【大阪府 公立高校】英語外部検定利用について【もう9年目】

2025年8月22日 金曜日

大阪府の公立高校入試では、英語の外部検定を利用する制度が2017年から導入されています。出願時に証明書類が用意できる外部検定があれば、その級やスコアに応じて、英語の点数が保証されるというものです。

例えば英検2級を持っていたら、満点の80%(一般選抜なら満点は90点なので72点)か本人が取った点数の高い方が英語の得点となり、それを含めて合否判定されるという仕組みです。

導入初年度の2017年度入試では、この制度を利用したのは334名。この時の公立高校出願数は5万件を超えていましたので、利用率は僅か0.7%でした。しかし年によっては主に難関校が採用しているC問題(発展的問題)の合格者平均が半分前後となる難しさなので、この制度を利用したほうがお得、というわけで年々利用者が増えていきました。そして2025年度入試では全体では11.8%、TOP10高に関しては66.6%の受験生がこの制度を使うようになりました。

府立最難関とされる北野高校ではなんと出願者407名のうち394名(96.8%)がこの制度を利用しており、その中の47名は英検準1級以上に相当する「資格①」で出願しています。この47名の英語は90点満点だったわけです。

この制度はあと2年は続きますが、現在の中学1年生が受験する2028年度入試からはその「読み替え率」が10%ずつ下がり、資格①では90%、資格②で80%、資格③で70%と変更される方向で議論されています。しかし、それでもお得だと思います。因みに現行制度ではこの外部検定の有効期間は設定されていませんので、早めの取得がお勧めです。

【高校受験】近畿圏の高校受験生の動向【開成教育グループ生】

2025年8月21日 木曜日

昨日は大阪の「私学展」での活況をお伝えしましたが、大阪府を含む近畿圏の私立高校専願率について、開成教育グループ生の変化を調べてみました。

ご覧のように、大阪府の専願率は確かに上昇しています。コロナ禍直撃の2021年度入試に35.0%という異常値となりましたが、2025年度はそれも超えています。

兵庫県は逆に低下傾向です。公立高校の平均倍率低下によって、ひとまず公立を受験しておこうかな?という層が増えたのでしょうか。

京都府はあまり変わらず、といったところです。予定されている公立高校入試制度の変更がどのような影響を及ぼすのか注目です。

公立高校の大きな再編が行われた奈良県では2019年頃から公立を回避する動きにより、早めに専願率上昇がみられましたが、大阪と同じく2021年度入試の急増の後、落ち着いています。

公立王国(?)の滋賀県では少しずつ専願率は上がってきてはいますが、他の府県と比べるとかなり低い割合となっています。

2026年度入試では、昨日のべたように大阪府ではさらに専願率が上がりそうです。現在議論されている私学も含めた国庫負担による高校の修学金支援制度(高校無償化)が全国で導入された場合、他の府県にも影響が出ると思います。今後の情報には注意が必要でしょう。

【大阪府 高校入試】私学人気はさらに高まるか?

2025年8月20日 水曜日

大阪府では段階的に「高校授業料無償化」が導入されており、今年の中3生は、高校入学時から無償となる初めての学年となります。従来、公立高校と私立高校では授業料だけで50万円程度の差がありましたが、どちらも無料、つまりその差が無くなることになります。その影響もあり、各私立高校のオープンキャンパスの来場者は増えているという情報も入ってきましたが、8月16日、17日に開催された大阪府私立高校の合同の入試説明会「私学展」でも多くの来場者を集めたようです。

コロナ禍によって来場制限が行われた2022年までの数字は参考にならないので、2023年からの3年間の全体来場者数を調べてみました。(※来場者数は来場「中3生受験者数」ではなく、保護者や中2以下の学年も含んでいますが、例年同じ数え方ですので、比較としてご覧ください。)

ご覧のように大きく増えています。この増加は中3生の数が増えているためか?と疑われるかもしれませんが、実は2023年に受験生だった2008年の大阪の出生数は7万7千人、今年受験を迎える学年が生まれた2010年の出生数は7万5千人でした。学年と出生年は3か月ずれていますし、出生後の流出・流入は考慮していませんので不正確ではありますが、中3生がここ3年で減少していると考える方が自然です。従って高校で私学に興味を持った受験生の割合が増えていると見られます。今後の進路希望調査なども参考に、私学の難易度の変化にも注意していきたいと思います。

【速報】大阪府教育庁「府立高校15年間で32校程度減が適正」と試算

2025年8月19日 火曜日

夏期休暇が明けていきなりですが、大阪府公立高校に関する大きなニュースが飛び込んできました。

「府立高校の再編を進めている大阪府教育庁は、少子化に伴い、府立高校の数を今後15年間で現在の136校から104校程度に減らすことが適正だとする試算をまとめたことが府関係者への取材でわかりました。」

(NHK 関西NEWS WEB 8月18日 12:25配信 より)

