【「関西8大学大研究」コラボ企画】8大学 入試制度変更史【こんなに違う8大学】(上)

大学による「受験生獲得三種の神器」といえば、本学以外に試験会場を設定する「地方入試(出張入試)」、複数の学部が同じ試験問題を使う「全学統一日程」、1990年から私立大学にも利用可能になった「共通テスト(センター試験)利用」ですが、(と書きつつ、これを「3種の神器」と呼んでいる人は他に知りませんが・・・)関西の8大学が導入した時期を年表形式で表してみました。横長になりすぎるので、導入年は5年刻みで表記しています。

【地方入試(出張入試)】

入試といえば、その大学に直接出向くのが当たり前でしたが、遠隔地に居住する受験生は、交通費や宿泊費などの負担がかかっていました。そこで、考えられたのが地方入試(導入当初は「出張入試」)です。8大学で一番早かったのは1956年の立命館大学です。札幌、名古屋、広島、福岡の4会場をそれぞれ国立大学のキャンパスを借りて実施しました。縁起でもない話ですが、札幌会場に出向く職員は、航空機事故のリスク回避のため別の飛行機に分散して移動していたそうです。実施のハードルの高さから他大学の追従はしばらく見られず、1970年にようやく関西大学、近畿大学で設定されました。今では近畿大学は全国に56会場、立命館大学も51会場で試験が行われるなど、その規模は拡大を続けています。

【全学統一日程】

大学では、専門分野によって入学後に必要となる基礎学力が異なりますので、学科ごとに異なる入試問題で選抜するべきだ、との考え方もあります。しかしその為には入試問題を複数種類作成する必要があり、試験時間が異なるのであれば、それが実現できる教室数や監督者などの確保も必要となります。さらにこれを複数日程で実施しようとすれば、ほぼ不可能となります。一方、受験生にとっても、その大学のその学科のための準備が必要となり、学部間の併願が難しくなります。しかも、その学部を受験する機会は1回、つまり一発勝負となるリスクがありました。

そこで、考え出されたのは、どの学部を受験するのであっても統一問題を使い、マークシートなども利用して、採点まで機械的に処理してしまおうというのが、全学統一日程です。大学にとってはこの導入で複数の日程を設定することができ、受験生にとっても同じ学科を複数回受験することが可能、しかもその対策は1種類の問題に対してのみとなります。つまり双方にとってメリットが大きいわけです。

1990年に最初に導入したのはこれまた立命館大学。「A日程」という全学統一の試験問題での入試が始まりました。(続く)

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