「石破総理大臣は公立高校の入試制度について複数の公立高校に出願できる「併願制」の導入を検討するよう指示しました。」ABEMATIMES 4月23日(水)15:32配信より引用
公立高校の入試制度は都道府県ごとに大きく異なっています。地域の事情に合わせてそれぞれの教育委員会・教育庁を中心に都道府県ごとに議論がなされて進化していったわけですが、「学区」の有無、選考方式の種別や回数、内申点の配点と対象学年、内申と学力試験の配点割合、学力試験の科目や種類・配点(傾斜配点など)、面接や小論文など学力試験以外の選考、複数志願制の有無、などの複数の要素の組み合わせでできており、用語にもバリエーションがあります。例えば、居住地によって受験校の選択範囲が限定される学区についても、千葉県や兵庫県は「学区」、京都府は「通学圏」と呼ばれています。
さて、この石破総理大臣の発言にある「併願制」ということばも、私立高校の出願に関して使われる事の方が多いのですが、ここでは公立高校の複数志願制を意味していると思います。

そこで、47都道府県の公立高校入試をざっくりまとめてみました。当グループの教室がある地域は自信がありますが、それ以外は各都道府県の教育委員会のネット上での情報を元にしていますので、勘違いがあったらすみません。(各地域にお住まいの受験生はこの表に頼らず、直接お調べください。)
すると、一般選抜で複数志願制度を設けているのは愛知県、京都府、兵庫県と次年度から導入が決まっている奈良県だけです。大阪府も3年後から導入しようかなという議論がなされている最中です。
複数志願制度があったとしても、学区が細かく分かれていて実質それほど多くの学校から選べないなど、他の制度との組み合わせでその実効性も変わってくると思います。
さらに複数志願制度が無くても、複数回受験機会が有るかどうかについてもまとめてみました。別日程入試がある地域では複数志願制度を導入しなくてもよいのでは?と思ったりもします。まあそれも含めて各地域で議論がなされることになるのでしょう。