大阪には国立や東大阪市立など府立以外の公立高校も合わせると145校ありますが、その内全日制の府立高校は136校あります。今回の報道によるとその内の23.5%に相当する32校を減少させる、との試算結果が発表されたようです。新たに工業系や多様な学び支援など新たな高校を新設する構想もあるようですから、実際には32校以上の高校が募集停止になる、ということになります。

2025年度入試では大阪府公立高校の約半数で志願者数が募集定員数を下回りました。大阪府には3年連続で定員を下回った学校を統廃合の検討対象にするという条例がありますから、今後募集停止となるのは現状で既に3年連続定員下回っている学校から検討となる可能性が高いかもしれません。

今後も15歳人口は減少していきますので、致し方無いのかもしれませんが、この方針によって高校が無くなってしまう地域が増えることに、一抹の寂しさを覚えてしまいます。

【夏だ】大阪府 吹奏楽コンクール2025 高等学校地区大会 結果【吹奏楽だ】(北摂地区)

2025年8月5日 火曜日

最後は北摂です。小編成では5年前に校舎が新築移転した大阪学院は昨年に引き続き入賞。チアリーディングでも有名な梅花、府立桜塚も金賞・代表です。

大編成(A組)は常連さんが上位を占めました。府立茨木も何度か関西大会には進んでいますので、驚きはありません。しかし高槻が今回金賞が取れなかったのはちょっと意外でした。

さて、代表に選ばれた学校は、今週の府大会に進みます。悔いのない演奏ができるように頑張って欲しいと思います。

【夏だ】大阪府 吹奏楽コンクール2025 高等学校地区大会 結果【吹奏楽だ】(中地区)

2025年8月4日 月曜日

コロナ禍以降、各学校の吹奏楽部の部員数が減少する傾向があったようで、コンクールでも小編成に回る学校が多かったのですが、今年の中地区では逆に昨年小編成で出演した金光藤蔭が大編成(A組)に回るなど、明るい話題もあります。

さて、地区大会の結果ですが、小編成では建国と府立高津が昨年に引き続き金賞・代表。大阪朝鮮、府立山本に加え、唯一の男子校である明星も金賞・代表となりました。大編成の方では府立八尾に加えて大阪学芸とプール学院の私学2校が昨年に続いて、金賞・代表となりました。

この地域ではシード校が多いので、今後は厳しい戦いとなります。

【夏だ】大阪府 吹奏楽コンクール2025 高等学校地区大会 結果【吹奏楽だ】(南地区)

2025年7月31日 木曜日

南地区大会も終了しましたので結果をお知らせします。

小編成では東大谷、羽衣学園の常連私学が今年も代表。さすがでございます。PL学園は現在1学年10名前後の小規模校(昨年度の高校入学者数は9名、今年は12名)なのですが、今年は代表入り。大したものです。

大編成(A)では校名を初芝立命館から変更した利晶学園大阪立命館が代表に。常連の清教学園、府立登美丘と共に府大会に進みます。

【夏だ】大阪府 吹奏楽コンクール2025 高等学校地区大会 結果【吹奏楽だ】(北地区)

2025年7月30日 水曜日

今年も各地で吹奏楽コンクールが始まりました。大阪の地区大会の結果も発表されてきたのでご紹介しましょう。

北地区です。まず小編成は大阪女学院、香里ヌヴェール、相愛といった私立の常連校に加えて府立が2校代表となりました。いずれもそれほど部員数の多いところでは無いようですが、レベルの高い演奏ができたようです。

大編成(A)では代表の6校はすべてが私立高校に占められています。私学の勢いを感じます。

【高校別 大学合格実績】大阪府③ 関関同立ランキング

2025年7月29日 火曜日

関関同立の合格実績に関しても同じようにランキングを作成してみました。

去年も今年もベスト3は茨木、豊中、春日丘の北摂の3校が占めています。以下7位まで府立高校が続きます。9位の三島は合計合格数が60件も増加してランキングも大きくアップ。関西大と立命館大の伸びが大きかったようです。53期生よく頑張りました。それ以外の公立高校もほぼ例年通りの安定した実績を出しています。

大学合格だけで高校の良し悪しを判断するのは間違っていますが、学校選びの材料の一つとしてこれらのデータも参考にしながら、9月に開催される「開成進学フェア」に参加し、いろんな学校の説明を聞いてみましょう。

【高校別 大学合格実績】大阪府② 近畿圏国公立大ランキング

2025年7月28日 月曜日

前回、難関10国立大でのランキングを紹介しましたが、その対象を近畿圏の国公立まで広げて計算してみました。2022年度に大阪市立大学と大阪府立大学が合併して生まれた大阪公立大の数字が大きいため、大阪南部の学校も多くランクインしています。

17位の府立富田林も難関10国立大のランキングと同じように2023年度から順位が跳ね上がっていますが、同じように6位の高槻も同じタイミングで大きく上がっていることがわかります。これは共学化の1期生の卒業年度と重なります。優秀な女子が多かったのか、女子に刺激されて男子が頑張ったのかはわかりませんが、ともかく共学化は結果的に正解だったわけですね。