試といっても、その基本はやはり高校の教科書内容です。高1・高2の時点で、毎回の定期テスト範囲の内容を確実に身につけていき、しっかりとした基礎ができていれば、3年生(受験生)になっても、慌てることはありません。無理なくスムーズに入試レベルの内容をマスターすることができます。一般的な受験生のイメージは、「とにかくひたすら勉強、勉強」ですが、そんな無茶な、つらい勉強をする必要はないのです。

 また、定期テストも大学入試も、期日と範囲が決められているという点では同じ性質のものです。だとすれば、毎回の定期テストに向けてどのように時間を使い、どのように取り組んできたかが、その後の、大学入試に向けての取り組み方を大きく左右します。

 定期テストは一夜漬けで何とか乗り切っても、大学入試になるとそういうわけにはいきません。でも、一度ついてしまった習慣は、そう簡単には修正できません。そこで、1年間の本格的な入試対策の前に、高1・高2の段階で、定期テストまでの1ヶ月をどれだけ効果的に活用できるか、その計画的な時間の使い方を、毎回の定期テストを通じて少しずつ身につけていく――このことにより、毎回の定期テストにおいて、入試に向けての計画的な勉強法、時間の有効な活用法を習慣づけていくという、最も重要な受験準備を行うことになるのです。

 定期テストという明確な目標に向けて、着実に準備を重ね、高得点を取り、その経験を繰り返すことで、あなたは、学力だけでなく「成績を上げることの喜び」や「日々の勉強習慣」そして「目標を達成する力」を身につけていくのです。それを高3生になってから受験勉強にそのまま活かせば、みごとに「志望校現役合格」を達成できるのです。これこそが、本当に意味のある、本来の定期テスト対策なのです。

使える!暗記術!!~ 英語学習と音韻(リスニング・音読のススメ)

2010 年 5 月 17 日 月曜日

 皆さんはじめまして。今回は英語の効率的な勉強法、その中でも私の専門領域である認知科学・音韻論といった学術的な知見から英語学習にアプローチしてみたいと思います。

 先日、草津駅前教室に通う高1生から「英単語ってどうやって覚えたらいいんですか?ひたすら書きまくるしかないんですかね??」という質問を受けました。このブログを読んでくれている皆さんの中にも単語や文法項目の暗記に苦戦した経験がある、または現在苦しんでいる人がいるかも知れません。

 高校の先生の中にも、「書けば書くほど暗記できる」という信念のもと、膨大な量の予習を生徒に課す方もままおられるようです。皆さんはたまったもんじゃありませんね!

まず最初に断言しておきますが、 「書く量」と「記憶の定着」は必ずしも正比例するものではありません。 (全く書く作業をしなくていいと言っているわけじゃありませんよ。)

どういうことかというと、 「人にはそれぞれ自分にあった認知スタイル(=暗記方法)があり、様々な暗記方法には得手・不得手がある」ことを私たちは知っておかなければならないということです。

暗記における認知スタイルは大きく3パターンに分類できます。
(1) 文字型
(2) 映像型
(3) 音声型

(1)文字型というのはいわゆる活字を読むことによって暗記をスムーズに行える傾向にある人たちのことです。(2)映像型というのは見やすいフォントや場面の映像を脳内に想起させることにより記憶定着が促進されるタイプの人たちを指します。(3)音声型はその名の通り、事柄を歌にしたり、音読することによって暗記が促される人たちのことです。

一般に人はこれらの(1)~(3)のパターンのどれか(またはそのうち複数)に属しているので、自分に合った暗記方法を学習にとりいれることで、学習効率が飛躍的にアップする、というわけです。自分に合ったパターンがわからなくとも、可能な範囲でこれらすべてのファクターを学習にとりいれることで、自然と暗記効率が上がるものです。

そのなかで最も簡単、かつわずかなコストで実践が可能「音声型」のアプローチに着目して欲しいのです。例えば英単語やグラマー・リーダーの重要例文の暗記に関して、ただテクストを黙読し、書きとるだけでなく、教科書や単語帳に付属のCDを聞いて書きとってみたりCDをききながら黙読するだけで飛躍的に暗記しやすくなります。
また、ただ闇雲にCDをきくだけでなく、CDで知った正しい発音で音読をすることにより、さらに暗記しやすくなります。

人間は使用する感覚器官(いわゆる五感)を多く使うほど記憶の定着率が高くなるという実験結果が多くの心理学研究者により報告されています。また、ヒトは進化の過程から考えて聴覚に対して極めて鋭敏な感覚を備えているといわれています(嗅覚なんかはイヌよりも遥かに鈍感ですよね)。

学習に嗅覚と味覚を働かせるというのは現実的でないことを踏まえると、残りの3つの感覚器官をフルに取り入れるのが理想ですね。ノート等に「書く」作業により【視覚】と【触覚】を使用しますが、これに音読・リスニングを加えると【聴覚】と発音による唇の動きという【触覚】を働かせることができます

意外と現役生の皆さんが疎かに扱いがちな言語学習における「音声」の重要性を再認識し、しんどい暗記を効率よく進めましょう!

英語科